それでベンチマークテストの結果を見てみよう。スペックを改めて掲載すると、SoCがNVIDIA Tegra K1(2.2GHz)、メモリが2Gバイト、ストレージが16Gバイト、OSの詳細バージョンは、Android 4.4.2という内容だ。参考までにXperia Z3 Tablet Compact(Android 4.4.4)のスコアも一部掲載する。
どのテストでも良い結果を出しているが、特に目立つのはグラフィックス性能、3D描画性能だ。3DMark(IceStorm Unlimited)ではXperia Z3 Tablet Compactに比べても総合スコアで68%、Graphicsスコアのみでも37%よいスコアをマークしている。FuturemarkのResultページによれば、この総合スコアはSurface Pro 3(Core i3搭載:33613)に迫るというのだから驚く。
BASE MARK XのスコアをXperia Z3 Tablet Compactと比べると、Medium設定で47.2%、High設定では126%と、特に高負荷な描画では圧倒している。安兎兎ベンチマークでもCPU、メモリ、GPUいずれもよいスコアで、総合スコアはやはり現行のトップスコアと出た。GoogleのブラウザベースのベンチマークであるOctane 2.0(Chromeで実行)でも、総合スコアでXperia Z3 Tablet Compactに対して43%上回った。そのほか、GFXBENCHMARK、Quadrant Professional Editionの結果も掲載しているが、いずれも優秀であり、スキのない性能を持っていることがわかる。
バッテリー動作時間のテストは、液晶ディスプレイの輝度を約半分に設定し、自動調光はオフ、Wi-Fi/GPSオン、Bluetoothはオフ、音量は53%(ヘッドフォン出力)という条件で、「mVideo Player(開発者:afzkl氏)」を使い、MPEG-4 AVC/H.264(Baseline Profile)形式の1080p動画ファイルをリピート再生させて行なった。
残量表示は1時間で13%前後のペースで減り、約5時間経過した時点で残量表示は25%だった。このペースでいけば7時間弱で0%になることになる。これは一般的なAndroidタブレットよりは輝度、性能ともに高いことが影響していると思われる。プロセッサをバッテリー優先の省電力モードにしたり輝度を下げるなどすればもっと持たせることは可能だろう。
発熱に関しては、通常タブレットのテストで行っているように3DMARKを2〜3回リピートする程度ではたいした発熱はない。Trine2など高負荷なゲームを長時間プレイしているとボディがかなり発熱(室温23度で40度以上)していることがあるが、こういう場合はスタンドに立てて、コントローラを使ってプレイしすることがほとんどであろう。
温度測定結果(室温23度) | |
---|---|
画面側上部左 | 33.5 |
画面側上部右 | 34 |
画面側左上部 | 28 |
画面側左下部 | 28 |
画面側右上部 | 34.5 |
画面側右下部 | 32.5 |
画面側下部左 | 31 |
画面側下部右 | 31 |
画面左上の裏 | 33.5 |
画面右上の裏 | 32.5 |
画面左下の裏 | 33 |
画面右下の裏 | 32.5 |
Tegra K1搭載による高性能と明るい液晶、迫力のあるサウンド機能、これだけでもかなり強調できるが、PCや家庭向けゲーム機でのノウハウを生かした多彩なゲーミング体験と、GPU性能の強みを生かしたペン機能、録画機能など、付加価値を満載している。実売価格は4万円台前半と、Androidタブレットとしては高価な部類に入るが、この付加価値を考えれば決して高くはない。
なお、オプションのSHIELDカバーとSHIELDワイヤレスコントローラーを合わせた3点セットも実売5万円前後と、別々に買うより買い得な価格で販売されている。これらのオプションはSHIELDタブレットを活用するには必須アイテムといえるだけに、購入するならばこちらを強くお勧めしたい。
SHIELD Tabletの主な仕様 | |
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製品名 | SHIELD Tablet |
メーカー | NVIDIA |
OS | Android 4.4 |
本体サイズ(幅×高さ×厚さ) | 約126×約221×約9.2ミリ |
重量(実測値) | 約390グラム(373グラム) |
画面サイズ(液晶方式) | 8.0型ワイドIPS |
アスペクト比 | 16:10 |
タッチパネル | 静電式 |
デジタイザ | ─ |
ディスプレイ解像度 | 1920×1200ドット(約283ppi) |
CPU(コア数/スレッド数) | Tegra K1(4/4) |
動作周波数 | 2.2GHz |
チップセット | CPU内蔵 |
vPro | ─ |
GPU | CPU統合(Tegra K1) |
メモリ | 2Gバイト(LPDDR3) |
メモリスロット(空きスロット数) | オンボード |
ストレージ(評価機実装) | 16Gバイト |
ストレージフォームファクタ | オンボード |
ストレージ接続インタフェース | eMMC |
無線LAN | IEEE802.11a/b/g/n(2x2MIMO) |
Bluetooth | Bluetooth 4.0 |
NFC | ─ |
センサー | GPS/GLONASS、加速度、地磁気、照度、ジャイロ、方位 |
有線LAN | ─ |
ワイヤレスWAN | ─ |
TVチューナー | ─ |
キーボード | ─ |
キートップ仕様・形状 | ─ |
キーピッチ | ─ |
キーストローク | ─ |
ポインティングデバイス | ─ |
主なインタフェース | MiniHDMI、USB2.0(microB)×1、ヘッドフォン/マイクコンボ(3.5ミリ)、Webカメラ(イン約500万画素/アウト約500万画素) |
メモリカードスロット | microSDメモリーカード(SDXC対応) |
SIMカードスロット | ─ |
その他カードスロット | ─ |
スピーカー(音質補正ソフトウェア) | ステレオスピーカー内蔵 |
マイク | ─ |
指紋センサー | ─ |
セキュリティチップ | ─ |
セキュリティロックポート | ─ |
バッテリー仕様 | 19.75Wh |
ACアダプタ実測サイズ | 44×44×44ミリ(幅×奥行き×高さ)突起部のぞく |
ACアダプタ実測重量(本体のみ/ケーブル込み) | 53グラム/89グラム |
ACアダプタ出力仕様 | 5.2ボルト/2.1アンペア |
ACアダプタ対応電圧 | 100〜240ボルト(50/60Hz) |
DC端子形状 | USB2.0(microB) |
プラグケーブル端子形状(ACアダプタ側) | USB2.0(Type A) |
防滴/防水 | ─ |
防塵 | ─ |
カラーバリエーション | ブラック |
オフィススイート | ─ |
価格 | 4万円〜4万5000円前後 |
発売日 | 2014年10月10日 |
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