超快適ノートPCが10万円で手に入る 「eX.computer note N1544J」のコスパがすごいCore i5+外部GPU+240GB SSD(2/2 ページ)

» 2017年12月07日 07時00分 公開
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ビジネス用途なら十分な性能。ゲームも結構いける

 ここからはベンチマークテストで実際の性能を確認していく。改めて本製品の仕様を列記しておくと、CPUはCore i5-7300HQ、メモリはPC4-19200 8GB、グラフィックスチップはGeForce MX150とCPUに内蔵されたGPUにIntel HD Graphics 630、システムストレージはSerialATA接続の240GB M.2 SSD、OSはWindows 10 Home(64bit版)だ。

 テスト内容は3Dデータのレンタリング処理でCPU性能を測る「CINEBENCH R15」、PCの総合性能を計測する「PCMark 10」、グラフィックス性能を見る「3DMark」、ストレージの性能を見る「CrystalDiskMark」、ゲームベンチとしては「ファイナルファンタジーXIV: 紅蓮のリベレーター ベンチマーク」を計測した。

 CINEBENCH R15は3Dデータのレンタリング処理によってCPU性能を計測するテストだ。成績はCPUで513(cb)、シングルコア時で148(cb)となった。次にPCMark 10の結果を見てみよう。このテストでは各種アプリケーションの起動速度やWebブラウジング性能、ビデオチャット時の処理性能、オフィスアプリの処理性能、写真や動画の編集などを行い処理性能を計測するベンチマークテストとなっている。本製品でのスコアは「3258」という結果となった。オフィス処理や動画編集などにも十分耐えうる結果となっている。

CINEBENCH R15のスコア

PCMark 10のスコア。Essentials、Productivity、Digital Content Creationという各種テスト内容に準じた数値も画面下に表示される

 ストレージ性能のテストを行うCrystalDiskMarkの結果も見てみよう。本製品はシステムストレージに高速なM2.SSDを搭載している。ただし、インタフェースはSerialATA方式。テスト結果はシーケンシャルリードは556.9MB/秒、ライトは419.1MB/秒という妥当な結果となった。BTOメニューではWD製240GBのSSDと記載されているため、システム情報から確認した結果、Western DigitalL製の「WDS240G1G0B」が使用されていた。このあたりは出荷時期などによって変わる可能性がある。

CrystalDiskMark 6.0.0のベンチマーク結果

 続いて3DMarkの結果を見てみよう。このテストを含む3Dグラフィックス周りの計測テストではGPUをMX150側に固定して測定を行っている。結果を見ると、Fire Strike Extremeは1693、Fire Strikeは3304というスコアだ。

Fire Strike Extreme(画面=左)とFireStrike(画面=右)

 そのほかDirectX 10相当のビデオ性能を計測するSky Diverでは11217、Cloud Gateが12399、Ice Stormが75576という結果になった。DirectX 12対応グラフィックステストであるTime Spyでは1211。手元の過去の製品データと比較すると、GeForce 940MとGeForce GTX 965Mの中間的な数値となっている。ヘビーな3D性能を要求されるゲームでは動作はやや厳しいが、ビジネスアプリケーションなどの支援機能としてなら十分以上の性能を持っていると言える。

Sky Diver(画面=左)とCloud Gate(画面=右)

Ice Storm Extreme(画面=左)とTime Spy(画面=右)

 次にゲームベンチであるファイナルファンタジーXIV:紅蓮のリベレーターベンチマークを計測してみた。このベンチマークテストは過去に計測してきた蒼天のイシュガルド・ベンチマークよりも負荷が高い。今回はテスト環境の都合でフルスクリーンモードで安定動作しなかったため、ウインドウモードで計測を行っている。標準的な「高品質(ノートPC)解像度1280×720」ではスコアは8972で「非常に快適」という結果だ。同一の解像度で画質を最高品質に設定した場合もスコアは6805で「とても快適」、最高品質かつ解像度1920×1080のスコアは3685で「快適」という結果になった。このクラスのゲームであればほぼ快適にプレイできるだけの性能は備えている。

紅蓮のリベレーターベンチマークのテスト結果。左から高品質(ノートPC)/解像度1280×720、最高品質/解像度1280×720、最高品質/解像度1920×1080ドット

 バッテリー駆動時間の実測も行った。テストに使用しているのはbbench 1.01。無線LANで常時接続し、60秒に1回Webサイトを巡回し、10秒おきにテキスト入力を行う。Windows 10の電源プランは画面の電源を切る設定やスリープ設定を「なし」にした状態に設定し、ディスプレイの輝度は40%で固定した。結果は満充電の状態からバッテリー残量が5%になるまで198分動作した。公称の約4時間には届かなかったものの、テストではインターネット接続を使った巡回やテキスト入力など実際の利用シーンに近い値なので妥当な結果と言えそうだ。本製品はボディーの大きさや重量から持ち運ぶ場面はそれほど多くないと思われるが、3時間以上のバッテリー性能は停電時などの簡易UPS代わりとしても便利だ。

バッテリー駆動時間の実測値は200分弱。ホームモバイルや停電時の簡易UPSとしては十分だ。なお、ACアダプタのサイズは、実測で30(幅)×126(奥行き)×30(高さ)mm(ケーブルを除く)

標準構成でも不足なし!

 本製品はN1544Jシリーズの中でも価格と性能のバランスを意識したミドルレンジモデルだ。CPUやGPUだけでなく、ストレージもメモリ容量も標準構成で十分な処理性能を備える。デザインは質実剛健で、ゲーミングノートのような派手さはないものの、10万円以下の価格は経費で落とすのにちょうどよい価格帯である(厳密には送料込みの場合10万円を超えるが)。

 BTOでスペックをカスタマイズするのであれば、メモリの増設をおすすめしたい。Webページを多数のタブで開いたまま閲覧し、メモリ不足でフリーズするといった(特にパソコン初心者に)ありがちなトラブルも、16GBまで増設した環境では激減する。Webブラウザで複数のページを開きっぱなしにするクセのある人は16GBに増設するとよい。ちなみに16GBに増設した場合の追加費用は+9000円ほどだ。

 今回さまざまなベンチマークを行っているが、本製品では高負荷をかけた場合でも動作音は静かなままだった。こうした静音性の高さは日常的に使用するPCとしてはとてもありがたい。突出した部分はないが、大きな欠点もない、というのが本製品の総評だ。ただし、この価格帯でそれを実現できたことこそが大きな魅力であり、特筆すべきポイントと言える。幅広い用途で利用できるコストパフォーマンスに優れたスタンダードなノートPCがほしいなら、N1544Jは候補の1つに加えておくべき製品だ。

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