Dropbox無料版に台数制限…… 改めて各社無料クラウドストレージを整理する(1/3 ページ)

» 2019年03月20日 12時00分 公開
[井上輝一ITmedia]

 米クラウドストレージサービスのDropboxが無料プランの接続台数を3台までに制限すると、3月14日(米国時間)に米The Vergeが報じました。もしすでに3台以上に無料プランアカウントがリンクしている場合、2台以下になるまで接続を解除しないと新たなデバイスにリンクさせることができなくなります(有料プランに入れば台数無制限)。

 無料プランユーザーに与えられた選択肢は3つ。このまま3台までの制限で、無料プランに与えられた2GBのストレージ容量をやりくりするか、1TBもしくは2TBの有料プランにアップグレードするか、あるいは他社の無料クラウドストレージに移行するか。

 本記事では、有料プランにアップグレードした際のメリットやコストも意識しつつ、2019年3月時点で提供されている各社クラウドストレージの個人向け無料プランを中心に整理していきます。

容量2GB、台数制限3台の「Dropbox Basicプラン」

 まずは話題のDropboxから。無料のBasicプランで利用できるストレージ容量は2GBです。

 クラウドストレージのファイルを、PC上のローカルフォルダにあるかのように使えるのが2008年のサービス開始時からの特徴です。また、ファイルの変更履歴を30日前までクラウド上に保持してくれるため、もしファイルを不用意に上書きしてしまった場合にも期間内であれば上書き前のファイルを取り出せます。

 また、2016年からの新機能として、共同でドキュメントを編集できる「Dropbox Paper」が利用可能になっています。

 無料プランでの標準ストレージ容量は2GBですが、他人を招待することで1人当たり500MBの容量ボーナスを得られ、最大16GBまで獲得できます。

有料版は1TBで月1200円と2TBで月2400円の2種類

 無料プランではストレージ容量や接続台数が足りない場合、同社は有料プランとして月額1200円(税込、以下同様)の「Plusプラン」と月額2400円の「Professional」プランを用意しています。

Dropboxの有料プラン 有料は1TBから

 Plusプランは無料の2GBから、1TBにジャンプアップします。間の数十〜数百GBのプランがないのが少し不便を感じるところではありますが、同社は2016年から2018年の上場まで赤字を続けており、財政的に客単価を上げていかなければいけない事情もありそうです。その意味では、今回の無料プランの台数制限も有料プランへの誘導策だと読み取れます。

 Plusプランの倍額で2TBのProfessionalプランになります。同プランではファイル変更履歴の保持が120日間まで延長される他、ローカルストレージ容量を節約する「スマートシンク」機能、優先チャットサポート、他人に見せたいファイルをまとめたカスタマイズページを作れる「Showcase」機能など、フリーランスでビジネスするような人を意識したサービス内容となっています。

容量5GB、Windows 10標準搭載の「OneDrive」

 Windows 10搭載PCであれば標準搭載されているクラウドストレージサービスが、米Microsoft製の「OneDrive」。無料プランでは容量5GBまで利用できます。Dropbox同様に招待による増量は可能で、最大10GBまで追加できます。

 ファイル変更履歴も2017年から全ファイル30日間保持に対応。さらに、ファイル単位で選択的にダウンロードしてローカルストレージを節約できる「ファイルオンデマンド」機能に無料でも対応しています。

少し増やせる「50GBプラン」とOffice&1TBな「Office 365 Soloプラン」

 OneDriveでは、無料プランの容量では足りないけれどそこまでたくさんは必要でない、という人向けに「50GBプラン」を月額249円で用意しています。無料プランから変わっているのは保存容量だけで、その他の機能は同様です。

OneDriveの有料プラン Office 365 Soloプランが魅力的

 そして、月額1274円もしくは年額1万2744円で使えるのが「Office 365 Soloプラン」。

 まずOneDriveの容量が1TBに上がる上、WordやExcel、PowerPointなどのオフィススイートを自身のデバイス(Windows、Mac、Android、iOS)に無制限にインストールして利用できるようになります。ただし、同時にOfficeを利用できる台数は5台まで。

 かつては1TBという容量制限がなく、無制限に利用できる時代もありましたが、75TBものデータをアップロードする人がいたなどの理由で容量無制限は2015年に終了しました。

 パッケージ版ではなく最新のOfficeを使いたいという人であれば、Office 365 Soloの契約で1TBのOneDriveも利用できるため、クラウドストレージの悩みは解決しそうです。

容量15GB、Googleアカウントさえあれば利用できる「Google ドライブ」

 無料メールサービスとしては最もメジャーなものの一つが、米Googleの「Gmail」。Androidスマートフォンを使うに当たり、ほとんどの人はGoogleアカウントを作成してGmailを利用できるようにしていると思います。

 Gmailで受信したメールやファイルの他に、Google製のオフィススイート「ドキュメント」や「スプレッドシート」などのファイルを保存しておけるよう、各Googleアカウントには無料で15GBの容量が付与されています。このクラウドストレージ部分の名称が「Google ドライブ」で、メールやドキュメントの他にも、一般的なクラウドストレージ同様に任意のファイルをアップロードや、他人との共有が可能です。

 Google ドライブはどちらかといえばWebブラウザやスマートフォン版アプリからのアクセスを前提としていますが、同社が用意している「バックアップと同期」(Windows/Mac)アプリをインストールすることでDropboxやOneDriveと同様にローカルフォルダ的に使うこともできます。

 また、1600万画素までの写真であれば容量無制限でアップロードできる「Google フォト」を利用できるのも魅力です。

 無料の容量も大きく、画質を問わねば容量無制限のGoogle フォトもあることからGoogle ドライブもクラウドストレージ乗り換え先の有力候補ではありますが、もしメールにファイル添付を多用しているのであれば、添付ファイルが容量を食ってしまうことも留意しておいた方がいいでしょう。

有料版「Google One」は選択肢が多彩 最大30TBも

 有料でストレージをアップグレードする場合、サービス名が変わって「Google One」になります。Google Oneでは最大5人までの家族とプランを共有できるのが大きな特徴です。

 用意されているプランは、100GB(月額250円または年額2500円)、200GB(月額380円または年額3800円)、2TB(月額1300円または年額1万3000円)、10TB(月額1万3000円)、20TB(月額2万6000円)、30TB(月額3万9000円)の計6つ。

 ライトユーザーから超ヘビーユーザーまでカバーできるラインアップです。

Googleの有料プラン
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