GeForce GTX 1080性能検証高くない?(3/4 ページ)

» 2016年07月14日 11時49分 公開
[石川ひさよしITmedia]

計測した全テストでGeForce GTX 980 Tiを上回る3Dパフォーマンス

 それでは、GeForce GTX 1080のパフォーマンスを計測していこう。比較対象としては、1世代前の同セグメントGPUであるGeForce GTX 980、1世代前の上位セグメントGPUであるGeForce GTX 980 Tiを用意した。ドライバは、GeForce GTX 980/980 Tiが、執筆時点で提供されている最新版、GeForce GTX 1080は検証用に用意されたものを用いている。ほか、3つのカードの環境はそろえた。

比較対象 GeForce GTX 1080 GeForce GTX 980 GeForce GTX 980 Ti
CPU Core i7-6700K
定格クロック 4GHz
ターボクロック 4.2GHz
メモリ(速度) DDR4-2133
マザーボード MSI Z170A XPOWER GAMING TITANIUM EDITION
チップセット Intel Z170
ストレージ Crucial BX200(Serial ATA 3.0、480GB)
OS Windows 10 Pro 64bit
電源 Seasonic SS-1000XP(80PLUS Platinum、1000W)

 まず3DMark。ハイエンド向け製品であるため、Ice StormやCloud Gateでは明確な差が生じない。要はベンチマークの負荷が軽すぎる。そこで、Sky Diver以降をテストした。Sky Diver以降の4つのプリセットでは、どれもGeForce GTX 980 Tiを大きく上回るスコアが得られた。Overallで見ると分かりづらいので、スコアの詳細を見ていくと、まずグラフィックステストはGeForce GTX 980 Tiの130%前後、CPUとGPU双方に負荷をかけるCombinedテストでは125%前後の向上が見られた。

3DMark(Overall)

3DMark(Graphics、Physics、Combined)

 Unigine Heaven Benchmarkでは、1920×1080ドットまではGeForce GTX 980 Tiに対して約130%の向上、以降はやや伸び率が鈍化するものの3,840×2,160ドットで119%の向上が見られた。1920×1080ドット以降でフレームレートがやや落ち込むのは3つの環境ともに見られるため、GeForce GTX 1080が特別というわけではない。

Unigine Heaven Benchmark

 ファイナルファンタジーXIV:蒼天のイシュガルド ベンチマーク(DirectX 11)は、ハイエンドGPUにはやや負荷が軽すぎるが、3840×2160ピクセルとなれば話は別なので、結果を見ておこう。まずスコアで見ると、GeForce GTX 1080は1920×1080ピクセルで20000ポイントの大台まであと少しというところ。フレームレートも150fpsを実現しており、これなら144Hzクラスのハイリフレッシュレート液晶ディスプレイもフル活用できる。3840×2160ピクセルのスコアは6748ポイントで、フレームレートは51.716fps。さすがに60fpsを満たすことはできなかったが、ファイナルファンタジーXIVが30fpsで楽しめるタイトルという点を考えれば、最高画質のまま4Kディスプレイで十分に楽しめる。

ファイナルファンタジーXIV:蒼天のイシュガルド ベンチマーク

 The Divisionは、画質オプションを最大としたうえで、内蔵ベンチマークで計測している。1920×1080ピクセルにおけるGeForce GTX 1080は100fps近くに達し、2560×1440ピクセルまでは60fpsを上回る。4Kに関しては39.3fpsまで落ちたが、30fpsを満たしている点からプレイ自体は可能だ。GeForce GTX 980 Tiと比較しても4Kで8.3fps上積みしていることから、GeForce GTX 1080のパフォーマンスの高さが感じられる。

The Division

 Grand Theft Auto V(DirectX 11)は、GeForce GTXで利用可能なNVIDIA TXAAとPCSSを有効としたほか、各オプションを最大まで引き上げて検証した。内蔵ベンチマークを実行し、5つのシーンのうち最後のPass 4のフレームレートをスコアとして採用している。なお、この設定では、3840×2160ピクセル時で6GBを超えるグラフィックスメモリを使用するため、GeForce GTX 980は2560×1440ピクセルを境にフレームレートが極端に落ちる。一方で、GeForce GTX 980 Tiには顕著な低下は見られない。

