こんにちはドリキンです。普段は米サンフランシスコでソフトウェアエンジニアをしています。
米Microsoftが10月6日(現地時間)に突然発表して話題の最新ノートPC「Surface Book」。日本での発売は2016年の早い時期だそうですが、10月26日に米国で発売されたUSモデルを一足先に入手しました。前回の開封編に引き続き、今回はノートPCとしての使い勝手を中心にレビューします。
Surface BookはWindows 10の特徴を最大限に生かすように設計され、タブレットとノートPCの2つの用途を自在に切り替えて使うことができる2in1タイプのノートPCです。
Microsoftとしては「Surface Pro」シリーズや「Surface」シリーズなど以前から2in1デバイスを開発していますが、Surface Bookの違いはよりノートPCに近いボディを採用したハイスペック志向の製品だということです。
最大の特徴は、高解像度な13.5型の大画面ディスプレイと、大容量バッテリーや外部GPU(dGPU)を搭載した切り離し可能な新しいキーボードです。
キーボードを切り離せば大画面のWindows 10タブレットとして利用することも可能ですが、キーボード装着時にはdGPUが機能するので、ハイスペックノートPCとして高い性能を発揮します。また、キーボード装着時にはバッテリーが増量し、駆動時間が約12時間(ビデオ再生時)に延びます。
Surface Bookのラインアップは基本モデルが6種類あります。
基本的にはCPU、メモリ容量、SSD容量の差でモデルが決まります。ただ、Surface Bookの面白いところは、キーボード側にdGPU(外部GPU)が内蔵されているモデルと、内蔵されていないモデルがあることです。
そのため、プライスレンジも広くなっていて、1番安いエントリーモデル(Core i5、8Gバイトメモリ、128GバイトSSD、dGPUなし)は1499米ドルから、最も高価なハイエンドモデル(Core i7、16Gバイトメモリ、1TバイトSSD、dGPU搭載)は3199米ドルとなっています。
まだ日本での発売日と価格は発表されてませんが、1ドル=120円として換算すると、エントリーモデルで約18万円(税別、以下同)、ハイエンドモデルで約38万円となり、20万円もの価格差があります。
今回レビューするのは、Core i7、16Gバイトメモリ、512GバイトSSD、そしてdGPU搭載という約33万円のハイスペックモデルです。この上にさらに1TバイトSSDを搭載したハイエンドモデルがありますが、出荷は2016年1月を予定しているので、現在手に入るSurface Bookとしては最上位の構成となります。
今回はノートPCとして見たときのSurface Bookについて、使い勝手と性能を確かめていきます。
Surface ProシリーズのType Cover(画面カバー兼キーボード)とは違い、Surface Bookのキーボードはマグネシウム合金で作られた完全なキーボードです。つまり、Surface Proシリーズのタブレット本体と同じ剛性をキーボード側でも確保しています。
一般にマグネシウム合金は、アルミニウム合金より軽く、同一の重さでは強度が高いという特徴があります。Surface Bookの質感は削り出しのアルミニウム合金を採用したAppleの「MacBook Pro」シリーズと非常に似ていて、個人的にはそれ以上の剛性を感じるほどです。
タブレット本体とキーボードの接続には、MicrosoftがSurface Bookのために新開発した「Muscle Wire Lock」機構を使います。その名の通り、タブレット本体にワイヤーを仕込んだロック機構が内蔵されていて、接続したキーボードをしっかり固定します。
実際に合体した状態でタブレット本体側を持ってみても、接合部のガタつきは全く感じられず、携帯時に衝撃で外れることはなさそうです。従来のキーボード着脱型2in1デバイスに比べて、合体時の一体感は優れています。
これにより、キーボード装着時は完全なクラムシェルノートPCとして利用できますし、使用感も通常のノートPCと比べて違和感がないどころか、高級ノートPCという印象を受けます。
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