Amazonの「Echo Show」やGoogleの「Google Home Hub」(日本未発売)など画面付きスマートスピーカーがじわじわと普及しつつあるが、それによってプライバシーの懸念は、これまでよりも高まっていると言えるだろう。
その理由は、こういった製品の多くには、ビデオチャット用のカメラが内蔵されていることだ。スマートスピーカーの音声データはクラウドに保存されていることがよく知られているが、同様にカメラについても、知らず知らずのうちに自分の姿が撮影されているのではと、不安を抱くのは当然のことだろう。
同じくAmazonの「第2世代Echo Show」や「Echo Spot」では、本体側の設定でカメラをオフにできるが、設定でオフにしたからといって、動作していないという保証はない。PCのようにスパイウェアがインストールされて直接のぞき見される危険性は低いにせよ、デフォルトで記録されている可能性は大いに考えられる。
加えて、いったん記録されれば何らかのセキュリティホールや人為的ミスによって、データが外部に流出する危険は少なからずある。奇しくもつい先日、ドイツでEUの一般データ保護規則(GDPR)に基づいてユーザーがデータを要求したところ、Amazon Echo経由で得られたとみられる他人の音声ファイルが送られてきた事件があったばかりだ。
となると、やはり確実なのは、カメラを物理的に覆ってしまうことだが、カメラを一切利用しないのならともかく、将来も含めて使う機会が少しでもあるのなら、シールやテープで完全に覆うのではなく、開閉が可能な方法を模索したいところだ。
こういった場合に便利なのが、ノートPCのフロントカメラをふさぐ目的で市販されているカメラカバーだ。これならば、カメラを使う時はスライドさせて開き、使わない時は閉めることが可能になる。画面つきスマートスピーカーのセキュリティを、手軽に向上させられるというわけだ。
Echo Showに最適なカメラカバーを探すというのが本記事の趣旨なのだが、第2世代Echo Showは、インカメラの真横にマイクがある関係で、カバーを貼り付けられる幅が非常に狭い。実はこれが意外と難関だったりする。
というのも、市販されているカメラカバーは大半がノートPC向けで、横幅に制限があることを想定していないため、横幅がたいていは15〜20mm程度はある。それに対し、本製品のカメラとマイクの間隔は7mmで、カメラ自体の直径を考慮しても、幅が13mm以下でないと、隣のマイクまで覆ってしまうことになる。
さまざまな製品をチェックしていてAmazonで見つけたのが、monofiveの「Webカメラ用プライバシー保護カバー 3種セット」なるものだ。横幅と開閉方法が異なる3種類のカバーがセットになっており、写真を見る限り、他の製品と比べても明らかにコンパクトになっている。
パッケージに含まれている3種のカバーから、一番小さいカバーを使って試行錯誤した結果、横向きに取り付けるにはわずかにはみ出すものの、縦向きであれば本体の上に飛び出ることなく装着可能なことが分かった。これならばいけそうだ。
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