レビュー
» 2015年12月18日 06時00分 公開

「VAIO S11」徹底レビュー これぞ待望のSIMフリーLTEモバイルノートPC本日発売!(5/7 ページ)

[鈴木雅暢(撮影:矢野渉),ITmedia]

sRGBカバー率97%の低反射ディスプレイは画質良好

 11.6型ワイド液晶ディスプレイの表示解像度は1920×1080ピクセル(フルHD)に対応する。画素密度は約190ppi(pixels per inch:1インチあたりのピクセル数)だ。今となっては特別高精細というわけではないが、必要十分な精細感であり、通常のクラムシェルノートPCの視聴距離で表示が粗いといった印象は全くない。

液晶ディスプレイ 1920×1080ピクセル表示の11.6型ワイド液晶ディスプレイを搭載

 ディスプレイの表面は白っぽくなりにくい「低ヘイズ」のアンチグレアコーティングを採用した半光沢仕様だ。液晶パネルの配向方式はIPS方式を採用しており、上下左右のどの角度から見ても視野角は広い。色域もノートPCとしては広いほうで、公称の色域はsRGBカバー率97%だ。

 エックスライトのカラーキャリブレーションセンサー「i1 Display Pro」を利用して実測した結果は、最大輝度が567カンデラ/平方メートル、色温度が6970K、sRGBカバー率が93.4%(面積比103.4%)だった。非常に明るく、色温度もsRGB(6500K)に近いほうで、色鮮やかな表示と、目視の印象は非常によい。キャリブレーションによるガンマ補正カーブを見ても入力と出力がほぼ一致しており、カラーバランスも素直と言える。

色度図ガンマ補正カーブ エックスライトのカラーキャリブレーションセンサー「i1 Display Pro」で計測して作成したICCプロファイルを色度図作成ソフト「Color AC」で表示した(画面=左)。点線がsRGBの色域、実線がVAIO S11の色域だ。少しずれているため、カバー率は93.4%となったが、面積比では100%を上回る。エックスライトのカラーキャリブレーションソフト「i1 Profiler」で出力したキャリブレーション結果のグラフ(画面=右)。R、G、Bいずれの線も入力と出力がほぼ一致した45度に近い直線となる優秀な結果だ

 なお、VAIO S11は直販モデルでも液晶ディスプレイの仕様が固定で、VAIO Pro 11のようなタッチパネル搭載の構成を選べない点は覚えておきたい。もっとも、VAIO S11は変形機構のないスタンダードなクラムシェルノートPCなので、タッチパネルは必須ではなく、Windows 10がWindows 8/8.1に比べてデスクトップモードで使いやすく進化していることもあり、大きな問題にはならないだろう。

 VAIO S11は表示品質だけでなく、音にもこだわっている。ただ、この場合の音というのはオーディオを高音質で聴くという意味ではなく、ビジネスシーンで有用な音量を確保するという意味だ。

 ステレオスピーカーは本体底面の手前側に内蔵する。会議室のプレゼンテーションを想定して音圧を高めているのが特徴だ。実際の印象は、特筆するほど大きな音というわけではないが、10畳くらいの部屋ならばPCから離れていてもはっきり音声が通るくらいの音圧はある。低音域の周波数特性も改善しており、低音域も比較的しっかりと鳴らすことができ、エンターテインメント用途でも一般的なノートPCに劣ることはない。

ステレオスピーカー 本体底面の手前側にステレオスピーカーを内蔵

静かで感触のよいキーボードと高精度タッチパッドを搭載

 キーボードは、6列の日本語アイソレーションタイプを採用。キーピッチは横16.95ミリを確保する。実測した縦方向のキーピッチは16.5ミリだった。コンパクトボディなのでさすがに19ミリ級のフルピッチというわけにはいかず、少しキーピッチが狭めではあるが、配列にクセはなく、慣れればタッチタイピングも十分可能だ。カーソルキーも多少小さいものの、周囲にはスペースがあるため、特に打ちにくい印象はない。

 キーストロークは約1.2ミリと浅いが、VAIO Pro 13 | mk2同様にスイッチの反発が適度に調整されており、タイプ感は良好だ。個人的にはキートップに指を置きやすいようなくぼみが設けられているほうが好みだが、狭めのキーピッチに慣れさえすれば、長分入力にも耐える高品質なキーボードと言える。

VAIO S11のキーボード 6列の日本語アイソレーションキーボードを採用。ボディサイズの関係でキーピッチは少し狭いが、変則的なキー配列はなく、打ち心地は良好と言える。

 このキーボードの設計には、VAIO Zの開発時に得られたノウハウを多く導入している。キーそれぞれのパンタグラフ構造には樹脂製の取り付けベースを採用するとともにかみ合わせの精度を高めることで、静音でガタツキのないタイプ感を実現した。実際にタイプしてみると、確かに入力音が静かでキートップのブレがないため、上質なキーボードという印象を受ける。

 また、キーボード下の剛性を確保するよう意識して設計されており、タイプしたときに本体が沈むようなことをなくしている。さらに、キートップには新開発の塗料を使用しており、摩耗や皮脂によってテカりにくく、皮脂も拭き取りやすくした。一見、普通のキーボードだが、こうした細かな積み重ねで完成度を高めている点に注目したい。もちろん、暗所で便利なキーボードバックライトも備えている。

キーボードバックライト キーボードバックライトは周囲の明るさに応じて、自動的に点灯/消灯させることが可能だ

 キーボード手前には、Windows 10標準のジェスチャー機能が使える「高精度タッチパッド」仕様のタッチパッドを搭載している。2本指のスクロールや2本指の開閉によるズーム操作、3本指スワイプでのタスクビュー表示など、さまざまな機能を利用可能だ。Windows 8.1以前の製品でもドライバによるジェスチャー機能が使えるものもあったが、ズームやスクロール操作などのレスポンスがよりスムーズで快適になっている。

 タッチパッドのサイズは実測で90(幅)×50(横)ミリだ。もう少し大きいほうがより使いやすいと感じるが、ボディサイズからして仕方がないだろう。タッチパッドはボディの左右中央ではなく、きちんとキーボードのホームポジションと位置を合わせてあるため、キーボードで文字を打ちつつ、タッチ操作がしやすい。

 また、このタッチパッドは手のひらで不意にタッチパッドを触ってしまっても反応しない「誤動作防止機能」が大幅に進化し、誤操作を1/10に減少したという。

高精度タッチパッド タッチパッドはスクロールやズームなどのレスポンスが非常によく、快適に操作できる
高精度タッチパッドの設定メニュー Windows 10には高精度タッチパッドの設定メニューが用意されている

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