「食べログの点数」を見ないとお店に入れない人たち

» 2017年03月09日 06時00分 公開
[二階堂歩ITmedia]
食べログの東京レストランランキングTOP3(2017年3月7日現在)

 「このお店、入ってみようか?」「ちょっと待って、『食べログ』で調べてみる」――家族や友人とそんな会話を交わしたことのある人は多いだろう。今やユーザー数7500万人、月間17億PV以上(2016年9月時点)という巨大な数字を誇る飲食店口コミサイト、食べログ。

 同じく口コミ系サイトとしては後発の「Retty」や、古参の「ぐるなび」「ホットペッパー」などもあわせて、グルメ情報サイトはますますその存在感を増しつつある。「気になるお店を見かけたら、まずはネットで評判を調べる」「食べログの点数が低いと入る気が失せる」という人もいる。

 その一方で、「点数付けの基準が不明瞭」「正確でない情報が掲載されている場合がある」などの理由で、こうしたサイトをあまり信用していない人たちもいるようだ。2016年9月には、とある飲食店オーナーが、自身が経営する店舗の食べログ点数が「突然3.0点にリセットされた」とSNS上に書き込んで物議を醸し、食べログ側が説明や制度の改正を行う事態も起こった。

 賛否両論、さまざまな評価がうずまくグルメ系情報サイト。それぞれの意見を聞いてみた。

「食べログ信者」と「バランス派」

 まずはグルメ系情報サイトを普段からよく利用している人たちの意見から。「今いる場所やこれから行きたい場所ありきで、その付近で良い店を探すときに使う」という人と、「行きたい店や気になる店が先にあり、その評価を調べるために使う」という2つの意見があった。もちろん、この両方の使い方をしている人が最も多いだろう。

 「店に入る前には必ず食べログの点数を見る」「知らない店にいきなり入ることはない」という“食べログ信者”的な人がいる一方で、「事前にある程度評価の高い店をいくつかピックアップしておき、最終的には店頭の外観などを見て決める」「3.0以下など極端に低い評価は気にするが、そうでなければ気にしない」という“バランス派”も多かった。

 情報サイトを見る理由としては、点数のほかに「口コミなどのレビュー情報」「価格帯」「料理写真」「店の雰囲気や場所」などを知りたいからという意見がほとんどだった。また、「クーポンなどがあれば使いたいから」という声もあった。

「続きはアプリで」は面倒

 反対に、情報サイトに関する不満点としては「運営が悪い評価のレビューを消したり、星を操作したりという話も聞くので、そのあたりも加味した目線で見ている」「価格帯などの情報が間違っているのではという場合がある」という意見があった。

 また、意外に多かったのが「アプリをすぐダウンロードさせようとしてくるのが嫌だ」という意見。「『続きを見るにはアプリで』というのは面倒」「アプリがないとランキング上位しか見られない」という点に不満を感じているユーザーもいた。

振り回されては本末転倒

 そのほかに見られた意見としては、「自分だけでは見つけられない店が見つかる」「点数と味はそれなりに比例する」「自分と好みや趣味の合うユーザーを見つけると良いお店が見つかりやすい」というポジティブなものと、「どうしても宣伝っぽさがある」「メディア受けしやすい店ばかり上位に来る」「飛び込みで店に入る楽しみが減ってしまう」などのネガティブなものがあった。


 人によって考えはさまざまだが、今や客側だけでなく、店側にとってもその存在を無視できないのがグルメ系情報サイト。「当たりをつかむというより外れを避ける」「楽しみを損なわない程度に参考にする」といったように、自分なりの基準を持ちながら、上手にバランスを取って活用していくのが賢い使い方と言えるだろう。

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