最新スティック型PC、マウス「MS-CH01F」徹底比較Cherry Trail世代に進化して何が変わった?(1/2 ページ)

» 2016年02月24日 15時39分 公開
[小川夏樹ITmedia]

スティック型PCブームの火付け役、マウスコンピューターが最新モデルを投入

 第1世代の投入から、一気に人気が広がった感のあるスティック型PC。2015年のCESでは、Intelが純正の「Compute Stick」を正式投入し、人気の加速に火をつけた。

 国内に目を向けるとマウスコンピューターが2014年12月に“初代m-Stick”シリーズを投入。これが現在の同社のスティック型PCの基本となっている。直後に人気に一気に火が付き、市場在庫が一掃されるという事態を招くほどの人気を得た。

 明けて2015年は、インテルからもスティック型PCが投入され、スティック型PCが急速に普及していった。

mouseブランドのスティック型PC最新モデル「MS-CH01F」

用途さえ限れば快適に使えるBay Trailシステム

 この第1世代は、マウスコンピューターのm-StickシリーズもインテルのCompute Stickシリーズも、ベースとなっているプラットフォームが“BayTrail-T/Bay Trail Refresh”(以下、Bay Trail)ことインテルAtom Z3000シリーズである。

 これはすでに先行して投入されていた8〜10型クラスのWindowsタブレットと同等のスペックだ。

 そのWindowsタブレットの使い方としては、WebブラウジングやYouTube、ニコニコなどの動画視聴、Officeをはじめとするビジネスアプリの利用といった、それほど負荷の重くない処理で使う、といった感じで使い道を割り切る必要があった。

3Dゲームをバリバリプレイするのは無理だが……

 “ようやくできるようになったAtom”と言われるBay Trailであるが、内蔵の第7世代Intel HD GraphicsではCPUの非力さもあって3Dバリバリのゲームをプレイするのは無理だった。

 無理に動かそうと思うのであれば、3Dの各種効果を切って解像度を落とすといったことが必要になる。これはBay Trailを搭載しているシステム全般に言えることで、スティック型PCも例外ではない。

 ではどんなゲームが遊べるのかというと、せいぜい「艦隊これくしょん-艦これ-」といったライトなソーシャルゲームか、Windowsに付属してくるソリティアといったライトなゲームをプレイする程度。

 中には強引に3Dゲームである「ドラゴンクエストX」(以下、ドラクエX)を動かすという無茶な使い方をしているユーザーもいたが、そのドラクエXでもウィンドウモードでようやく動作するかな……と言ったレベルだ。

 このようにBay Trailのシステムは、オールマイティに使えるというような性能ではないことを理解し、割り切る必要があったのだ。おそらく世代交代したとはいえCherry Trailでも、この傾向は変わっていないだろう。

使いどころをしっかり押さえれば便利なデバイス

 性能に妥協が必要であったとしても、スティック型PCはコンパクトな本体に加えHDMI端子が直接付いていることが最大のメリットである。

 例えば、自宅の大画面テレビ、またはHDMI入力に余裕のある液晶ディスプレイなどに本体を装着し、これにBluetoothやUSBタイプ(無線含む)のマウスとキーボードと組み合わせるだけで、Webブラウジング、ネットの動画視聴が可能なWindows環境(Windows 8.1/Windows 10)が手に入れられる。

 しかも価格は2万円前後と安価。これで人気が出ないわけがない。

Bay TrailからCherry Trailへとバトンタッチ

 そのスティック型PCが2016年に入り、新しいプラットフォームであるCherry Trailベースのシステムへと進化した。それが今回紹介するマウスコンピューターの「m-Stick MS-CH01F」である。

 製造プロセスはBay Trailの22nmプロセスから14nmプロセスへと微細化。マイクロアーキテクチャはBay TrailのSilvermontから、第4世代のAirmontへと進化しており、内蔵グラフィックスも第7世代のIntel HD Graphicsから第8世代へと進化している。

