Windows MRは、米Valveが運営するゲーム配信プラットフォーム「Steam」にも対応している。Windows MRの標準機能だけでもゲームやユーティリティーを含む複数のアプリが用意されているが、これに「Windows Mixed Reality for SteamVR」アプリを導入することで、Steamで配信されているVRコンテンツも楽しめるのだ。
セットアップの手順は簡単で、同アプリをSteam経由でインストールした後、前述のCliff House(Skyloftなども含む)またはデスクトップ画面からSteamVRを起動するだけ。するとCliff Houseなどとは異なる、「SteamVR Home」という専用空間が起動する。見た目はCliff Houseと似たような空間なのだが、操作体系は異なるので注意が必要だ。
余談だが、この環境はあくまでWindows MR上で展開されているもので、例えばSteamVR Homeでシステムメニューを開くだけでCliff Houseへと戻ってしまう。そのため、このままではシステムメニュー経由で行う「仮想世界のスクリーンショット」機能を利用できない。
この問題を解決するシンプルな方法が、Windows 10の音声アシスタント「Cortana」を使った音声認識によるシステム操作だ。必要な場面で「Cortana、画面撮影」と叫ぶだけでスクリーンショットを保存できる。ただし、Cortanaがうまく音声を認識できずにWeb検索を開始してしまった場合などは、やはりCliff Houseに強制的に戻されてしまうので注意が必要だ。
Steamで配信されているVRコンテンツは幾つかあるが、個人的に最も興味を引かれたのが「Google Earth VR」だ。Google Earthについては今さら触れるまでもないだろうが、Windows MR対応HMDを組み合わせることで、平面のディスプレイで利用していたときとは全く異なる臨場感ある体験が楽しめる。
世界の自然や名所を巡る数分程度のツアーも用意されているが、やはりHMDでの醍醐味(だいごみ)は世界のさまざまな場所に移動して、上空や地上から好きに景色を眺めるという体験だろう。Google Earthでは時間設定も可能なため、地平線を眺めながら夜明けや夕暮れの景色を楽しみつつ時間を過ごせる。
例えば、米ニューヨークのマンハッタンでは地上20階程度の視点でビルの谷間を移動していくことで、まるで怪獣の気分を味わえたりと、なかなかに貴重な体験だ。
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