Windows 10の「ユニバーサルアプリ」でWindowsストアは巻き返すか?鈴木淳也の「Windowsフロントライン」(2/3 ページ)

» 2015年04月14日 16時00分 公開
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「Adaptive UX」はデバイスごとのUIの差異を吸収する

 Adaptive UXの概要は、3月23日(米国時間)に公式Blogで公開された「Windows 10 developer tooling preview now available to Windows Insiders」の中で紹介されている。3月初旬にスペインのバルセロナで開催されたモバイル業界世界最大のイベントであるMobile World Congress(MWC)にて、Microsoftが行った説明会の模様を別途Channel 9でビデオ映像として公開しているので、興味ある方はご覧いただきたい。

 おそらくはパートナー向けの非公開情報が、3週間後に改めて公開情報としてオープンになったとみられるが、この説明会の中でケビン・ギャロ(Kevin Gallo)氏が用いていたプレゼンテーション資料の一部は3月中旬に中国の深センで開催されたMicrosoftのハードウェア開発者向けイベント「WinHEC 2015」の中でも用いられているため、本稿ではこちらの資料を引用する。

異なるスクリーンサイズや操作体系を吸収し、1つのアプリで動作環境ごとに最適化されたUIを提供するのが「Adaptive UX」だ

 単一のアプリを前述のような画面サイズや操作体系のまったく異なるデバイスで動かす以上、それぞれのデバイスでのUIや機能の違いを意識したプログラミングが求められることになる。画面の情報量のほか、(ボタンや入力フィールドといった)ユーザーコントロールのサイズや位置、デバイスが搭載する固有の機能(物理ボタンや加速度センサーなど)に応じたアプリ側の機能の有効化や無効化を、適時調整しなければいけない。

 そのため、アプリは実行される環境のステータスを素早く読み込み、適時調整する仕組みの実装が求められる。簡単な例で言えば、スマートフォンを縦や横に回転させると画面の向きと表示内容が変化するアプリが多数があるが、これも前述のような仕組みの応用だ。Windows 10ではこうしたステータスの取得と画面変化の仕組みがより改良された形のAdaptive UXとして存在しており、この活用がユニバーサルアプリ開発の第一歩となる。

Adaptive UXの例1。縦画面のスマートフォンと大画面のPCで、同じUI要素が異なるサイズや表示位置に出現する
Adaptive UXの例2。UI要素の表示位置だけでなく、スマートフォンにおいては連絡先の項目をタップしないと表示されない詳細情報が、PCではあらかじめ別ペインで表示されており、いちいち展開する必要がない
Adaptive UXの例3。PCではデフォルトで予定表の全体を見渡せるのに対し、スマートフォンでは当日の詳細スケジュール確認がメインとなっている

 公式のMSDN Blogでも解説されているが、現在β版の開発ツール最新バージョン(4月初旬時点)である「Visual Studio 2015 CTP 6」とWindows 10 Technical Previewがインストールされた環境に「Tools for Windows 10 Technical Preview」を導入すると、Windows 10向けユニバーサルアプリ開発用のプロジェクト作成が可能になる。Windows Mobile 10用エミュレーターも付属しており、開発マシン単体で、ある程度ユニバーサルアプリのテストが可能だ。

 ポイントとしては、これまでターゲットとなるデバイスごとに用意されていたプロジェクト内のUI要素を1つに絞り、代わりに改良されたViewStateManagerを導入することで、適時アプリ内で最適なUIに(アダプティブに)変化するようコードに手を加えることが挙げられる。

 ViewStateManager自体、もともと画面サイズの変化(ウィンドウのリサイズなども含む)に合わせて画面のUIを変化させる仕組みだが、これをよりスムーズに異なるデバイスでも対応できるよう調整が加わったとみられる。

 実際に試さないと不明な部分は多いが、おそらく異なる環境での複数テストを行う負担が開発者に増えるため、そのあたりが懸念材料かもしれない。より詳細な情報は4月末に開催されるMicrosoftの開発者会議「Build 2015」で公開されるとみられる。

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