 今回、製品版を入手できたので、BayTrail版のスティック型PCと性能を比較し、どう進化したのかチェックした。なお、性能の比較に用いたのはIntelの「Compute Stick」(STCK1A32WFCR 」だ。こちらはBay Trail(正確にはBay Trail Refresh)のAtom Z3735F(4コア、1.33GHz)を搭載している。

性能を比較したBay Trailシステムはインテル純正の「Compute Stick」(STCK1A32WFCR )

シンプルなパッケージ構成

 2万円ちょっとという価格もあり、パッケージ内容は非常にシンプル。パッケージの箱を開けると本体、ACアダプター、HDMI延長ケーブルに簡易説明書が入っているだけだ。

パッケージ構成。スティック型PC本体、専用のACアダプター、HDMI延長ケーブルといったシンプルな内容

 なお、ACアダプターは、AC-USBアダプターとmicro USBケーブルとの組み合わせではなく、ACアダプターから直接ケーブルが伸びており先端がmicro USB端子となっている専用アダプターである。出力は5V/3Aだ。

 おそらくUSB 3.0ポートを搭載したことで、これまで2A出力だったのがUSB 3.0用にさらに900mAが必要になったため、3A出力となっていると思われる。5A出力が可能な汎用アダプターでもなければ、専用のアダプターを利用したほうがいいだろう。

専用のACアダプターは5V/3Aの出力となっている。ユニバーサルタイプなので変換ソケットを利用すれば海外でも利用可能だ

USB 3.0ポートで高速なデバイスが利用可能に

 HDMI端子を右に見た本体側面には、左からUSB 2.0×1、USB 3.0×1、電源用のmicro USB端子×1、そして電源スイッチが並んでいる。

左からUSB 2.0×1、USB 3.0×1、電源用のmicro USB端子×1、そして電源スイッチが並ぶ

反対側。左から吸気口、microSD(SDXC)のカードスロットおよびストラップ用のホールがある

 Cherry TrailではUSB 3.0が利用できるようになったことで、高速転送が可能になっている。USB 2.0の最大480Mbpsに対し、USB 3.0では最大5Gbpsとなっており、USB 3.0対応している高速なストレージでは、10倍近い速度差となって出てくるはずである。なお、無線LANもIEEE802.11 ac/a/b/g/n対応へと進化している。

 このポートにUSB 3.0対応のUSBメモリやカードリーダーなどを差して使うことで高速なデータのやり取りが可能になる。そこで、USB 2.0に対しどの程度速度が違うのか実際に速度を計測した。

 計測にはCrystalDiskMark v5.1.2を使用。USB 3.0ポートにUSB 3.1対応のKingston TechnologyのUSBメモリ「HyperX Savage USBドライブ」の128GBモデルを挿し、計測データのサイズを500MB/1GB/4GBに設定した。また、Intelの「Compute Stick」(CSTK-32W)のUSBポートに装着し、同様にデータのサイズを500MB/1GB/4GBに設定し、速度を計測している。

USB 3.0ポートにUSB 3.1対応のKingston Technology製USBメモリ「HyperX Savage USBドライブ」の128GBモデルを差して速度を計測している

 ベンチマークの結果であるがUSB 3.0ではリードが最大395.1MB/秒、ライトが最大295.3MB/秒、一方のUSB 2.0環境では、リードが最大30.62MB/秒、ライトが最大26.66MB/秒だ。10倍以上の速度差となっており、USB 3.0対応の恩恵は大きい。

USB 3.0ポートに「HyperX Savage USBドライブ」(Kingston)を装着しテストを実行。リードが最大395.1MB/秒、ライトが最大295.3MB/秒となっている

こちらはIntel「Compute Stick」(CSTK-32W)のUSBポートに同じUSBメモリを装着して計測した結果。リードが最大30.62MB/秒、ライトが最大26.66MB/秒とUSB3.0環境と比べ、かなり遅いのが分かる
マウスコンピューター/G-Tune

→PC USER特設ページ「mouse station」
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