12.5型で世界最小をうたう「HP EliteBook Folio G1/CT」はMacBookの対抗馬になれるか?2016年PC夏モデル(2/3 ページ)

» 2016年07月19日 21時00分 公開

スタンダードモデルなら手が出せる価格

 PCとしての基本性能も非常に高い。プロセッサには第6世代Core M(開発コード名:Skylake-Y)を採用。12.5型というサイズながらもフルHD(1920×1080ピクセル)だけでなく、4K(3840×2160ピクセル)という高解像度液晶モデル用意した。その上でメモリは全機種に8GBが標準搭載しており、ストレージには高速なM2接続のSSDを標準で採用する。本製品には複数のモデルが用意されているが、主な違いはプロセッサの種類、ストレージの容量や種類、前述した液晶の種類などである。

 今回紹介するスタンダードモデル・フルHDモデルには、プロセッサにCore M5-6Y54(1.1GHz/最大2.7GHz、2コア/4スレッド、3次キャッシュ4MB)、ディスプレイにはIPSのフルHD液晶が使用されているという構成だ。ストレージはM.2接続の128GB SSDとなる。Core M5-6Y54はTDP(熱設計電力)がわずか4.5Wとなっており、動作音の原因となる冷却ファンを搭載しないファンレス設計が可能な仕様だ。

 評価機と標準モデルではOSに違いがあり、標準はWindows 10 Homeであるのに対してWindows 10 Proになっている点が異なる。価格は15万8000円(税別)となる。なお、現在2000台限定のキャンペーンが行われており、通常より4万8200円も安価に設定されているのでかなりお買い得だ。なお基本構成で変更できる部分は、前述のOSとストレージ部分だけで、後はオプションパーツの選択と選択のみとなる。

CPUZGPUZ GPU-Z
hwinfo CPUはプロセッサは第6世代Core Mプロセッサ「Core M5-6Y54」を採用している。TDP4.5Wと発熱量が非常に小さいことからファンレス運用できる設計になっている。内蔵GPUはIntel HD Graphics 515はほとんどの部分が表示されないが、HWiNFO64 によれば、ビデオメモリは1GBとなっている

 12.5型の液晶ディスプレイの表示解像度は1920×1080ピクセル(フルHD)に対応しており表示密度は緻密だ。さらに、4Kタッチディスプレイモデルはスマートフォンなどでおなじみの強化ガラス「ゴリラガラス」を

採用しており耐久性も高い(4KタッチディスプレイモデルはCore M7のみ選択可能)。表示品質もIPSに対応しており、視野角は広く画面の文字の読み取りもしやすくなっている。

「HP EliteBook Folio G1/CT」 ディスプレイは4Kモデルも選択できる

 天板部分は180度開くことができ、完全にフラットな状態にすることができる。本製品の視野角の広さはプレゼンや商談といった作業にも向いているだろう。液晶の左右にある額縁部も狭く圧迫感がない点も優れている。

「HP EliteBook Folio G1/CT」 ディスプレイをいっぱいまで開いたところ

 キーボードも本製品の売りの一つだ。コンパクトノートで日本語キーボードを採用したモデルでは、変則的なキーレイアウトになりがちだが、本製品ではEnterキーも大きめで、レイアウトに特殊な部分は見られない。標準的なキートップは実測で16(幅)×17(高さ)を確保している。やや小型化されているCtrlキーやfnキーなどもキートップ幅が13mmほどを確保。さらにキーストロークは薄型モデルでありながら約1.3mmで、各キーの反発力が全て均一になるよう調整されているという。

 キーピッチについても18.7mmと、デスクトップ機並みのスペースを確保した。キータッチ音も目立たないように工夫されている。キーの文字はバックライトで光るようになっている。このため飛行機の中などのような暗くなる環境でも見やすい。モバイル機ではこうした細部が重要な部分となる。タッチパッドはボタンとパッド部分が一体化されたタイプ。広さは実測で幅93×高さ60mmと十分な広さが確保されており、手の大きな人でも十分に使える。

「HP EliteBook Folio G1/CT」 こだわりが感じられるキーボード

拡張性の問題はUSB Type-Cと周辺で解決

 本体のコンパクト化、とくに薄型化が進むと一番影響の出るのが拡張性の部分だ。拡張コネクタの物理的な大きさや高さなどによって非搭載を余儀なくされるからだ。本製品では拡張性の問題をUSBの最新規格である「USB Type-C」で解決している。USB Type-CはUSB 3.1で用意された新しいコネクタ規格で、Micro USBと同等のコネクタサイズながら、本体の充電や外部機器への電源供給も可能となっている。また上下左右対称でどちらの向きにも差し込める。