 GeForce GTX 1080はというと、GeForce GTX 980のように、2560×1440ピクセルに境界があるようには見えるが、フレームレート自体はGeForce GTX 980 Tiよりも高く、それも31.179fpsというプレイ可能な値を出している。グラフィックスメモリ容量はギリギリ足りており、メモリ帯域幅もCUDAコア数もGeForce GTX 980 Tiにより近いGeForce GTX 1080にクッキリとした境界が現れた理由はどこにあるのだろうか。考えられるのはGeForce GTX 980から増加しなかったROPユニットだろうか。ここがウィークポイントになる可能性はあるが、フレームレートで見ると十分なので、結局のところ、当面問題にないだろう。ただし気に留めておきたいところではある。

Grand Theft Auto V

 Rise of the Tomb Raiderは、ともにDirectX 12でテストしているが、一つ目は画質プリセットを最高画質としたうえでアンチエイリアス(AA)を4xSSAAも有効としたもの、もう一つはアンチエイリアスをオフとしたものだ。一つ目のテストでは、とくに4K時、6GBのメモリを搭載するGeForce GTX 980 Tiでも最大までメモリ容量を使用する。そのため、GeForce GTX 980 Tiであっても4K時のフレームレートは1ケタに落ち込む。

 一方で、GeForce GTX 1080は16fpsほどあった。グラフィックスメモリの6GBと8GBの差が現れるタイトルと言えるのではないだろうか。なお、さすがに4K時はアンチエイリアスが不要なほど高精細だから、実際のところAAオフで楽しむことになるだろうし、このほうがフレームレートも出る。二つ目のテストでは、4KであってもGeForce GTX 1080なら43fpsほどあるので快適だろう。追加で、プリセットの最高画質以上、さらに4xSSAAを有効とした場合に1920×1080ピクセルでどのくらいのフレームレートが出るのか試してみたところ、GeForce GTX 1080は52fpsほど出ており、これも快適だ。GeForce GTX 980 Tiも37fpsほど出ているのでこちらも快適と思われるが、30fpsから上の上積みという点ではGeForce GTX 1080がより安心感がある。

Rise of the Tomb Raider

 実ゲームベンチマークの最後はHitman 2016。Hitman 2016もDirectX 12オプションを有効としてテストした。こちらは面白い結果で、GeForce GTX 980に対しGeForce GTX 980 Tiの伸びはさほど大きくない。一方でGeForce GTX 1080は大きくフレームレートを伸ばしている。アーキテクチャ的にはMaxwellとPascalで大きな違いはないはずだが、こうした結果になることもあるようだ。あるいはDirectX 12の機能をそのタイトルがどこまでサポートしているのかという点でも変わってくるものと考えられる。

Hitman 2016

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2024年04月25日 更新
  1. ワコムが有機ELペンタブレットをついに投入! 「Wacom Movink 13」は約420gの軽量モデルだ (2024年04月24日)
  2. 16.3型の折りたたみノートPC「Thinkpad X1 Fold」は“大画面タブレット”として大きな価値あり (2024年04月24日)
  3. 「社長室と役員室はなくしました」 価値共創領域に挑戦する日本IBM 山口社長のこだわり (2024年04月24日)
  4. 「IBMはテクノロジーカンパニーだ」 日本IBMが5つの「価値共創領域」にこだわるワケ (2024年04月23日)
  5. わずか237gとスマホ並みに軽いモバイルディスプレイ! ユニークの10.5型「UQ-PM10FHDNT-GL」を試す (2024年04月25日)
  6. Googleが「Google for Education GIGA スクールパッケージ」を発表 GIGAスクール用Chromebookの「新規採用」と「継続」を両にらみ (2024年04月23日)
  7. バッファロー開発陣に聞く「Wi-Fi 7」にいち早く対応したメリット 決め手は異なる周波数を束ねる「MLO」【前編】 (2024年04月22日)
  8. 「Surface Go」が“タフブック”みたいになる耐衝撃ケース サンワサプライから登場 (2024年04月24日)
  9. ロジクール、“プロ仕様”をうたった60%レイアウト採用ワイヤレスゲーミングキーボード (2024年04月24日)
  10. あなたのPCのWindows 10/11の「ライセンス」はどうなっている? 調べる方法をチェック! (2023年10月20日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー