ドスパラのお絵描きタブレット「raytrektab」は本当にお絵描きできるのか? 声優兼漫画家がライブドローイングで描き心地をチェック

» 2017年04月28日 10時20分 公開
[井上輝一ITmedia]

 ドスパラが4月27日に発売した、ワコム製筆圧検知ペンに対応した8型のWindowsタブレット「raytrektab DG-D08IWP」。発売初日、秋葉原ではraytrektabを買いに来た人々が行列を作るほど注目を集めている。

4096段階の筆圧検知に対応するお絵描きタブレット「raytrektab DG-D08IWP」

 注目を集めるこのタブレットの特徴は、“Wacom feet IT technologies”で4096段階の筆圧検知に対応すること、ペイントソフト「CLIP STUDIO PAINT DEBUT」を標準でバンドルすること、プロセッサがAtom x5-Z8350とメモリが4GBであることから動作速度がそこそこであること、そして価格が4万9800円(税込)とお絵描きタブレットの中では比較的安いということだ。

 同日には製品発表会で声優兼漫画家の劉セイラさんが登壇し、取材陣の前でraytrektabを使い4コマ漫画を描いてみせた。

声優兼漫画家の劉セイラさん

 アニメ『美少女戦士セーラームーンCrystal』で月野うさぎの弟である月野進悟の声をつとめる劉セイラさんは、中国生まれで北京外国語大学を卒業している中国人だ。中国で吹き替え版のアニメ『聖闘士星矢』の主題歌が日本語であったことから日本語に興味を持ち、高校生の頃に見たアニメ『鋼の錬金術師』の主人公エドワード・エルリックの声優が朴ロ美(ロは王偏に路)さんであったことから「外国人でも日本の声優になれるんだ!」と勘違いし(朴ロ美さんは日本生まれ日本育ち)、日本で声優を目指すことになる。

 声優業の傍ら、漫画の勉強も進めており、『ハヤテのごとく!』などを手掛ける畑健二郎さんが作画を担当したweb漫画『それが声優!』にインタビューを受け、それが縁となり独学だった漫画の技術について畑さんに教えを受けることになる。そして2017年には集英社が運営するweb漫画サイト「ふんわりジャンプ」で『教えて 劉老師! 2カ国語声優の日常』の連載が始まり、漫画家としてデビューを果たした。

 そんな珍しい経歴を持つ劉さんは、raytrektabを触ったのが発表会の1時間前だったという。ペン先と描画面までにやや空隙があることから触ってすぐはズレを感じたが、描いていてすぐに慣れたという。

 サイズについては、「女の子にとってこのサイズって大事。普段は液タブを使っているんですが大きくて持ち歩けるものではないので、外で描こうと思うと紙を持ち出すしかないんですよね。家に帰って液タブと向かうのも大変ですし、こういう小さなお絵描きタブレットは持ち出すのに良いと思う」と、外出時のお絵描きに適していることを評価した。

持ち出せるサイズを評価
ペン先と液晶の隙間はこれくらい

 メモリ4GBというスペック的に多くのレイヤーを開く用途や仕上げには向かないとしつつも、レイヤーが数枚程度のネームや下書きでは描画が遅延することもなく、サクサクと描ける印象だという。ペン先は標準芯、フェルト芯、エラストマー芯の3種類か付属しており、今回のドローイングでは標準芯よりペンの抜きを描画しやすい印象というフェルト芯を使用した。

サクサクと下書きをすすめていく

 隣に座る、サードウェーブデジノスでraytrektabの企画を担当した林田奈美さんと声優の現場についてなどの談義をしつつ、原稿を進めていく劉さん。企画の林田さんは晴海時代のコミケにサークル参加していた経緯もあり、「こんな製品があったらいいのに」という思いのもと自分で製品を作ってしまったと明かす。

 ペンを本体に収納しない仕様にしたのは、本体の筐体スペースを圧迫するということと、ペンが細くなって持ちにくくなることから描きやすさを優先した結果だという。ワコムが別売する“Wacom feet IT technologies”対応ペンでも筆圧含めて使用できることを確認しているが、4096段階まで対応しているかは未確認とのことだ。替え芯や交換用のペンは後日の販売を予定している。

話している間にも絵ができつつある

 「液タブのように家で原稿にじっくり向かい合うのではなく、いつでも気楽・手軽に描けるタブレットを目指しました。5万円を切るという価格帯なのは、他のお絵描きタブレットが10万円など高額なことからより多くの人にお絵描きタブレットを手にしてほしいからです」と製品コンセプトを説明した。

 完成した4コマ漫画は、劉さんがパンダにraytrektabを薦められる内容。1時間程度の作業時間で簡単なベタとトーンまで貼ることができた。液晶タブレットと比べて画面が小さいので、原稿が手に隠れてしまいやすいのが勝手の違う部分と語るが、ライブドローイングを終えて「慣れてストレスなくサクサクと描けました」と使いやすさに太鼓判を押した。

完成した4コマ漫画

 raytrektab DG-D08IWPは現在店頭にほとんど在庫がなく、Web通販で注文を受け付けているが、Web通販だと送料が2160円(税込)かかるのに対し店頭での注文であれば送料はかからないという。4096段階の筆圧検知に対応するのは「おそらくraytrektabが初めて」とのこと(ワコムの液晶タブレット「Cintiq」でも現行モデルこそ8192段階だが、前モデルは2048段階だった)。

 5万円という価格帯でそこそこ描けるお絵描きタブレットを求めている人には、検討の価値があるのではないだろうか。

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