現在、インターネットに接続している家庭ではインターネットと直接やりとりできるのはルーターだけになるよう設定されていることが多い。ルーターは異なるネットワークをつなぐための機器で、インターネット上でユニークなIPアドレスを持つ一方で、家庭内のローカルエリアネットワーク内のIPアドレスも持っている。
ローカルエリアネットワークに接続されたPCがインターネットを介して通信するためにはまず、ルーターと通信を行い、ルーターがインターネットに向けて転送を行う。インターネットからの応答はその逆をたどる。しかし、その逆、つまり、インターネットからいきなり家庭内のローカルエリアネットワークに接続された機器に通信を行うことは基本的にはできない。
なぜなら、インターネット経由で通信可能なのはルーターだけなので、発信者からはその後ろにいる機器が指定できないからだ。これによってPCをモデムなどで直結させるよりは機器が安全に保たれるというメリットはあるものの、このままではローカルエリアネットワーク内のASUSTOR NASに外部からアクセスすることはできない。
そこで、インターネットからの通信をASUSTOR NASが受けられるよう、ルーターに「このポートへの着信があったら、ローカルエリアネットワーク内のこのASUSTOR NASに転送する」というような設定(NAPT/IPマスカレード)を行う必要がある。それをUPnPを使って自動的に行ってくれるのがEZ-Routerだ。ASUSTOR NASのサービスにはそれぞれ異なるポートが割り当てられているので、そのポート単位で外部からアクセスできるようにすることで外部からの接続を必要最小限に抑えることができる。
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