さて、内蔵スピーカーを使って環境音を再生できる本製品だが、再生される環境音そのものについては、Alexaスキルを使った場合とほとんど違いはない。ただし使い勝手については、両者は大きく異なっている。
最大の違いは、環境の呼び出しや切り替えの容易さだろう。Alexaスキルでは、環境音ひとつひとつが個別のスキルとして提供されていることが多く、別の環境音を再生するには、改めて呼び出す必要がある。数が多いと呼び出し方を覚えるだけで一苦労だ。その点、専用デバイスならばボタン1つで手軽に切り替えられる。
ただし、新たな環境音を追加できるAlexaスキルと異なり、専用デバイスはビルトインされている音源しか利用できない。他にないマニアックな環境音を探して追加できるのは、Alexaの大きな強みということになる。
また、再生時間にも違いがある。Alexaスキルは、連続再生できるのは最大でも1時間程度で、スキルによってはループ再生機能に対応していないこともある。しかし専用デバイスであれば、電源をオフにしない限り無限にループする。長時間流しっぱなしにするのであれば、専用デバイス一択だろう。
音量の調整については、どちらも一長一短といったところだ。本製品はロータリースイッチを使って音量が調整可能だし、Amazon Echoであれば、音声での呼びかけに加え、本体のボタンでも音量を調整できる。
それ以外の違いとしては、映像の有無が挙げられる。最近の環境音スキルには、Echo Showなど画面付きスマートスピーカーでの利用を想定した、静止画や動画が表示されるものがある。これらはAlexaならではの機能で専用デバイスではかなわない。
以上、ざっと比べてみたが、どちらも一長一短があり、甲乙つけがたい。ただ、2000円台とリーズナブルな価格設定ではあるものの、専用デバイスは購入時に少なからずコストはかかる。
従って、ひとまず環境音を試したいだけであれば、無料で使えるAlexaスキルをまず利用し(もちろんAmazon EchoなどAlexaデバイスを所有していることが前提になるが)、その結果として環境音が作業効率のアップにつながると判断すれば、専用デバイスの購入も検討してみるとよいのではないだろうか。
次回は、Alexaの環境音スキルについて細かく見ていく予定だ。
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