日本HPの13.3型ラグジュアリーモバイルPC「HP Spectre 13」は中身もぜいたくか?2016年PC夏モデル(3/4 ページ)

» 2016年07月12日 06時00分 公開

使いやすい13.3型1920×1080ピクセルのIPSパネル

 HP Spectre 13の液晶ディスプレイは13.3型だ。ベゼル幅に関しては太くもなく細くもなく一般的な幅だ。一方、パネルのコーティングは光沢仕様となっており、映り込みは多め。また、ディスプレイ部分を最大まで開いた角度はヒンジの構造上、やや浅めとなる。例えば、映り込みを抑えようとパネルの角度を換えようにも、もう少しというところでストップしてしまうことがあった。IPS方式を採用しており視野角は広いので、ユーザーのポジションで多少の調整をすればよいだろう。

「HP Spectre 13」 13.3型の液晶ディスプレイを搭載。光沢パネルでやや映り込みが気になるところもあるが、IPS方式の採用で視野角は広い

 解像度は1920×1080ピクセルとなっている。昨今ではより高解像度のパネルを用いることも多くなってきたが、写真などを閲覧する際はともかく、テキスト中心のビジネスであれば、1920×1080ピクセルで十分というシーンが多い。とくにHP Spectre 13のように各所にこだわった製品ともなるとコストも上昇しがちであるため、1920×1080ピクセルのパネルは使い勝手でも価格面でもちょうどよい選択といえるのではないだろうか。

 HP Spectre 13を使っていて気になる箇所があるとすれば、液晶パネルが薄く軽量であるため、キーボードのキー入力時にやや揺れる点だ。テキスト入力時にブレて見えるほどではないため、実用面で支障があるほどではない。HP Spectre 13とすれば、ヒンジ部が比較的しっかりしているため、むしろよく抑えていると言ってもよいだろう。これは薄型ノートでは共通の課題といえる。

「HP Spectre 13」 液晶パネル面もひときわ薄く、パネルを開く際に若干手間取るほど。打鍵圧の高めの方だと、打鍵時にパネル側の揺れが気になるかもしれない。ただししっかりしたゴム脚によって、他の製品に比べればいくぶん抑えられている印象だ

スリムノートPCでありながらパフォーマンス面でも妥協がない

 今回はHP Spectre 13-v007TUを評価機として用意している。CPUにはIntel Core i7-6500U(2.5GHz/最大3.1GHz、2コア/4スレッド、3次キャッシュ4MB)、そしてSSDはNVMe接続の512GBを搭載するモデルだ。ベースの価格は直販価格で15万9800円(税別、配送料別)。Core i5-6200U+256GB SSD搭載モデルとの価格差は2万円。違いはこの2点のみだ。

 パフォーマンス重視ならCore i7-6500Uを搭載するHP Spectre 13-v007TUがよい。ただし、Core i5-6200U搭載モデルは動作クロックが抑えられているぶん、同じTDP枠内でも実際の消費電力や発熱は低いこともある。たとえ数分の差でもバッテリー駆動時間を伸ばしたい、あるいはより静かなPCがよいという考えであればCore i5-6200U搭載モデルもよい選択だろう。

「HP Spectre 13」 今回はCore i7-6500U搭載モデル「HP Spectre 13-v007TU」で検証。TDPを15Wに抑えているが、スリムノートPCで主流の4.5W(Core m7-6Y75など)と比べると高い。そのぶん定格側のクロックが高く、普段の処理でパフォーマンス、あるいはレスポンスがよい

 本製品では、CPUに内蔵された統合GPU機能を用いている。Core i7-6500Uは、Intel HD Graphics 520となる。グラフィックスコアクロックは最大1.05GHz、EUは24基備えており、統合GPUのなかでは最上位ではないものの、比較的高クロックなぶんミドルクラスといったところだろうか。映像機能に関しては動画エンコード時に便利なQuickSyncVideo、再生支援高画質化機能のClearVideo HDを搭載している。

「HP Spectre 13」 Core i7-6500Uに内蔵するIntel HD Graphics 520 GPUを利用する。Core m7が内蔵するIntel HD Graphics 515と比べると最大クロックが50MHzほど高い

 一方、SSDの容量は搭載するCPUによって決定されてしまうようだ。HP Spectre 13にはSDはもちろんmicroSDカードスロットもない。プライベート専用であればクラウドという選択肢もあるが、ビジネスにも使うとなるとクラウド禁止の企業もあるので、ここはしっかりと使用するデータ量を見積もって選択したい。

 SSDは、PCI Express接続(NVMe M.2)に対応したSSDを搭載しているとされる。製品版やロットによって変わる可能性もあるが、評価機に搭載されていたのはSamsung製「MZVLV512HCJH-000H1」だ。「PM951」という製品名で知られている。PCI Express Gen3 x4接続のためSerial ATA接続のSSDよりも高速で、公称スペックではシーケンシャルリードが1050MB/秒、同ライトが560MB/秒とされている。

「HP Spectre 13」 評価機に搭載されていたSSDは、PCI Express Gen3 x4接続のSamsung PM951シリーズの512GBモデル「MZVLV512HCJH-000H1」
「HP Spectre 13」 Cドライブの容量はトータル465GBで、使用領域が22.7GB、空き領域が442GB

 メモリは全モデル共通で8GBとなる。SODIMMを採用しているわけではなく、基板実装タイプとみられるので、増量はできない。ただし8GBあれば、一般的な作業においてはかなり余裕をもって使用できる。ブラウザでかなり多くのタブを開いても、8GBで足りなくなることはまずめったに起こらない。

 メモリの規格はLPDDR3で動作クロックは1866MHz。Core i7-6500UのSkylake世代ではDDR4もサポートされているが、低電圧版のDDR3メモリを選択していることになる。コストが折り合ったということだろうか。ただし、動作クロックが高いため、パフォーマンスはそこまで犠牲にはなっていないだろう。なお、CPU-Z上から確認した限りではデュアルチャネルモードで動作しているようだ。後で紹介するゲームベンチマークでも、統合GPUとしてはよい結果を出しているので、これは間違いないと思われる。

「HP Spectre 13」 メモリはLPDDR3-1866でトータル8GB。CPU-Z上ではデュアルチャネル動作しているとの情報だ
HP Directplus -HP公式オンラインストア-

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

最新トピックスPR

過去記事カレンダー