それではi1640PA2-SP2のパフォーマンスを検証していこう。
まずはCPU性能を測るCINEBENCH R15。8コア・16スレッドというメインストリームの最上位CPUということもあり、Multi CPUが2000を超える2022.55cbだった。このパフォーマンスがあれば映像制作なども快適だ。むしろゲームこそ8コアを生かしきれないものが多いので、ゲーム+配信のような「ながら」用途的マルチタスキングが可能なくらいだ。
一方、Single CPUのスコアも200ポイントを超える215.41cb。Core i9-9900KはTurbo Boostの最大クロックが5GHzとなったこともあり、シングルスレッド性能もかなり高い。この点でシングルタスク中心の普段遣いや、少し古めのゲームタイトルでも高いパフォーマンスが得られるだろう。
続いてはPCMark 10。PCMark 10のExtended Testでは、9989ポイントという、もうすぐ10000ポイントに迫るスコアだった。PCとしての基本性能は十分に高い。CPU性能の高さもあるが、PCMark 10ではマルチスレッドを生かし切るほどではないので、シングルスレッド性能の高さが効いているのだろう。加えて3GB/sクラスのNVMe対応SSDや、Digital Content CreationではGeForce RTX 2080 TiのGPUアクセラレーションも効いている。これにGamingシナリオのスコアの高さもある。
PCMark 10 | |
---|---|
Extended Score | 9989 |
Essentials | 10716 |
App Start-up Score | 15194 |
Video Conferencing Score | 8588 |
Web Browsing Score | 9431 |
Productivity | 9737 |
Spreadsheets Score | 12540 |
Writing Score | 7562 |
Digital Content Creation | 11379 |
Photo Editing Score | 13578 |
Rendering and Visualization Score | 16316 |
Video Editing Score | 6651 |
Gaming | 22660 |
Fire Strike Graphics Score | 33814 |
Fire Strike Physics Score | 24787 |
Fire Strike Combined Score | 11667 |
それでは肝心の3D性能を3DMarkで見てみよう。指標に用いられるFire Strikeは、27532という高スコアで、間違いなく現時点でも定格運用では最高に近いゲーム環境といえる。また、より高解像度環境を想定したFireStrike Extremeも15000ポイントを超え、DirectX 12のTime Spyも12000ポイントを超えている。GeForce RTX 2080 Tiは4K解像度環境での高画質プレイを可能とするGPUとあって、3DMarkのスコアも十分に高い。
3DMark | |
---|---|
SkyDiver | 61879 |
FireStrike | 27532 |
FireStrike Extreme | 15743 |
FireStrike Ultra | 8185 |
NightRaid | 62677 |
TimeSpy Performance | 12721 |
TimeSpy Extreme | 6084 |
それではゲーム性能を実際のタイトルで測ってみよう。まずはFINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマーク。4K&高品質では5849ポイントで、やや快適という判定だ。「やや」というのがポイントで、普通のマップならばフレームレートも十分に見えるが、モンスターが多数登場するようなシーンで多少フレームレートが落ちることを感じる。
1つ下のプリセットである標準品質では、6880ポイントの快適判定となり、これならプレイ中ほとんどのシーンでフレームレートの低下を感じなくなる。あるいは、4Kの1つ下の2560×1440ピクセルならば高品質でも10025ポイントのとても快適判定まで向上する。なお、FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITIONではGeForce RTXシリーズでサポートされたDLSS機能も利用できるので、こうした画質とフレームレートを向上させる新機能を楽しみたいなら試してほしい。
Tom Clancy's Ghost Recon Wildlandsでは、4K&ウルトラ画質で47.89fps。ウルトラプリセットは1920×1080ピクセル向けのオプションとされているのでオーバーだが、47fpsあると映像はそれなりにスムーズでそこまで問題なく感じられた。画質プリセットを1つ落とした「非常に高い」ならば4Kでも66.27fps出ており、これなら快適だ。また、ウルトラプリセットのまま2560×1440ピクセルとすれば77.56fps出ており、最高の画質とフレームレートを両立したいならばこのくらいの設定が最適といえる。
Shadow of the Tomb Raiderでは、DirectX 12で4K&最高画質時に57fpsだった。60fpsをわずかに割り込んでいるが、このくらいならプレイに問題はない。プリセットを1つ落とした高画質ならば70fpsに向上した。2560×1440ピクセル時は最高画質で102fpsまで向上する。Shadow of the Tomb Raiderの場合、詳細設定では高画質プリセット以上の高画質も選ぶことができる。2560×1440ピクセル環境ならば、そうしたオプションを有効としても楽しめるだけの余力がある。
このように、MASTERPIECE i1640PA2-SP2ならゲームパフォーマンスでは現在最高クラスのものが得られる。特にCPUではTurbo Boostが、GPUではOCとGPU Boostがしっかりと効いており、レファレンスベースの素組み状態よりも少し高いパフォーマンスが得られている印象だ。
同時に、サイドフローで大口径ファンのCPUクーラー、3連ファンのGPUクーラー、内部の広く吸気効率がよい大型ケースという点で、冷却と静音性のバランスもコスパ最重視のモデルよりも優れている。ゲームプレイ中にファンノイズに悩まされないところは、さらに快適なPCで最高のゲームを楽しみたいという方にMASTERPIECE i1640PA2-SP2をオススメできる理由となるだろう。
こうした最高のゲーミングPCといえるMASTERPIECE i1640PA2-SP2だが、価格は35万9800円(税別)からとなっている。同じCPU&GPUのNEXTGEARとの価格差は2万円程度なので、冷却を含めたパフォーマンスの差となるだろう。そもそもCPUとGPUが現在かなり高価なので、このくらいの価格になってしまうのは仕方がないところかもしれない。
逆に、CPUとGPUが高価だからこそ、自作ではないBTOマシンならよりお得にゲットできるという考え方もある。ボーナス級の収入がないとこのクラスのPCは踏ん切りがつかないところではあるが、至高のゲーミングPCを求める方は、MASTERPIEC i1640PA2-SP2に注目してほしい。
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