ココが「○」 |
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・ハイパフォーマンスなカスタマイズが可能 |
・最新GPUと4Kディスプレイで圧倒的な描画力 |
・新冷却システムで安定した動作 |
・Thunderbolt 3など豊富なインタフェース |
・X-rite内蔵カラー・キャリブレーター装備 |
ココが「×」 |
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・Blu-rayドライブやWWANが選択できない |
・ACアダプターコード込みで重量4.66キロ) |
・高価格 |
・内蔵ステレオスピーカーとWebカメラの性能はそれなり |
ThinkPadの史上最強“怪物スペック”をうたう17.3型モバイルワークステーション(以下モバイルWS)「ThinkPad P70」がデビューした。CPUには世界初となるノートPC向けSkylake世代Xeonプロセッサ、17.3型4K UHD解像度(3840×2160ピクセル)ディスプレイ、Maxwell世代のNVIDIA Quadro GPUやエラー訂正機能「ECC」をサポートする64Gバイトメモリ、3Tバイト(2TバイトのHDD+1TBのNVMe SSD)を搭載できるなど、スペックはまさに強烈。「デスクトップを凌駕(りょうが)する」(同社)とアピールするのも頷ける。
レノボ・ジャパンはこのところ、高機能モバイルWSセグメントを強化している。2015年11月に新シリーズ「ThinkPad P」を立上げ、17.3型「P70」/15.6型「P50」を発表、今月19日には15.6型「P50s」/14.0型「P40 Yoga」を追加し、わずか2ケ月で4モデルを投入するという力の入れようだ。
国内PCシェア29%を誇る同社グループも、今のところ国内ワークステーション市場ではHPにシェア1位を明け渡している状況だ(参考記事)。今後、レノボ・ジャパンがシェア拡大を図るには、モバイルWSセグメントの強化が不可避だったが、本気で”狙い”に来たということが分かるビジネス展開だ。
モバイルWSというとハードルが高く思われがちだが、一般的には各種ISV(独立系ソフトウェアベンダー)認証を取得していることがノートPCとの違いと思っていいだろう。プロユーザーがCADやCGアニメーション、映像編集、解析シミュレーションなど行う際に、その業務を安定して遂行できることを最優先に設計と開発が行われている。製品はもちろん、OS、グラフィックスカード、アプリケーションの組合わせで徹底的に動作確認検証がされ、それぞれの構成にドライバ(グラフィックスドライバ)が認定される。つまり、単純にハイパフォーマンスに振るだけでなく、安定稼働が保証されるのだ。
一方、その対価として価格も高くなってしまう傾向がある。従って、モバイルWSは予算さえ折り合えば、ハイエンド指向のPCパワーユーザーにも十分にお勧めできる。
今回レビューで取り上げるのは、フラッグシップの「ThinkPad P70」だ。カスタマイズ可能な”直販モデル”と構成が固定の”販売代理店モデル”が用意されている。直販モデルでは、通常販売価格28万9440円(税込)から購入可能だ。
レビュー機材は、販売代理店モデルの最上位機種(20ES0015JP)だ。CPUにXeon E3-1505M v5(2.8GHz/最大3.7GHz、4コア/8スレッド、2次キャッシュメモリ8MB)、16GB(8GB×2)ECC対応メモリ、512GB SSD(SATA/M.2)、17.3型4K UHD(3840×2160ピクセル)ディスプレイ、NVIDIA Quadro M4000M(4GB)、DVDスーパーマルチドライブ、64ビット版Windows 7 Professional SP1 (日本語版、64ビット版Windows 10 Proからのダウングレード権行使)という構成だ。価格は57万4000円(税別)で、詳細は製品仕様書で確認ができる。
早速、中身を確認していこう。
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