今から予約しないと公開日に更新できない?――「Windows 10」アップグレードの手順と注意点鈴木淳也の「Windowsフロントライン」(2/3 ページ)

» 2015年07月06日 14時00分 公開
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Windows 10アップグレードにおける注意点

 先日の記事でも触れたが、Windows 10では一度デバイスのアクティベーションを行うと、以後はクリーンインストールを行ってもアクティベーション状態が維持され、旧OS(例えばWindows 8.1など)に戻したりする必要はない。

 これはWindows 10 FAQ(英語版)の中で触れられており、一度無料アップグレードを経由してインストールされたWindows 10であれば(元のOSはアクティベーション済みの正規品)、「同じデバイス」である限り、クリーンインストールを含む再インストールが可能だという。

Windows 10 FAQ Windows 10 FAQ(英語版)によれば、一度無料アップグレードを経由してインストールされたWindows 10は(元のOSはアクティベーション済みの正規品)、「同じデバイス」である限りクリーンインストールを含む再インストールが可能だという

 またThe Guardianによれば、インストール後のアクティベーション情報はストアアカウント、つまりMicrosoftアカウントで記録されており、以後は再インストールを経ても「同じデバイス」だと認証された場合、アクティベーション状態が維持されるようだ。

 同紙は、PC構成を変えた場合でもアクティベーション状態が維持されるという情報も紹介しており、筆者は現在この辺りの真偽をMicrosoftに確認中だ。連載の中で追ってフォローしたい。

 1つ言えることとして、Microsoftは基本的にライセンスをデバイス単位でしか認めていないようだ。無料アップグレード特典を使ってWindows 10を導入する場合、対象となるデバイスそれぞれについて、すべて無料アップグレードが利用できる「正規版」かつ「該当バージョン」のOSであることを求めている。つまり、個々に「無料アップグレードの予約」作業を行うことが必要だ。多少面倒だが、複数のデバイスを持つユーザーはこの点に注意してほしい。

 Windows 10 FAQは日本語版も存在するが、記述が不完全な部分が見られるほか、英語版のみに存在する質問項目がある。

 典型なのが「What about Windows RT ?(Windows RTはどうなの?)」という質問だ。ここでは「Windows RT」デバイスを持つユーザーに対して「Windows 10は提供されない」と述べるとともに、「Windows 10リリースの時期前後にアップデートを提供する」と報告している。すでに製品として終息宣言の出された「Surface(RT)/2」だが、このアップデートを通して、もうしばらくの間だけ使い続けられるかもしれない。

Surface 残念ながらARM系プロセッサを搭載したSurface RT/Surface 2は、Windows 10にアップグレードできない

 このほか、「Windows Media Center」についての記述も英語版FAQには存在している。Windows 10ではWindows Media Centerが提供されないため、既存のユーザーがアップグレードすると同機能を利用できなくなる。Microsoftでは同機能をDVD再生に利用していたユーザーに対して、無料の再生アプリを提供しているので、そちらで代用してほしいと説明している。

「Build 10158〜10162」の変更点をチェック

 原稿執筆時点でWindows 10 Insider Previewの最新版は「Build 10162」だが、連載でフォローするより素早くBuild番号が一気に上がったため、過去数回分のアップデート差分をまとめて紹介する。おそらく、Windows 10の最終版に近い仕上がりになっており、インタフェースを含めてこの内容がほぼそのまま7月29日にアップグレード版として配信されるのではないかと考えている。

 3連続アップデートのトップバッターだった「Build 10158」では、「Project Spartan」の名称だった最新Webブラウザがついに「Microsoft Edge」の名称でデフォルトブラウザとして登録され、アイコンも従来の地球儀のデザインから「e」を模したデザインへと変更された。

 筆者の確認する限りInternet Explorerはスタートメニューからすでに外されているが、実行ファイルそのものは残っており、「iexplore.exe」で呼び出せる。製品版(特にHomeエディション)でも実行ファイルが残っているかは不明だが、EdgeではActiveXやSilverlightなどのプラグインが利用不可となっているため、これらのプラグインを必要とするサービスを利用しているユーザーは覚えておくとよいだろう。

Microsoft Edge 「Project Spartan」はついに「Microsoft Edge」となり、デフォルトのWebブラウザへ

 このほかBuild 10158では全体のUIの改良やCortana統合の促進、Photosアプリのアップデートなど、地味ながら全体的な改良が加えられている。7月20日公開の「Visual Studio 2015」との組み合わせで、UWP(Universal Windows Platform)アプリの開発が可能な「Windows 10 SDK」の提供が行われたのもこのBuild以降だ。

改良されたPhotos Photosアプリも改良が加えられ、アニメーションGIFのサポートなど対応ファイル形式が拡大している

 また重要なポイントとして、ついにWindows 10 Insider Previewで「Surface 3」がサポートされた。これまではCherry Trailプラットフォーム向けドライバの不備でインストールが不可能だったが、同ビルドで正式に対応している。これにより、1年間の無料アップグレード特典を利用して、Surface 3も7月29日以降にWindows 10製品版の導入が可能となった。

 一方で、残り2つのアップデートはやや地味だ。Build 10159では壁紙が「Windows 10 Hero Desktop Image」に一新され、これまで殺風景だったログイン画面もこの新しい壁紙が背景となっている。

 Build 10162はパフォーマンスの改善が中心のアップデートで、全体に安定性も増しているようだ。現在、Windows Insider ProgramではWindows 10 Insider Preview Build 10162のISOも提供されているので、手っ取り早く最新Buildを試したいユーザーはISOファイルでクリーンインストールしてしまうのも手だろう。

Windows 10の新しい壁紙 Build 10159から導入された新しい壁紙「Windows 10 Hero Desktop Image」。CGイラストのようだが、実際にセットを組んで、カメラで撮影した写真から作成した壁紙だ
Windows 10の新しいサインイン画面 標準のサインイン画面もこの壁紙のイメージを踏襲している

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