FH77/UDの基本仕様は、4コア/8スレッド対応の第4世代Core i7-4712MQ(2.3GHz/最大3.3GHz)、8Gバイトメモリ(PC3L-12800/8Gバイト×1)、2Tバイトの3.5インチHDD、CPU内蔵のIntel HD Graphics 4600、64ビット版のWindows 8.1 Updateといった内容だ。もちろん、Windows 10への無料アップグレードに対応している。ただ、FH77/UDはタッチパネル非搭載なので、タッチ操作を前提としたアプリが楽しめない点は注意したい。
定番のベンチマークテストを実施した結果は、デスクトップPC向けの4コア/8スレッド対応CPUを採用していることから、CPUパフォーマンスの高さが目立つ。ストレージ性能の影響を受けやすいPCMarkなどは、SSD非搭載なのでスコアが振るわないが、ホームPCとしての実力は高いレベルにある。2コアCPUのノートPCと比較して、動画編集などの用途もパワフルにこなせるだろう。
静音性も高い。本体背面から約5センチの場所に騒音計を設置して計測したところ、アイドル時で39.4デシベル、FF14ベンチ2回実行時で46.7デシベルだった(暗騒音32.5デシベル)。高負荷時でも、耳障りなファンノイズはなく、静かに回転していることが分かる程度だ。空調が動作している部屋ではファンの存在を感じないくらいだった。
動作中の発熱もほとんど気にならない。FF14ベンチ2回実行時に、本体背面の各部を放射温度計で計測したところ、最高温度は中央上部で40.4度、最低温度は右下で25.9度だった(室温は25.0度)。HWiNFO64でCPU温度も確認したところ、CPUパッケージの最高温度は68度と表示された。Core i7 4712MQのT-junction(最高動作温度)が100度なので、余裕ある放熱設計と言える。
ボディ表面温度(背面)の計測結果(FF14ベンチ2回実行時) | |||||||||
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計測部 | 左上 | 中央上 | 右上 | 中央左 | 中央 | 中央右 | 左下 | 中央下 | 右下 |
計測値 | 27.1度 | 40.4度 | 28.6度 | 27.3度 | 30.8度 | 27.9度 | 27.1度 | 26.3度 | 25.9度 |
FH77/UDは、省スペースで洗練された狭額縁デザインのボディに、テレビ、レコーダー、オーディオ、ホームPCといった1台4役の多機能を高次元にバランスした新時代のオールインワンPCと言える。
スマホやタブレットとの連携にも配慮したテレビ機能、手軽にハイレゾ楽曲の購入、再生、管理を本体だけで行えるオーディオ機能、4コアCPUをはじめとする余裕のPCハードウェアを備えており、イマドキのエンターテインメントPCとして多目的に活用できる実力を持つ。「Made in Japan」のPCという点にも注目だ。テレパソ最盛期ほどの勢いはないが、国内大手メーカー製のエンターテインメントPCならではの魅力は確かにある。
20万円近い実売価格から幅広いユーザーが気軽に購入できるモデルではないが、愛用していたテレパソの買い換え候補を探している人や、多機能な液晶一体型デスクトップPCを求める人は、こうした選択肢もチェックしていただきたい。
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