「Surface Go」の真価はフル装備で1kg以下にある――使い込んで分かった魅力(2/2 ページ)

» 2018年09月25日 10時58分 公開
[村松茂ITmedia]
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Sモードの利点もあるが、解除する方法も

 前述のような仕組みのため、Sモードは安全・安心という利点がある。しかしどうしても使いたいアプリがあるのであれば、これを無料で解除する道が用意されている。

 インストールできないときに開くダイアログボックスに用意された「方法」または「方法を確認する」をクリックしてもいい。また、「設定」から変更するには「更新とセキュリティ」→「ライセンス認証」の順に開く。

 「Windows 10 Homeに切り替える」項目にある「Microsoft Storeに移動」を開くと、Microsoft Storeアプリが開いて、「Sモードをオフにする」が表示されるので、「入手」をクリックする。「Windows 10 - Sモード切り替えプロダクトキーを持っています」と表示されていることから、プロダクトキーがWindows 10 Home(Sモード)から通常のWindows 10 Homeに切り替わる。ただし、いったん通常モードに切り替えると、Sモードには戻せなくなるので、その点は留意したい。

 試しに一度Sモードを解除した後、「設定」→「回復」を開いたが、通常表示される「このPCを初期状態に戻す」欄は用意されない。そこで「その他の回復オプション」欄の「Windowsのクリーンインストールで新たに開始する方法」を開いてWindows Defenderを開き「新たに開始」欄の「開始する」を試してみたが、やはりSモードには戻せなかった。

通常のWindows 10 Homeに切り替えるには、「設定」→「更新とセキュリティ」→「ライセンス認証」の順に開く。「Windows 10 Homeに切り替える」項目にある「Microsoft Storeに移動」をクリックする
「Sモードをオフにする」ダイアログボックスが開くので、「入手」をクリックすると、Sモードから通常モードに切り替わる
管理者のパスワードを入力して、「はい」をクリックする
瞬時にSモードはオフになる
バージョン情報を開くと、Windowsの仕様のエディション欄に「Windows 10 Home」と通常モードの動作が確認できる

軽量化の半面、拡張性はSurfaceドックに依存

 限りなく一般的なノートPCに近づいているSurfaceシリーズだが、インタフェースは割り切られている。Surface Go本体に用意されるのはUSB Type-C、音声出力、microSDXCカードスロット、Surface Connect端子などかなりそぎ落とされている。

 例えば、フルサイズのUSB(Type-A)や有線LAN、外部ディスプレイ用のアナログRGB、HDMIなどは用意されない。つまり一般的なType-AのUSBメモリはそのままでは使えず、Type-A→Type-C変換アダプターが必要だ。

 これを補うためにはSurface Connect端子に別売りの「Surfaceドック」を用意する必要がある。このドックには、USB 3.0(Type-A)×4、ギガビットLAN、Mini DisplayPort×2、音声出力があるので、一般的なノートPC以上の拡張性が用意される。しかし、税込み2万7432円とさらなる出費が必要になり、総重量も約550gの上乗せとなるので、サブノートとしての携帯性は損なわれる。

キックスタンドの裏にmicroSDXCカードスロットが用意されている

客観的な性能評価はやや非力なOffice PC(2016)

 最後にSurface Goの性能を調べるためにPCMark 10のベンチマーク結果を紹介する。PCMark 10はWindows Storeアプリではないので、Sモードではなく通常モードに変更した後の結果である点を留意してほしい。

 PCMark 10では、Surface Goは、CPUがIntel Pentium 4415Y(実際にはIntel Pentium Gold Processor 4415)、GPUがIntel HD Graphics 615と認識され、トータルスコア1771、Essentialスコア3944、Productivityスコア2873、Digital Content Creationスコア1333となった。

Surface Goに搭載されるCPU「Intel Pentium Gold Processor 4415」と「Intel Pentium 4415Y」と認識され、正しく認識されなかった。またSSDは東芝製と認識された

 PCMark 10のWebサイトでのスコア比較で判断すると、Surface Goのトータルスコア1771は、Office PC(2016)のトータルスコア2675をやや下回る。やや非力な印象はあるが、携帯性を重視したサブノートとしては十分なスコアと考えられる。

用途次第では魅力的なサブノート

 実際にSurface Goは購入に値する製品なのか。いい製品だが筆者自身の現状に当てはめると少し微妙かもしれない。それは外出先で原稿を書く場面がほとんどないからだ。しかし、かつては取材を終えてすぐ執筆という状況もあり、その時点なら間違いなく買いだった。

 チャット程度ならスマートフォンのタッチ操作でも事足りるが、まとまった文書を書くとなると、やはり実キーボードが不可欠で、軽量なサブノートとして優秀なSurface Goは有力な選択肢になる。フル装備で1kg以下というのも出張には重宝するだろう。

 ただし、プレゼンテーション目的での使用を考慮するなら、Surface USB-C to HDMIアダプター(税込み5832円)を用意したい。Surfaceドックを接続してMini DisplayPortからHDMIに変換ケーブルで接続する方法もあるが、そのためだけにSurfaceドックを購入するのは得策ではない。

 またSurfaceファミリーとしては最安値で、あまり財布に余裕のない学生にもいい選択肢だと思う。液晶パネルの小ささも老眼とは無縁の学生なら気にならないだろう。さらに男子学生に比べて手が小さい女子学生には小ぶりなキーボードも気にならず、フィットすること間違いない。

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