薄型軽量より“全部入り”で攻めるモバイルノートPC――「FMV LIFEBOOK SH WS1/T」徹底検証(ベンチマークテスト編)守備範囲はピカイチか(1/3 ページ)

» 2015年04月16日 15時00分 公開

←・今こそ見直したい“オールインワン”モバイルノートPC――「FMV LIFEBOOK SH WS1/T」徹底検証(使い勝手編)

ココが「○」
・満足度の高いカスタムメニュー
・堅牢ボディに着脱式ベイを搭載
・豊富な端子、交換可能なバッテリー
ココが「×」
・多機能な半面、重量はそれなり
・13.3型ではパームレストが狭め
・キーボードバックライトが欲しい

装備は充実、パフォーマンスはどうだ?

 前回富士通Web直販で取り扱う13.3型モバイルノートPC「FMV LIFEBOOK SHシリーズ WS1/T」の特徴と使い勝手をチェックした。今回はパフォーマンス、バッテリー駆動時間、動作時の騒音、発熱といった各種テストを実施し、モバイルPCとしての実力を明らかにする。

富士通の直販サイト「富士通 WEB MART」が取り扱うカスタムメイドモデル「FMV LIFEBOOK SHシリーズ WS1/T」。最低価格は17万3000円(税別)、23%オフクーポン利用で13万3210円(税別) ※2015年4月22日14時まで

 今回テストするWS1/Tの基本スペックをおさらいすると、Core i7-5500U(2.4GHz/最大3.0GHz、4Mバイト3次キャッシュ)、CPUに統合されたIntel HD Graphics 5500、12Gバイトメモリ(PC3L-12800/4Gバイト+4Gバイトはデュアルチャンネル)、256GバイトSerial ATA SSD、13.3型フルHD液晶ディスプレイ(タッチ非対応/ノングレア)、着脱式DVDスーパーマルチドライブ、64ビット版Windows 8.1 Updateという内容だ。

 前回紹介した通り、WS1/Tは購入時に基本スペックやソフトウェアを選べるカスタムメイドモデルなので、これ以外の構成でも利用できる点は覚えておきたい。

 さて、まずはCPU性能を計測するCINEBENCHのスコアから見ていこう。Core i7-5500Uは2コア/4スレッド対応のCPUで、TDP(熱設計電力)が15ワットの第5世代Coreシリーズ(開発コード名:Broadwell)に属する。CPUスコア(マルチスレッド対応)はクアッドコアの第4世代Core i7ほど伸びないが、スペック通りの順当なスコアが得られた。

 第4世代CoreのCore i5-4200U(1.6GHz/最大2.6GHz)を搭載した先代の店頭モデル「SH90/M」とCPUスコアを比較すると、最新版のCINEBENCH R15では約17%、従来版のCINEBENCH R11.5では約16%高速になっている。

CINEBENCH R15のスコア
CINEBENCH R11.5のスコア

 次にディスク性能を計測するCrystalDiskMarkのスコアだが、体感速度に影響するランダムアクセスも含め、ノートPCに搭載されているSSDでは良好な結果だった。シーケンシャル読み込みだけでなく、書き込み速度が速いのは使い勝手がよい。一部のモバイルノートPCが採用するPCI Express接続SSDにはかなわないものの、Serial ATA 6Gbps接続SSDの性能をほぼ100%引き出していると言える。

 なお、評価機が搭載していた256GバイトSSDは東芝の「THNSNJ256GCSU」だった。最近モバイルノートPCで採用例が増えつつあるM.2タイプではなく、スタンダードな7ミリ厚の2.5インチSerial ATA SSDだ。WS1/TはHDD搭載の構成も選べるため、2.5インチドライブを用いているのだろう。

CrystalDiskMarkのスコア

 Windows 8.1では標準機能から省かれているWindowsエクスペリエンスインデックスのスコアをWIN SCORE SHAREで計測してみた。1番高いスコアはプライマリディスクの8.2、次いでメモリの7.5、プロセッサの7.4という結果だ。CPU内蔵グラフィックスのIntel HD Graphics 5500が足を引っ張り、グラフィックスは5.4、ゲーム用グラフィックスは5.6というスコアになったが、モバイルPCとしては全体的に高いレベルでまとまっている。

 外部GPUを採用すれば、グラフィックス系のスコアも当然上がるわけだが、後述するバッテリー駆動時間や放熱機構、本体サイズ、重量などに影響してくるため、Intel HD Graphics 5500の採用は妥当だろう。実際、第5世代CoreではCPU内蔵グラフィックスのパフォーマンスが第4世代から向上し、3DCGやゲーム用途でなければ不満はない。

WIN SCORE SHAREの総合スコア

 実際のアプリケーション動作からPCの全体的な性能を評価するPCMark 7は、総合スコアが5066だった。先代機のSH90/MはHDD搭載機だったこともあり、これと比べて36%スコアが高い(PCMark 7のスコアは、ストレージの性能に大きく影響される傾向がある)。高速なCPU、余裕あるメモリ容量、そしてSSDによって、ベンチマークテストの結果はもちろん、実際に試用してみても、Windowsの動作はサクサクと軽快だ。

PCMark 7のスコア

 3Dグラフィックス性能を評価する3DMarkのスコアは、Core i5-5500U搭載機としては少し控えめなスコアと言える。とはいえ、先代機のSH90/Mに比べてCloud Gateで約15%スコアが向上しており、旧世代からの着実に進化した。

3DMark 1.2.362のスコア

 ゲーミンググラフィックステストのFINAL FANTASY XIV:新生エオルゼアベンチマーク キャラクター編(FF14ベンチ)を実行したところ、1280×720/標準品質(ノートPC)では「快適」、1280×720/高品質(ノートPC)では「普通」というスコアだ。1920×1080フルスクリーン/標準品質(ノートPC)では「設定変更を推奨」という評価だが、FF14程度のゲームならば解像度を下げることでプレイできる。

FF14ベンチのスコア1。1280×720/標準品質(ノートPC)
FF14ベンチのスコア2。1280×720/高品質(ノートPC)
FF14ベンチのスコア3。1920×1080フルスクリーン/標準品質(ノートPC)

ベンチマークテストの概要

  • パフォーマンステスト
    • CINEBENCH R15(CPU性能評価)
    • CINEBENCH R11.5(CPU性能評価)
    • Crystal Disk Mark 3.0.3(ストレージ性能評価)
    • WIN SCORESHARE(PC総合評価)
    • PCMark 7 1.4.0(PC総合評価)
    • 3DMark 1.2.362(3D性能評価)
    • FINAL FANTASY XIV:新生エオルゼアベンチマーク キャラクター編(3D性能評価)

※Windows 8.1の電源プランは「バランス」に設定



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