昨今、「プロセッサの脆弱(ぜいじゃく)性」問題が世間をにぎわせている。米Googleの調査チームが「Meltdown」「Spectre」と名付けた脆弱性は、Intel、AMD、Armといった主要ベンダーのプロセッサに広く影響を及ぼすという。
とりわけ、IntelのプロセッサはPCでは圧倒的なシェアを持っているため影響する範囲が非常に広い。対策を早期に行う必要がある。
そんな中、1月8日(米国太平洋時間)に行われた「CES 2018」の基調講演において、Intelのブライアン・クルザニッチ(Brian Krzanich)CEOがこの問題に言及した。
クルザニッチCEOは最初に「多くの企業が協力して問題の解決に動いている」と語り、他社のプロセッサ脆弱性への対応状況をスライドで紹介した。
その上で、「セキュリティ(の確保)はIntel、そして業界にとって最重要課題。意思決定や(社内や他社との)対話において“顧客のデータを守ること”を最重要視している」と、今後もIntelを含む業界全体で問題解決に当たることをアピールした。
次に、クルザニッチCEOは「現時点では顧客のデータを(不正に)取得するために脆弱性が使われたという報告はない」とした上で、「データの安全性を確保するために、(脆弱性問題に対する)アップデートを速やかに適用することが重要だ」と、ユーザーに対して迅速な行動を呼びかけた。
Intelでは、過去5年に発売したプロセッサ製品に対してパッチを提供する。その9割は「1週間以内に更新を提供」(クルザニッチCEO:参考記事)し、残りについても「1月中に対応を完了する」(同)としている。
ただし、Intelが提供するパッチを適用すると「一部の利用用途では、処理負荷の面で大きな影響が出る場合がある」(クルザニッチCEO)という。
今後、同社ではこの問題を「緩和」するためのパッチも提供する計画だ。
(取材協力:Consumer Technology Association)
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.