ベンチマークテストの結果を見てみよう。基本スペックをおさらいすると、CPUにXeon E3-1505M v5、16GB(8GB×2)ECC対応メモリ、512GB SSD(SATA/M.2)、17.3型4K UHD(3840×2160ピクセル)ディスプレイ、NVIDIA Quadro M4000M(4GB)、DVDスーパーマルチ、Windows 7 Professional 64bit SP1といった構成だ。
まずはCPU性能を評価するCINEBENCHから。CPUスコアはノートPCとしては極めて高いスコアだ。クアッドコアだけにCPUの処理性能は高く、CINEBENCH R15のCPUスコアはモバイル系の最上位クラス(Core i7-6700U)の2倍以上、シングルCPUスコアはデスクトップ用CPUのCore i7-5820Kに匹敵するなど健闘した。
CINEBENCH R15 | |
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製品名 | ThinkPad P70(20ES0015JP) |
Open GL(fps) | 60.07 |
リファレンスマッチ | 99.6% |
CPU(cb) | 717 |
CPU(シングルコア) | 140 |
CINEBENCH R11.5 | |
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製品名 | ThinkPad P70(20ES0015JP) |
Open GL(fps) | 49.42 |
リファレンスマッチ | 99.5% |
CPU | 7.94 |
CPU(シングルコア) | 1.70 |
ストレージ性能はCrystalDiskMarkでSSD 512GB(SATA 6.0Gbps/M.2、SAMSUNG製MZNLN512HCJH-000L1)のスコアを確認する。SAMSUNG公式ページによる同製品のスペックデータは、Sequantial Read 最大540MB/秒、Sequantial Write 最大510MB/秒だ。ベンチマークの結果は、十分に性能を引き出している値となった。より高速が必要ならば直販モデルでPCIe-NVMeの選択や、さらにRAID構成を選ぶのがよいだろう。
CrystalDiskMark 5.0.3 | |
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型番 | SAMSUNG製MZNLN512HCJH-000L1(単位はMB/秒) |
Sequantial Read | 512.0 |
Sequantial Write | 482.8 |
512K Read | 431.0 |
512K Write | 433.1 |
4K Read | 35.73 |
4K Write | 122.6 |
4K QD32 Read | 352.8 |
4K QD32 Write | 301.6 |
システム全体のパフォーマンスを評価するPCMark 7の総合スコアは5178、Windowsエクスペリエンスインデックスは総合7.5と、ノートPCクラスでは最上級の結果となった。動画編集用途を考慮して「TMPGEnc Video Mastering Works 6」による動画エンコード速度も確認した。30秒ほどの動画(MOVファイル79.4Mバイト/1920×1080/59.94fps)をMPEG-4 AVC/H.264形式(1920×1080/59.94fps)に変換したところ、ノートPCとしては良好な結果が得られた。
TMPGEnc Video Mastering Works 6の動画エンコードテスト結果 | |
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MOV→MPEG-4 AVC/H.264変換 | 所要時間 |
x264でエンコード | 3分56秒 |
次は写真編集用途を想定したRAW現像テストだ。今回はRAWデータの写真100枚(計1.59Gバイト)を用意し、「Capture NX-D」を使ってJPEG形式に標準圧縮をかけ、バッチ処理した時間を計測した。ノートPCのパフォーマンスとしてはもちろん高速だが、同じテストで4分37秒という結果を出した6コア12スレッド搭載のデスクトップ用CPUマシンと比較すると差が出る結果となった。(参考記事)Xeonとはいえ、モバイル用のクアッドコアなので致し方ないところだろう。
Capture NX-DのRAW現像テスト結果 | |
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RAW現像→JPEG出力 | 所要時間 |
RAW現像・RAWデータ100枚分計1.59Gバイト | 14分25秒 |
実際にP70でゲームをするユーザーは少ないかもしれないが、FINAL FANTASY XIV蒼天のイシュガルドとドラゴンクエストX(Ver.1.4k)のベンチマーク結果は以下の通りだ。
FINAL FANTASY XIV蒼天のイシュガルドベンチマーク | |||||
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解像度 | 画質設定 | 画面表示 | FF14スコア | 評価 | DirectX |
3840×2160 | 最高品質 | フルスクリーン | 2387 | 普通 | DirectX 11 |
3840×2160 | 高品質(ノートPC) | フルスクリーン | 3296 | やや快適 | DirectX 11 |
3840×2160 | 高品質(ノートPC) | フルスクリーン | 4524 | 快適 | DirectX 9 |
1920×1080 | 最高品質 | ウィンドウモード | 7456 | 非常に快適 | DirectX 11 |
1920×1080 | 最高品質 | フルスクリーン | 7927 | 非常に快適 | DirectX 11 |
1920×1080 | 高品質(ノートPC) | フルスクリーン | 12732 | 非常に快適 | DirectX 9 |
1280×768 | 最高品質 | ウィンドウモード | 12069 | 非常に快適 | DirectX 11 |
1280×768 | 最高品質 | ウィンドウモード | 13337 | 非常に快適 | DirectX 11 |
ドラゴンクエストXベンチマーク(Ver.1.4k) | ||||
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解像度 | 画質設定 | 画面表示 | ベンチマークスコア | 評価 |
3840×2160 | 最高品質 | フルスクリーン | 950 | 動作困難 |
3840×2160 | 標準品質 | フルスクリーン | 1347 | 重い |
3840×2160 | 低品質 | フルスクリーン | 1801 | 重い |
1920×1080 | 最高品質 | フルスクリーン | 4511 | 普通 |
1920×1080 | 標準品質 | フルスクリーン | 6098 | 快適 |
1920×1080 | 低品質 | フルスクリーン | 7494 | とても快適 |
FF14を4K(3840×2160)設定で”快適”に楽しめるという、ゲーミングノートPCを上回るような結果となった。動作中の発熱もほとんど気にならない。FF14ベンチを2回以上走らせて放射温度計(シンワ製、レーザーポイント機能付)で簡易計測した。最高温度は、キーボード奥側(本体奥中央、左側)が38.6度、底面では42.8度だった(室温は22.0度)。
タッチパッド部は24度前後。高負荷時には底面の奥側、排気口より少し手前辺りに多少の熱を持つが、最も手が触れるパームレスト周辺まで熱は伝わってこない。ハードウェア情報ツールHWiNFO64でCPU Coreの最高温度は81.0度。Xeon E3-1505M v5のTjunction温度(プロセッサーダイの許容温度)100度までかなり余裕があった。
静音性も実に優秀だ。アイドル時、低負荷時はもちろん、高負荷時でも耳ファン音が気になるということはない。空調などで少し周囲に騒音源がある場合は耳を近づけても気付かないくらいだ。
※電源を使用、プランは「高パフォーマンス」。BIOSではデフォルトのハイブリッドグラフィックス設定。
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