ここからは各種ベンチマークテストの結果を見ていこう。SH90/Mの基本スペックは、Core i5-4200U(1.6GHz/最大2.6GHz)、Intel HD Graphics 4400、4Gバイトメモリ(PC3L-12800/デュアルチャンネル)、500GバイトハイブリッドHDD(評価機が搭載していたドライブはSeagate ST500LM000)、64ビット版Windows 8.1という内容だ。
参考までに、CPUとメモリ容量が同じで500GバイトHDDを搭載した14型スリムノートPC「Inspiron 14 7000」(デル)、およびCPUとメモリ容量が同じで128GバイトSSDを備えた12.5型2in1デバイス「ARROWS Tab QH77/M」(富士通)のスコアも併記した。
CPU性能を計測するCINEBENCHのスコアは、これまでレビューしたCore i5-4200U搭載機の中でもよいほうのスコアが出ている。タブレット単体では性能を抑えめにチューニングしているARROWS Tab QH77/Mはもちろん、放熱設計に余裕があるInspiron 14 7000と比べても、CINEBENCH R15のCPU(シングルコア)で上回った。ボディに厚みがあるぶん、放熱設計はしっかりできているようで、負荷の状況、処理の種類にかかわらず、CPUのほぼフル性能を発揮できていることが分かる。
今回入手したSH90/Mは、8GバイトのNANDフラッシュメモリを内蔵したハイブリッドHDDとしてSeagate「ST500LM000」を搭載していた。ディスク性能を計測するCrystalDiskMarkのスコアは、ランダムアクセスも含めて通常のHDD並だ。SSD搭載のARROWS Tab QH77/Mに大きく差を付けられているが、実際のWindows 8.1の動作は軽快といえる。
一方、PCMark 7のSystem StorageやRaw System StorageではHDD搭載システムを大幅に上回るスコアが出ているので、CrystalDiskMarkとの相性がよくないのかもしれない。PCMark 7は他の項目もストレージ性能に影響されやすいが、通常のHDDシステムとは一線を画す良好なスコアが得られた。
3DMark、FINAL FANTASY XIV:新生エオルゼアベンチマーク キャラクター編のスコアも、Core i5-4200U搭載機では高いほうのスコアだ。メモリのデュアルチャンネルアクセス対応、ボディの放熱設計なども含めて、内蔵グラフィックス(Intel HD Graphics 4400)の性能をしっかりと引き出せている。
液晶ディスプレイの表示を計測したところ、輝度は平均350カンデラ/平方メートル弱と明るく、色温度は平均7077KとsRGB基準の6500Kより少し高めだった。ガンマ補正カーブは中間階調から明部にかけては青が少し下がっている(実際は映像入力信号に対して、青が少し強めに出ることを意味する)が、大きな乱れではなく、全体的には整っているほうだ。色域はsRGBに近く、色鮮やかな表示が味わえる。
Webブラウズとテキスト入力を想定したバッテリー駆動時間テスト(BBench 1.01)も実施したところ、7時間57分という結果だった(輝度40%、DVD装着、満充電から残り5%で休止状態に入るまで)。実測で約8時間の駆動時間はモバイルノートPCとして十分といえる。公称値(21.1時間)には遠く及ばないが、光学ドライブの代わりにベイカバーを装着し、輝度を下げるなど省電力設定を変更すれば、より長時間の駆動も行える。標準バッテリーが交換でき、増設バッテリーも利用できるのは強みだ。
静音性は優秀といえる。低負荷時はほとんどファンが回っているかどうか分からないレベルだ。冷却ファンは負荷に対して素直にゆっくりと反応し、高い負荷をかけ続けるとそれなりに動作音は大きくなるが、不快な印象はない。ボディの発熱については、排気口がある左側面側の底面のみ温度が高めだが、それ以外の部分には伝わってこないため、熱を気にせず利用できる。
※Windows 8.1の電源プランは「バランス」に設定
※液晶ディスプレイは1時間以上オンにし、表示を安定させた状態で中央付近を測定
※電源プラン「バランス」+輝度40%固定+無線LAN接続+Bluetoothオン+DVDドライブ装着。BBench 1.01(海人氏・作)にて「60秒間隔でのWeb巡回(10サイト)」と「10秒間隔でのキーストローク」、WebブラウザはInternet Explorer 11を指定し、タブブラウズはオフ。満充電の状態からバッテリー残量が残量5%で自動的に休止状態へ移行するまでの時間を計測
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