敏腕バイヤーに聞く!! ゲーミングPCに最適なストレージと電源は?PCゲーマーのためのパーツ選び(2/2 ページ)

» 2015年02月06日 00時00分 公開
[ITmedia]
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ゲーミングPC向けの電源ユニット選び

 ストレージに続いて電源ユニットについても聞いてみた。担当は以前「ゲーマーのためのノートPC選び」でインタビューに応えてくれた浦田氏だ。

パソコンSHOPアークを運営するタワーヒルの浦田氏

 「ゲームは特にシステムに対する負荷が高くなるので、メモリと同じで安全マージン、品質が高いものを選ぶべきです」と同氏。「最近のグラフィックスカードなら、SLI環境などを除けば容量は650ワットあれば十分でしょう。電源を供給する12ボルトのラインをしっかり見てもらえれば、あとは品質の問題になります。例えば、質の悪いものでは室温が下がりすぎると電源が入らないということもあるんですよ」と話す。

 ただし、一般的に品質の目安と考えられている80PLUS認証のグレードは「絶対ではない」と浦田氏は指摘する。

 「80PLUS認証はあくまで電力効率の規格ですので、一定の目安にはなりますが、それがそのままイコール高品質ではありません。低発熱による故障率の低下など、品質を上昇させる要因もあるのですが、例えば経年劣化の激しい部品(つまり安価な部品)を使うことによりコストダウンを図った製品は、出荷時には問題がなくてもすぐに故障するといった状況が発生します。もちろん一般的には80PLUSゴールドやプラチナなどの電源は高級カテゴリの商品になりますからメーカーとしても気をつかうため、そこに低品質品部品を使うということは考えづらいです。しかし、まれにある、安すぎる80PLUSゴールドのモデルなどは、セールが理由でもない限り注意が必要でしょう。実際、某メーカーのゴールド電源が非常に安く出回り、弊社BTOでも検討したことがありますが、『安いだけのことはあるな』という品質で、結局採用はしませんでした」と浦田氏。

 続けて「ほかにも、基板は紙フェノールや紙エポキシを使っているモデルは注意してください。すべてがダメとは言わないのですが、負荷のかかるゲーム用PCの電源に紙系はちょっと(笑)。逆にガラスエキポシを使っているモデルは、品質に気をつかっていることが多いのでオススメです」と話し、品質で定評のある人気メーカーとして、CORSAIRやSilverStone、Seasonic、それにAntecのプラチナを挙げた。

店内には非常に多くの電源ユニットが所狭しと並べられている

 なお、最近は負荷(温度)によってファンの回転を止めるセミファンレス電源も存在するが、浦田氏によれば「個人的にはファンはゆっくりでも回ってほうがいいんじゃないかとは思います」とのこと。「あるモデルは温度センサーではなく、電力によって稼働状況を判断していたため、ファンが回らない低負荷状態で長時間稼働し、その結果熱で落ちてしまうといった製品もありました」と明かしてくれた。

 電源によってゲームのパフォーマンスに影響与えることはないものの、高負荷な環境で安定動作するためには電源ユニットの品質が重要と浦田氏は力説する。「メモリ同様、安すぎるものはそれなりの理由があるということを考えたほうがいいでしょう」。

 ちなみに、電源ユニットは半年に1回くらいの頻度で掃除をし、ホコリがたまりやすい環境であればケースにフィルタを装着するといったメンテナンスも必要という。浦田氏は「メーカーの保証年数も目安にはなりますが、例えば購入してから2年経ってコイル鳴きしていないかどうか、自分がどのくらい負荷をかけてきたかを考慮して、場合によっては買い替えを検討したほうがいいですね」とアドバイスしてくれた。

高品質かつお得なモデルはどれ?

 最後に「品質重視」「バランス重視」「価格重視」の3点で、ゲーミングPCに最適な電源ユニットを選んでもらった。こちらもSSD同様、PC USER読者に向けた特価販売対象製品となっているので、是非注目して欲しい。

1、品質重視なら「Seasonic SS-660XP2」

 Seasonicの80PLUS PLATINUM電源「XP2」シリーズの660ワットモデル。「お値段はしますがさすがの高品質です。山洋電気の静音12センチファンを採用し、1次2次の両コンデンサも日本製。電圧変動率±2%という安定性を誇る非常に信頼の置ける製品ですね。12ボルトも1系統なので、消費電力が高めのグラフィックスカードを搭載するシステムも安心です」(浦田氏)。

Seasonic SS-660XP2

製品名:Seasonic SS-660XP2

限定特価(税込み/2月15日まで):1万6980円(先着2台限定)

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2、バランス重視なら「Antec EA-650-PLATINUM」

 パソコンSHOPアークのBTOパソコンでも採用例の多いAntecの80PLUS PLATINUM電源「EARTH WATTS」シリーズの650ワットモデル。台湾FSP社のOEM品で、「値段と品質のバランスが取れたプラチナ電源ですね。12ボルトが1系統ではない(4系統)ので、使用するグラフィックスカードの消費電力には注意が必要ですが、ウチのBTOマシンでも非常に不良が少ない優れた電源です」(浦田氏)。

Antec EA-650-PLATINUM

製品名:Antec EA-650-PLATINUM

限定特価(税込み/2月28日まで):9999円

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3、価格重視なら「Cyonic ARISE」シリーズ

 価格重視で挙げてもらったのは、新興メーカー「Cyonic」の80PLUS GOLD電源「ARISE」シリーズ。CyonicはSeasonicから独立した技術者が立ち上げた企業で、「性能的にはSeasonic Gシリーズとほぼ同等。品質的には何の問題もありません。『それならSeasonic Gシリーズでいいじゃない』となるかもしれませんが、今回特価セールを実施するのでARISEシリーズがお買い得になっています」(浦田氏)とのことだ。

Cyonic ARISEシリーズ

製品名:Cyonic ARISEシリーズ

限定特価(税込み/2月15日まで):8980円(550ワット)/1万円(650ワット)/1万1980円(750ワット)

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