iPad miniシリーズとしては「iPad mini 4」以来、実に4年ぶりの新製品となった「iPad mini(第5世代)」。iPhone XSやiPhone XS Maxと同じA12 Bionicチップを搭載しつつ、第1世代Apple Pencilへの対応まで果たすなど、性能だけでなく機能も大幅に強化を果たしたのが特徴だ。
この第5世代iPad miniだが、ボディーサイズは同じであるにもかかわらず、従来のiPad mini 4用の保護ケース類を流用できないという話がネットを中心に流れている。実際のところどうなのか、入手した実機で各部のサイズをチェックしてみたのでレポートする。
本製品のサイズは、iPad mini 4と共通で203.2(幅)×134.8(奥行き)×6.1(厚さ)mmだ。重量に関してはWi-Fiモデルで1.7gほど違いがあるが、これは内部構造の違いによるものとみられる。手に持った時の質感などもそっくりだ。
ちなみに本体カラーのゴールドについては、iPad mini 4以降にiPhoneとiPadとも色味が変更されている関係で、両モデルを並べると本製品はかなり赤みがかって見える。以前のゴールドは好みだったが、今回のゴールドはちょっと……という人(もしくはその逆)もいるのではないだろうか。
これらの事実から考えると、保護ケースはそのまま流用できそうに思えるが、現実的には少々難しい。なぜなら、側面の音量ボタンやカメラの位置がわずかに異なるからだ。
具体的には、音量ボタンがiPad mini 4に比べて約3.3mmほど、端に向かって移動している。また、iPad mini 4では音量ボタンの隣りにあったマイクの穴が、本製品では上面へと移動しており、それによって位置がずれた格好だ。
カメラに関しても、iPad mini 4に比べて上に約2mm、左にも約2.5mmほど位置が移動している。そのため、カメラの穴のサイズにぴったり合うように設計されたiPad mini 4用ケースに本製品をセットすると、カメラの視野の一部が欠けてしまう可能性がある。
こういったことから、従来のiPad mini 4で使っていたケースを本製品に流用した場合、ボディーをはめ込むことはできても、音量ボタンが押されたままの状態になったり、カメラがケラレるなどの問題が起こる可能性が高い。原則として買い直しになると考えておいた方がよいだろう。
ただ、ボタンやカメラの周囲に多少の余裕があるケースならば、これらのズレを吸収できる可能性は十分にある。特にカメラに関しては、従来と同じく背面との段差がない仕様なので、突起が邪魔をしてケースに収まらない恐れはない。加えて、そもそもiPadではカメラ機能は使わないという人にとっては、ふさがれたところで支障はないだろう。
そういった意味では、うまく流用できればもうけものという発想で、新規のケースを買う前に、一度従来のケースを当てはめてみるのは悪くない。アクセサリーメーカーの中には、新製品に適合したケースの発売を急ぐあまり、調整が不十分なまま量産に踏み切ることもあるので、なおさらだ。
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