| ココが「○」 |
|---|
| ・前モデルより薄型軽量化 |
| ・Office付きで手頃な価格 |
| ・サポート面の充実 |
| ココが「×」 |
|---|
| ・Micro HDMI出力を廃止 |
| ・バッテリー駆動時間が短め |
| ・高負荷時の発熱が少し高め |
国内メーカーでは早くから小型Windowsタブレットに取り組んできた東芝。この「dynabook Tab S38」シリーズは、2013年11月に発売された「dynabook Tab VT484」に続く、同社としては第2世代の8型Windowsタブレットだ。シリーズ名の変更に伴い、ボディを薄型軽量化し、OSやCPU、カメラなどの仕様を変更した。2014年夏モデルとして登場した製品で、この秋冬商戦も継続販売される。
製品ラインアップは内蔵フラッシュストレージ容量の違いで2モデルを用意。上位機の「S38/26M」は64Gバイトモデル、下位機の「S38/23M」は32Gバイトモデルだ。いずれもOSは“0円Windows”こと32ビット版Windows 8.1 with Bing、オフィススイートはOffice Home and Business 2013を搭載する(Office Premiumではない)。
フルのWindowsが使えてOfficeも付いた小型タブレット、しかもdynabookブランドで求めやすい価格に配慮している点にも注目したい。
32ビット版のWindows 8.1 with Bingを採用した8型タブレット「dynabook Tab S38」シリーズ。店頭モデルのほか、Web直販では3年保証のモデルも用意されている(詳しくは後述)| dynabook Tab S38店頭モデルのラインアップ | |||
|---|---|---|---|
| モデル名 | S38/26M | S38/23M | |
| OS | 32ビット版Windows 8.1 with Bing | ||
| 液晶ディスプレイ | 8型ワイド(1280×800) | ||
| CPU | Atom Z3735F(1.33GHz/最大1.83GHz、4コア/4スレッド) | ||
| メモリ | 2Gバイト(DDR3L-1333、交換不可) | ||
| ストレージ | 64GバイトeMMC | 32GバイトeMMC | |
| GPU | CPU統合(HD Graphics) | ||
| オフィススイート | Office Home and Business 2013 | ||
| バッテリー駆動時間(JEITA 2.0) | 約7.5時間 | ||
| 本体重量 | 約385グラム | ||
| 実売価格(税別) | 4万円台後半 | 3万円台前半 | |
今回レビューするのは、ストレージ容量が32Gバイトとなる下位モデルのS38/23Mだ。CPUは4コア/4スレッド対応のAtom Z3735F(1.33GHz/最大1.83GHz/キャッシュ2Mバイト)を採用し、Intel HD Graphics(CPU内蔵)、2Gバイト(DDR3L-1333)メモリ、1280×800ピクセル表示の8型ワイド液晶ディスプレイを搭載した。発売から時間がたち、量販店での実売価格(税別)は3万円台前半まで下がってきている。
前モデルのVT484/23Kと比較して、CPUがAtom Z3470(1.33GHz/最大1.86GHz)から変更になっており、バースト周波数やSDP(Scenario Design Power:利用シナリオに即した電力設計)、メモリサポートに若干の違いはあるものの、コア数や2次キャッシュ、動作周波数は変わらない。使用感もほぼんど同レベルだ。
| インテルが公開しているAtom Z3735FとAtom Z3740の主な仕様 | ||
|---|---|---|
| 製品名 | Atom Z3735F | Atom Z3740 |
| コア数/スレッド数 | 4/4 | |
| 2次キャッシュ | 2Mバイト | |
| 動作周波数 | 1.33GHz | |
| バースト周波数 | 1.83GHz | 1.86GHz |
| SDP(Scenario Design Power) | 2.2ワット | 2ワット |
| 最大メモリ容量 | 2Gバイト | 4Gバイト |
| 対応メモリ規格 | DDR3L-RS 1333 | LPDDR3-1066 |
| メモリチャンネル数 | シングル | デュアル |
| 最大メモリ帯域幅 | 10.6Gバイト/秒 | 17.1Gバイト/秒 |
| 内蔵グラフィックス | Intel HD Graphics | |
| グラフィックス動作周波数 | 313MHz | 311MHz |
| グラフィックスバースト周波数 | 646MHz | 667MHz |
| 最大画面解像度 | 1920×1200ピクセル | 2560×1600ピクセル |
| ※CPU自体の比較であり、実際の搭載製品が同じ仕様とは限らない | ||
ボディカラーは「サテンゴールド」のみの1色展開。シルバーに近い落ち着いたゴールドなので派手な印象はなく、使う人を選ばない印象だ。背面に凹凸はなく、どちらかと言えばツルツルしている感があるが、指紋がつきにくい処理がされていて持ちやすい。前モデルのVT484/23Kでブラックだった液晶ディスプレイ周囲のフレームも背面と同じサテンゴールドで彩られているのがユニークだ。
こうした外観のイメージは、同時発表の10.1型Windows 8.1タブレット「dynabook Tab S50」シリーズと共通化されている。

ボディカラーは「サテンゴールド」を採用。液晶ディスプレイの周囲までゴールドという配色が目を引く(写真=左)。Windowsボタンを前面ではなく、側面に配置したシンプルなデザインだ。右上に約120万画素のカメラを内蔵する。背面は左上に約500万画素のカメラを内蔵(写真=右)。左下に「TOSHIBA」ロゴ、右下にモデル名やVCCIなど各種エージェンシーラベルを配置する。さらに右端の上下にステレオスピーカーの左右を備えている本体サイズは縦位置の状態で約132(幅)×210.7(高さ)×9.5(奥行き)ミリ、重量は約385グラム。前モデルのVT484/23Kと比較して、約1.2ミリ薄くなり、約60グラムも軽くなった。
実際に持ち比べてみると、軽くなったことが瞬時に分かる。軽量化とともに薄型化も実現したことで、グリップ感も向上しており、これが軽いという印象につながっているようだ。8型Windowsタブレットとしては最軽量クラスではないが、競合機種よりやや重いという感覚は完全になくなり、満足度は高まった。片手で持ってのWebブラウズや、両手で持ってソフトウェアキーボードを快適に打てるサイズ感が心地よい。

横幅132ミリ、厚さ9.5ミリ、重さ約385グラムのボディは、片手で無理なく持って操作できる(写真=左)。横位置でソフトウェアキーボードを打つ場合、このように指で挟んで持つようにすると中央部のキーも入力しやすい(写真=右)通信機能はIEEE802.11b/g/nの無線LAN、Bluetooth 4.0、センサー類は加速度、ジャイロ、デジタルコンパス、GPSを内蔵。約500万画素のメインカメラ、約120万画素のインカメラ、microSDXCカードスロット(最大128Gバイト)、Micro USB 2.0、ヘッドフォン/ヘッドセット共用端子、ステレオスピーカー(Dolby Digital Plus対応)、モノラルマイクも備えている。
本体装備のインタフェース類については、前モデルのVT484/23Kで大きな特徴だったMicro HDMI出力が省かれている点は注意が必要だ。また、カメラは200万画素のインカメラ/800万画素のメインカメラから、それぞれ120万画素/500万画素にスペックダウンした。
その一方で、背面のステレオスピーカーは横位置で左右に並ぶようレイアウトを変更。さらにmicroSDXCカードスロット、Windowsボタンといった今まで別々に配置していたボタンやインタフェース群を右側面と上部にまとめ、静電容量式のタッチパネルを5点マルチタッチから10点マルチタッチに対応させるといった工夫もした。
公称のバッテリー駆動時間は約7.5時間(JEITA 2.0)、充電時間は約6.0時間(電源オフ時)だ。充電はMicro USB 2.0端子で行う。付属のACアダプタは実測でのサイズが27(幅)×43(奥行き)×43(高さ)ミリ、重量が本体のみで45グラム、USBケーブル込みで76グラムだ。プラグは畳めないが、小型軽量で持ち運びやすい。

内蔵ステレオスピーカーは横位置で左右に並ぶようレイアウトを変更しており、横位置で映像コンテンツなどを楽しむ際に効果が得られる(写真=左)。付属の小型ACアダプタはUSB 5ボルト/2アンペア出力仕様(写真=右)。USBケーブルの長さは、実測で1メートルだ(dynabook Tab S50と共通)。USBケーブルは本体側がL字型コネクタなので、タブレット上面にあるMicro USBと接続した際、ケーブルが真上に飛び出して不格好になるようなことはないなお、本製品も含めて8型WindowsタブレットはOfficeのライセンスが付いて手頃な価格という点に魅力を感じるユーザーも多いだろう。Officeをじっくり使いたい場合は、外付けのキーボードやマウスと組み合わせるのもおすすめだ。
S38/23Mは、OTG対応のUSB(Micro B)端子を装備しており、Micro B→Standard A(メス)変換アダプタを用いることで、一般的なPC用USBインプットデバイス(マウス、キーボード)やストレージ(外付けUDD、USBメモリなど)を利用できる。もちろんBluetoothも搭載しているので、適合した周辺機器を拡張していく方法もあるだろう。マウスとキーボードを用意できれば、出先でOfficeを使った本格的な編集作業もこなせる。
ちなみに、東芝では2014年11月30日までにdynabook Tab S38/S50を購入したユーザーを対象として、「選べる!スペシャルプレゼントキャンペーン」を実施している。これは「USBデバイスアンドチャージケーブル&液晶保護フィルム」「オリジナル・タブレットケース」「Bluetoothキーボード」のうち、指定した1点がもれなくもらえるプレゼントキャンペーンだ。
残念ながら、今回レビューしたS38/23Mは対象外の製品だが、上位モデルのS38/26Mを購入した場合、このキャンペーン利用すればタダで拡張デバイスまでゲットできる。詳細はキャンペーンページで確認していただきたい。

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