“達人”がオススメする「ゲーミングマウス」はこれだ!!PCゲーマーのためのパーツ選び(1/2 ページ)

» 2015年03月20日 19時30分 公開
[ITmedia]

 ゲーマーから絶大な支持を受けるアキバ老舗パーツショップ「パソコンSHOPアーク」。連載「PCゲーマーのためのパーツ選び」では、同店のベテランスタッフにゲーミングPCを自作するうえでの注意点やオススメパーツを聞き、「メモリ」「グラフィックスカード」「ストレージと電源ユニット」と複数回に渡って紹介してきた。

ゲーミングデバイスの豊富な品ぞろえで知られる「パソコンSHOPアーク」。店内に設置された大型試遊台で実際にゲームをプレイしながら最新マウスの使い心地を確かめられる

 続く第4回で取り上げるのは「ゲーミングマウス」だ。ゲーミングPC向け自作パーツ、というカテゴリからはやや離れるが、性能面以外でもユーザー体験に大きく影響を与える入力デバイスは、ゲームをプレイするうえで重要項目の1つ。ヘビーゲーマーの中には、お気に入りのモデルを複数ストックして長年愛用しているという方もいるだろう。

 もちろん、手の形や使用感の好み、プレイするゲームの内容、プレイスタイルによって“最適なマウス”が異なるのは言うまでもなく、誰にとってもベストなマウスというものは存在しない。ただ、これまでゲームに特化したマウスを使った経験がなく、比較的高額なモデルが複数ラインアップされている中で、何を指標に購入すればいいのか分からないという人もいるはずだ。

 ここではゲーミングマウスの基本から、プレスタイルごとに注目したいスペック、定番のオススメモデルなどをパソコンSHOPアークのゲーム担当スタッフである松島氏に聞いた。

同店でゲーム担当スタッフを務める松島氏。本人も熱心なFPSプレイヤーだ

自分のプレイスタイルに合わせたマウスを選ぶ

 「まず最初に、通常のマウスとゲーミングマウスの違いは、大きいところではセンサーとスイッチの耐久性が挙げられると思います。例えばFPSゲームをプレイする際は、コンマ何秒を争う繊細な動きで的確に敵を照準に捉える必要がありますが、こうした部分ではより精密に動かせるセンサーが重要です。ただ、マウス感度の話では、設定できる解像度(DPI)が高ければいいというわけではなく、その人のプレイスタイルに合っているかが大事ですね」と松島氏。

 「マウス感度を高める、いわゆる“ハイセンシ”の利点は、マウスを動かす距離が少なくてすむ、つまり照準を合わせるまでの時間が短くなるため、アサルトタイプのプレイに向いているかもしれません。また、手首だけの操作で画面360度をカバーすれば疲れにくいという利点もあるでしょう。一方、ローセンシであればエイム(敵に照準を合わせること)の時間はハイセンシに劣りますが、逆に精度が高いので多少マウスの移動がずれていても目標を外しにくいというメリットがあります」と解説する。

マウスはもちろん、ゲーミングヘッドセットやマウスパッドも実際に触って使用感を確認できる

 松島氏は「繰り返しますが、重要なのは自分のプレイスタイルとフィーリングです。ゲーミングマウスでは、設定可能なDPIが1万を超えるデュアルセンサーモデルもありますが、正直、高DPI設定でもそんな高い数字にすることはまずないでしょう。また、解像度をボタンで切り替えられるタイプのマウスもありますが、個人的には狭いマップで激しく撃ち合うゲームでそれをするヒマはまずないと思います。比較的ゆっくり進行するゲームであればアリなのかもしれませんが……」と続ける。

 ゲーミング用途をうたう最新マウスであれば、性能面で不満を感じることはほとんどないはず、と語る松島氏。それよりも使用感に直結する要素としては「個人的にマウスパッドが重要だと思います」と指摘する。

 「自分のプレイスタイルがハイセンシかローセンシか決まったら、次に注目したいのはマウスパッドです。それぞれのセンシングにあったマウスパッドがあり、例えば厚手の布製のものは沈み込みがあるので、ローセンシでマウスを大きく動かしていても照準をキュッと止めやすいです。逆に表面が固くよく滑るモノは初動が速いのでとっさの反応に優れます。どちらも一長一短で、本当にゼロコンマ何秒の世界なので感覚的な部分ではありますが、これまでゲーミングマウスパッドを使ったことがない方は是非注目してみてください」と話す。