前面 前面
背面 背面
右側面 右側面
左側面 左側面

 本製品では本体の右側にUSB Type-Cポートを2個装備している点がポイントだ。一つのUSBコネクタをACアダプター用に使いつつ、もう一つを拡張機器用に使用できる。とはいえ、現時点ではUSB Type-Cコネクタに対応した周辺機器は少ない。そこで本製品では、USB Type-C経由で接続し、従来のフルサイズ規格のUSBコネクタが可能にする「HP Elite USB-C ドッキングステーション(以下ドッキングステーション)」や「HP USB-C トラベルドック(以下トラベルドック)」といった周辺機器が用意されている。

 ドッキングステーションは、家などでEliteBook Folio G1を使用するための周辺機器だ。USBコネクタや有線LANポート、HDMIといった拡張コネクタや映像出力を備え本体の拡張性を高める。それだけでなく同梱の45WのACアダプターよりも強力な65WのACアダプターが付属しており、USB周辺機器だけでなくEliteBook Folio G1本体への電源供給・充電機能も行える。

「HP EliteBook Folio G1/CT」 「HP Elite USB-C ドッキングステーション」

 用意されている拡張コネクタは本体の表側にオーディオ出力、USB Type-C×1(SuperSpeedチャージ対応)、USB 2.0×1となっている。背面側にはDisplay Port、HDMI、有線LAN、USB 2.0×2、USB 3.0×1(電源OFF時のチャージ対応)が用意され、大型ノート並みの拡張性を持たせることができる。しかし、多機能である反面サイズは大きい。ドッキングステーションの本体サイズを実測してみると約157(幅)×20(高さ)×70(奥行き)mmある。加えてACアダプターは本体付属のものよりも非常に大きい。こちらも実測で約112(幅)×112(高さ)×30(奥行き)mmもある。ドッキングステーションはBTOメニューから購入可能で価格は2万5000円(税別)と、やや高めの価格だ。

 ドッキングステーションを外出先などで使えるようにコンパクト化したのがトラベルドックだ。本体サイズは実測で約131(幅)×18(高さ)×43(奥行き)mmとなっている。メーカー資料によれば重量は約76gとなっている。実測でUSB Type-Cケーブルの長さは115mmだ。

「HP EliteBook Folio G1/CT」 「HP USB-C トラベルドック」

 トラベルドックが特徴的なのはUSB Type-Cケーブルがフラットケーブルになっており、本体部分に折りたたんで収納できる点だ。コンパクトになるだけでなく、持ち運び時にケーブルやコネクタが破損しにくいようになっている。これはドッキングステーションも同様だが、青い部分がゴム材質になっており、破損しにくい仕組みだ。用意されている拡張コネクタはUSB 3.0×1、USB 2.0×1、有線LAN、アナログディスプレイを接続するD-sub15ピン、HDMI端子となっている。ACアダプターは用意されていないため、本体を充電する場合は付属のACアダプターを使用する必要がある。

 アナログディスプレイ端子が用意されているのは、外出先でのプレゼン用途などでプロジェクタと接続することなどが多いためだろう。ドッキングステーションほどではないが十分な拡張性を備えている。こちらについては、製品価格は税別1万2000円となっている。なお、トラベルドックもドッキングステーションも本体内のストレージ領域にPDFによるマニュアルとドライバ類が入っている。

 付属のACアダプターについても触れておこう。付属ACアダプターの本体サイズは実測で約66(幅)×29(高さ)×67(奥行き)mmとコンパクトにまとめられている。最近では一般的だが、ACプラグ部分は折りたたんで収納することができる。EliteBook Folio G1では、本体の充電についてもUSB Type-Cコネクタから行う。このためACアダプターの先端部分はL字型形状をしたUSB Type-Cコネクタになっている。

 本製品では前述したようにUSB Type-Cを2個備えているが、そのどちらからでも充電可能だ。USB Type-Cはどちらの向きにも差し込めるため、ケーブルの向きを後ろ側にすることも前向きにすることもできる。どうでもいい機能のように見えるが、出先のコンセント利用可能な喫茶店などでACアダプターをつなぐときなどに意外と便利だったりする。なお充電中は手前側のUSB Type-Cコネクタ前にあるLEDで充電状態をチェックすることができる。

「HP EliteBook Folio G1/CT」 付属のACアダプター
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