ASUSTOR製NAS「AS-202TE」の活用方法を紹介する当連載では、前回HDDの交換による容量増加の方法について取り上げた。データの大容量化が進むと不慮の事故で機器がクラッシュしたときのダメージも大きくなる。このような障害に対しては「これさえやっておけばOK」というものよりも、多層的な対策が望ましい。
現実的には、かけられる予算とデータの重要性、それによって得られる堅牢性、保全性を考慮して取捨選択することになる。PCやNASにおいては、故障率の低いHDDを採用する、RAID 1以上の冗長構成をとる、そして定期的なバックアップを行う、といった方法が考えられる。
まずはASUSTOR NASにバックアップをとる、という使い方から見ていくことにしよう。
Windowsのバックアップはコントロールパネルの「バックアップと復元」から設定する。設定しないままだとシステムトレイに「アクションセンター」から警告が出ているはずだ。バックアップ先にはネットワークドライブが指定できるので、ASUSTOR NASの共有フォルダを指定すればよい。特に難しいところはないはずだ。
AS-202TEはMac OS XでのバックアップシステムであるTime Machineをサポートしている。「サービス」から「Mac OS X」を選択、AFPの設定でタイムマシンのバックアップ保存先を指定すればよい。なお、ここで選択できるバックアップ保存先は共有フォルダ単位なので、必要に応じて追加する。
AS-202TEの前面にはワンタッチバックアップに対応したUSB 3.0ポートとボタンがある。ここにUSBフラッシュメモリなどのストレージを接続してボタンを押すと、管理画面にアクセスすることなくバックアップをとることができる。設定は「バックアップと復旧」の「ワンタッチバックアップ」から行う。設定項目は大きく3つで、転送モード、バックアップ方法、それにフォルダパスを指定する。
転送モードでは転送の方向を指定する。通常は「USBデバイスからNASに」を選び、USBフラッシュメモリを前面に挿した状態でボタンを押してNASにバックアップをとる、という使い方になるだろう。逆の「NASからUSBデバイスに」はあまりバックアップとしては使わないかもしれないが、未視聴の動画をAS-202TEの決まったフォルダに置くようにしておき、朝、出かける前にスマートフォンをUSB接続して転送する、というような使い方もできる。そのほか、たくさんのUSBフラッシュメモリをデュプリケートする場合にも使えそうだ。
バックアップ方法は「コピー」「同期」「新規フォルダに保存」から選択する。「コピー」は単純なコピーだが、「同期」は転送先に余分なファイルがあったら削除して転送元と転送先を同じ状態に保つ。「新規フォルダに保存」は日付・時刻の入ったフォルダを作成してそこに保存する。
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