マウスパッドも豊富に用意。通常では手に入りづらい輸入製品も並ぶ

マウスパッドパッドは、素材や繊維の組み方で縦方向と横方向の動きが変わってくるという。マウスとの相性もあるので、購入予定の人はスタッフに相談してみよう

 一方、MMORPGでの利用を想定して、ボディに複数のボタンを備えた多機能マウスもあり、こちらは豊富なマクロ機能を搭載しているものが多い。「FPS向けモデルは比較的シンプルな外観ですが、こちらはメカメカしく、いかにもゲーマー向けというデザインです。一般的なマウスは左右クリックとホイール押し込みの3ボタン構成が多いですが、こちらは側面に10個以上のボタンを搭載するモデルもあります。使いやすいかどうかはゲームの内容にもよると思いますが、スキルスロットがずらっと並ぶようなゲームでは、例えばシフトキーに割り当てたサイドボタンが1つあるだけで操作性が大きく変わるのは確かです」と松島氏は多ボタンマウスの利点を説明する。

 「ちなみに、マクロ機能については、ゲームタイトルによっては外部ツールの利用が明確に規約違反とされている場合もあるので注意してください。ハードウェア内にメモリを搭載する“ハードマクロ”なら不正感知プログラムを回避できることがありますが、規約に沿った自己責任での利用をお願いします」。

一番大事なのはフィーリング、最初の1台はスペックよりも形状で選ぶべき

 ちなみに、昔からよくある話題として、有線マウスと無線マウス、レーザーセンサーと光学式センサーのどちらがゲームに向いているかについては、「最近のゲーミングマウスであれば『どちらでもかまわない』というのが正直なところでしょう」と松島氏は語る。

 「一昔前は、無線だと接続が切れたり遅延があって有線でなければ信用できない、レーザーセンサーはポインタが飛ぶので使えない、という話がありましたが、今はよほど環境が悪かったりしない限りは問題ないはずです。ただ、無線モデルは、バッテリーを内蔵する関係上、どうしても重量が重くなりがちで、軽い方が操作しやすいと考えるユーザーからは敬遠される傾向にあります。バッテリー切れの心配がなく、手が疲れにくいという点から、ぶっ続けで長時間ゲームをする方は有線モデルが向いているかもしれません」。

「一口にゲーミングマウスと言っても数は多いですが、やりたいゲームや手の大きさ、マウスの持ち方などから、その方に合ったマウスをある程度は絞り込めるので、分からないことがあったら気軽に声をかけてください」と松島氏。写真のように手の大きさを比べて相談に乗ることもあるという

 ゲーミングマウスの選び方を聞く中で、松島氏が強調していたのは“フィーリング”だ。「そもそも手の大きさが人によって違いますし、マウスの持ち方も“つまみ持ち”(親指と小指または薬指でマウスの側面を挟む)か“かぶせ持ち”(手の平全体でマウスをホールドする)かによって、使いやすいマウスの形状は変わってきます。例えば、“つまみ”であれば大柄な重いマウスは向きませんし、左右対称のフォルムのほうが使いやすいでしょう。自分はエイムが安定する気がするので“かぶせ”ですが、手の平全体で押し込んで照準を止めるので、沈み込むタイプのマウスパッドと相性がいいです」と個人的な体験を交えながら説明してくれた。

 「自分にぴったりなマウスを探すなら、実際に使って確かめるのが一番の早道」と語る松島氏。「特に最初の1台はスペックよりも、持ったときに手になじむかどうかで決めるほうがいいと思います」。

 パソコンSHOPアークでは、最先端のゲーミングマウスや海外輸入のマウスパッドも実際に試せるほか、マウスに関する知識がまったくなくても、遊びたいゲームタイトルや手の大きさに合ったオススメモデルを紹介してくれる。自分にぴったりのゲーミングマウスを探している方は同店スタッフに相談してみよう。

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