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低予算で信頼できる“ビジネスPC”が欲しいなら有力か?――「Latitude 15 3000(3550)」実力診断Windows 7搭載で5万円台から(2/4 ページ)

» 2015年03月03日 16時45分 公開
[フォレスト・ヒーロー,ITmedia]

液晶ディスプレイは非光沢を採用。VDTガイドラインも準拠

 15.6型ワイド液晶ディスプレイは、業務向けに表面を非光沢に仕上げており、オフィス内で照明が反射したり、ユーザーの姿が映り込んで見づらくなるようなことはない。

 表示解像度は1366×768ピクセルだ。画素密度は約100ppi(pixels per inch:1インチあたりのピクセル数)と粗いが、一般オフィス用途であることと価格を考えれば、妥当なスペックだろう。オプションで高解像度のフルHD(1920×1080ピクセル)ディスプレイなどを選べるようになると、より対応できる用途の幅が広がるので、今後に期待したい。

15.6型ワイド液晶ディスプレイは1366×768ピクセル表示と、ビジネス向けでは標準的なスペックだ。表面は非光沢仕上げとなっている

 また仕様上、画面の輝度は200カンデラ/平方メートルと、昨今のノートPCでは少し暗めに設計されている。実際に照度計(Zhangzhou WeiHua Electronics製LX-1010B)で画面中央部の明るさを計測したところ、輝度100%設定の全画面白表示で167ルクスという結果だった。

 先に測定した個人向けノートPC「Inspiron 13 7000シリーズ 2 in 1」の画面が215ルクスの照度であり、やはり実測でも暗めの結果だ(いずれも液晶ディスプレイの輝度で使われるカンデラ/平方メートルやnitの値ではない点に注意)。屋内では必要十分な明るさだが、明るい屋外での視認性は高くない。屋内中心の利用であれば問題ないだろう。

 参考情報だが、厚生労働省の「VDT(Visual Display Terminals)作業における労働衛生管理のためのガイドライン」では、反射防止型ディスプレイの使用を指定し、画面上の照度は500ルクス以下と記している。このことから考えると、ビジネス用途として重要な安全衛生活動の実現に準じたディスプレイ環境とも言える。

液晶ディスプレイの照度実測値は167ルクスだった。オフィス内で使うぶんには必要十分な明るさと言える

 液晶パネルはTN方式を採用し、仕様上の最小視野角は水平方向で±40度、垂直方向10度/30度と狭いほうだ。実際に目視した視野角の印象もこの値と同程度だった。したがって、使用時は液晶ディスプレイのチルト角度を正確に調整して、正対して見る必要がある。価格と用途を考えれば、無難な仕様といったところだ。

 なお、ハードウェア情報の調査ツール(HWiNFO32)で調べたところ、内蔵の液晶ディスプレイは、台湾Chi Mei製(Unknown Model:CMN15C)で2014年の製造と表示された。

ハードウェア情報の調査ツール(HWiNFO32)で調べた液晶ディスプレイの仕様。台湾Chi Mei製(Unknown Model:CMN15C)で2014年の製造とある

使いやすいテンキー付きアイソレーションキーボードを搭載

 キーボードは、キー間隔を離したアイソレーションデザインの日本語105キー仕様(84キー+テンキー部分21キー)だ。

 主要キー自体の大きさは14.75(横)×14.75(縦)ミリと正方形だが、キーの間隔は横方向の4.2ミリに対して、縦方向は3.4ミリと若干狭い。つまり、実測でのキーピッチは横18.95ミリ、縦18.15ミリとなる。ほぼフルピッチを確保していることに加えて、全体的に癖のないキーレイアウトで、使い始めてすぐに慣れるだろう。

 ただし、Enterキーの横幅がやや狭いこと(11.01〜14.75ミリ)、Backspaceキーの横幅も狭いこと(10.0ミリ)は少し気になった。キーストロークは、実測で約1.6ミリと若干浅めだ。スイッチの反発はやや弱いが、おおむね押下感は良好で剛性感もある。

 キーボードの手前中央部から左へ5センチほどオフセットされて、左右クリックボタン一体型のタッチパッドがある。適度なざらつき感があり、操作性は悪くない。実測で105.0(横)×79.0(縦)ミリと十分なサイズがあり、下部にレイアウトされるクリックボタンの感触もよい。

テンキー付きのアイソレーションキーボードと、クリックボタン一体型のタッチパッドを備えている
主要キーのサイズを実測。縦横とも14.75ミリの正方形だが、キーの間隔は横方向の4.2ミリに対して、縦方向は3.4ミリと若干狭い

CPUは第4世代Core Uを採用、インタフェースも必要十分な構成

 今回入手した評価機の基本スペックは、CPUに第4世代Core Uプロセッサを採用。2コア/4スレッド対応のCore i3-40050U(1.7GHz)を搭載し、GPUはCPUに統合されたIntel HD Graphics 4400を使用している。

 メモリは4GバイトDDR3L-1600(シングルチャンネル動作、SO-DIMMスロット×2基で空き×1基、ただしメモリは4Gバイトまでのメーカーサポートとしている)、データストレージは500Gバイトの2.5インチHDD(7200rpm)と高回転タイプを用意した。ほかのモデルでも、より大容量のメモリや、SSD、ハイブリッドHDDなどを選択できないのは惜しい。

 プリインストールOSは、ビジネスPCで現在主流のWindows 7 Professional(32ビット版)だ。これは64ビット版Windows 8.1 Proからのダウングレード権を利用しているので、製品には64ビット版Windows 8.1 Proのリカバリメディアが付属する。

HWiNFO32の情報表示画面。評価機は2コア/4スレッド対応のCore i3−4005U(1.7GHz)、4GバイトDDR3L-1600メモリ、500GバイトHDD(7200rpm)を搭載する。HDDは東芝製の「MQ01ACF050」だった
底面のネジを外すと、カバーが開けられる。メーカー保証対象外の行為となるが、2基のSO-DIMMスロット、2.5インチHDD、無線LANモジュールなどにアクセスするのは容易だ

 無線通信のモジュールは、M.2型の「Intel Dual Band Wireless-N 7265」を採用。IEEE802.11a/b/g/nの無線LAN(2×2、最大300Mbps)とBluetooth 4.0を標準装備している。また、1000BASE-Tの有線LANも搭載する。

 入出力端子は、USB 3.0を2基、USB 2.0を1基備えているほか、3in1メモリカードリーター(SDXC対応SDメモリーカード/メモリースティックPRO)、HDMI 1.4a出力、アナログRGB出力(D-Sub)、720p対応のHD Webカメラを液晶ディスプレイ画面の上部に搭載するなど、実用十分な内容だ。

 底面の前方左右にそれぞれレイアウトされたステレオスピーカーは、出力が2ワット+2ワットとノートPCにしては大きめ。パワーはそれなりにあり、映像や音楽コンテンツを再生したときに、15.6型クラスのノートPCとして劣る印象はない。

前面の下部にはステレオスピーカーを内蔵。エッジをかなり絞り込んだデザインになっており、ボディを薄く見せている
背面は開いた液晶ディスプレイが回り込むため、インタフェース類はない
左側面に3in1メモリカードリーダー、USB 2.0、ACアダプタ接続用のDC入力、盗難防止ロック用スロットを用意
右側面に音声入出力、2基のUSB 3.0、HDMI出力、有線LAN、アナログRGB出力の端子が並ぶ

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