HP OMEN 15のシステム構成は、CPUがCore i7-4710HQ(2.5GHz/最大3.5GHz、4コア8スレッド、3次キャッシュメモリ6Mバイト)で、GPUはGeForce GTX 860M(GDDR5/4GB)を採用している。ゲーミングノート向けGPUとしてGeForce GTX 800Mシリーズでは上位の870Mや880M、さらに上位のGeForce GTX 900Mシリーズが登場していることを考えると、ゲーミングノートPCとしてはやや抑えた選択といえるだろう。OSについては64ビット版 Windows 8.1 Updateのみとなっている。
システムメモリは、モデルによって8Gバイト、または、16Gバイトになる。なお、メモリはオンボード実装で、ユーザーによるメモリ増設には対応していない。ストレージは容量256GバイトのSSDを搭載する。接続方式はM.2規格で、Serial ATA接続より高速なPCI Express方式になる。搭載するデバイスは出荷時点で変更する可能性があるが、評価用機材では、SanDisk A110 M.2を採用していた。ストレージはSSD1台のみで、より多くの容量を必要とする場合はUSB接続の外部ストレージを使うことになる。
ベンチマークテストでHP OMEN 15の処理能力をチェックしてみると、ストレージ性能を計測するCrystalDiskMark 3.0.3bの結果では、シーケンシャルリード664.9Mバイト/秒、シーケンシャルライトが583.7Mバイト/秒であった。CQ使用時のランダム4Kバイトの性能を出す4K QD32の数値はリード時で273.7Mバイト/秒、ライト時で236.7Mバイト/秒となっている。シーケンシャル性能は単体のドライブとしては非常に高いスコアになっている。PCI Express接続のメリットが出た結果といえる。
CPU性能を測るCINEBENCHの結果では、ノートPC用としてはハイスペックなCore i7-4710HQを搭載していることもあり、CINEBENCH R15は640(cb)と高いスコアを示した。システムの総合性能を見るPCMark 8では、Homeが3535、Creativeが4219、Workが4262、Storageが4980となった。Core i7-4710MQを搭載してシステムメモリが8Gバイト、Serial ATA接続で容量256GバイトのSSD、そして、GeForce GTX 970Mを搭載した“他社製ゲーミングノートPC”と比べると、GPUの違いから全体的なスコアは低いものの、メモリ容量が多い点やストレージ性能が高いことから、総合的な性能では互角の結果となっている。
HP OMEN 15ベンチマークテストスコア | ||
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PCMark 8 | Home | 3535 |
Creative | 4219 | |
Work | 4262 | |
Storage | 4980 | |
3DMark | Fire Strike | 3729 |
Fire Strike Graphics | 3965 | |
Fire Strike Physics | 9112 | |
Fire Strike Combined | 1599 | |
Sky Diver | 12021 | |
Sky Diver Graphics | 12741 | |
Sky Diver Physics | 8768 | |
Sky Diver Combined | 13867 | |
Cloud Gate | 16233 | |
Cloud Gate Graphics | 28105 | |
Cloud Gate Physics | 6550 | |
Ice Storm | 97413 | |
Ice Storm Graphics | 153949 | |
Ice Storm Physics | 42626 | |
FINAL FANTASY XIV A Realm Reborn ベンチマーク キャラクター編 | 1920×1080最高品質 | 5723 |
1280×720高品質 | 13631 | |
CINEBENCH R15 | OpenGL(fps) | 91.78 |
CPU(cb) | 640 | |
グラフィックス性能を検証する3DMarkの成績は、Fire Strikeが3729、Sky Diverが12021、Cloud Gateが16233、Ice Stormが97413となった。ゲームタイトルのベンチマークテストでもある「ファイナルファンタジーXIV:新生エオルゼア ベンチマーク キャラクター編」の結果は、「標準品質(ノートPC) 解像度1280×720」で、スコアは13631、評価は「非常に快適」、「最高品質 解像度1920×1080ドット」でスコアは5723、評価は「とても快適」というものであった。
HP OMEN 15はボディの完成度に関して、全体の外観から細部の作り込みまで非常に高い。ゲーミングPCとして3D描画の処理能力は抑え目になっているが、それは、薄いボディを実現するためのトレードオフといえる。その3D描画能力も、汎用ノートPCと比べれば高く、一部の最新重量級ゲームでなければ快適に動作する。
モノとしての完成度や品質の面では、ほかのゲーミングPCと一線を画している。一昔前のハイエンドオーディオ的な手触りのあるアルミ削りだしボディや、タッチパネルに対応したディスプレイ、明瞭で広がりのある音を再生するスピーカ、そして、動作に応じて表示の変化するLEDライトなど、ゲームをするユーザーの気持ちを高める演出はバツグンだ。
ゲーミングPCというカテゴリーを超えて、モノとしての品質を求めているユーザーなら、一度は実物を見ておきたいノートPCだ。そして、一度見たら、かなりの確率で所有したくなるはずだ。
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