米Appleが開催した9月12日(日本の13日午前2時)の「iPhone」発表イベント、やっぱりリアルタイムで見てしまいました。速報記事の担当じゃなくても、楽しみで目が覚めちゃったんです。
企業のイベントを毎回見ていると、製品だけでなく、デモの担当者も気になってきます。今でも故スティーブ・ジョブズさんの力強いプレゼンを懐かしく思い出しますが、ティム・クックCEOの絞り出すような語り口も味わい深いものです。
各製品のデモ担当は毎回ほぼ決まっています。人気者はソフトウェアエンジニアリング担当上級副社長のクレイグ・フェデリギさん。毎回ジョークで楽しませてくれます。
今回は「iPhone X」のウリの1つ、「アニ文字(Animoji)」の紹介が秀逸でした。アニ文字は、自分の顔の動きをそのまま絵文字キャラにトレースするという、Pixarも真っ青な技術です。普段から表情豊かなフェデリギさんが、ニワトリやユニコーン、うんち(!)になりきる様子に、会場は大受けでした。
フェデリギさんとの名コンビで知られるインターネットソフトウェア&サービス担当上級副社長のエディ・キューさんは、今回は「Apple TV 4K」の紹介だけでした。これまでSiriも担当していたのですが、9月に入ってSiriをフェデリギさんに譲り、メディアコンテンツに専念することになったのです。手ごわいハリウッドとの交渉は大変そうですもんね。
常連なのに今回登壇しなかった人もいます。「Apple Watch」と「watchOS」のデモでおなじみ、元Adobe SystemsのCTOだったケビン・リンチさんです。今回のApple Watchのデモは、ジェフ・ウィリアムスCOOが1人で担当しました。
あの早口のデモが聞けなくてちょっと寂しかったです。ケビン・リンチさんは客席から拍手を送っていました。
今やAppleの主力製品であるiPhoneの紹介は、ワールドワイドマーケティング担当上級副社長のフィル・シラーさんです。そういえばこういう肩書だったんですね。「MacBook」などもいつもこの人が担当なので、ハードウェア担当上級副社長(そういう役職はAppleにはない)のような気がしてました。
わりと淡々とした安定のプレゼンが特徴です。「Face ID」の説明で(『スター・トレック』のエピソードを持ち出して)「邪悪な双子がいないといいんだけど」とちょこっと冗談を言うときも、あまりトーンを変えません。
最近のイベントではダイバーシティーに配慮して女性を登壇させる企業が多いのですが、今回のAppleは幹部だけでまとめてきました。
そんなわけで今回登壇した女性は、ただ1人の女性上級副社長、小売り担当のアンジェラ・アーレンツさんだけです。“Apple最大の製品”であるApple小売店の紹介で登場したアーレンツさんは、ファッション業界出身だけあって1人だけ超ファッショナブル。ペールピンクでレースの膝丈トレンチコートに、黒いスパッツ、ピンヒールのアンクルブーツといういでたちでした。
このコートは彼女の古巣、バーバリーのもので、お値段なんと2895ドル(約32万円)。さすがー。
他のプレゼンターがみんな、いかにもシリコンバレーなカジュアルスタイルなので、これはこれで楽しめました。
なお、10月4日には米Googleの製品発表イベントがあるんですが、そちらはファッションに期待できそうにありません。「Google Home」の日本発売が発表されそうなので、やっぱりリアルタイムで見てしまいそうですが。
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