ポケットに入る高性能なPCしか作らない 「OneMix」シリーズのこだわりを社長に聞くファブレスではない強み(2/2 ページ)

» 2019年05月23日 10時00分 公開
[田中宏昌ITmedia]
前のページへ 1|2       

開発チームと自社工場を持っているのが強み

筆者:そもそも、お二人が出会ったきっかけは?

ジャック社長:大学時代に出会いました。私から声をかけてMP3のビジネスを手がけたのがきっかけです。

ジェイソン副社長:そう、ジャックさんは卒業したけど、私はまだ学生でした(笑)。

ジャック社長:14年ほど前に会社を立ち上げてMP3デバイスの開発からスタートし、ODM生産を行ったり、自社ブランドでMP4関連の製品やタブレットなども生産したりしました。ただ、会社が傾きかけた時代もあり、このままではまずいと考え、みんなでお金を持ち合って今のOne-Netbook Technologyを2017年に設立しました。

OneMix3 One-Netbook Technology以前の歩み
OneMix3 One-Netbook Technology設立後の歩み
OneMix3 One-NetbookのWebページ

筆者:One-Netbook Technologyの強みは何でしょう?

ジャック社長:自社で工場を持っていて、たくさんの開発メンバーがいることです。今の自社工場は開発と生産で200人くらいの人がいます。そこが他のファブレスメーカーとの大きな違いです。開発チームのバックグラウンドも多彩で、有名製品を手がけたデザイナーや経験豊富な人たちがたくさんいます。

筆者:ずばり、ライバルはどこですか?

ジャック社長:やはり意識しているのは(GPD Pocket2などを手がける)GPDですね。当社の本社がある深センでは、ライバルとなる新しい会社が続々とできています。ミニノートPCはさまざまな要素が絡み合ってトレードオフの関係になっていますが、優先しているのは性能です。

ジェイソン副社長:現在、高性能なCore i7のCPUを採用したモデルを製品化しているのは当社だけです(最大4.2GHzで動作するCore i7-8500Yを搭載したOneMix2S Platinum Edition)。熱問題を解決した他、冷却ファンも静音モードを備えており、アクティブにすると動作音が静かになって55度以上になると自動的にファンが回転して温度を調整します。

筆者:今後の方向性を教えてください。

ジャック社長:当社では、ポケットに入ること、ビジネスパーソンが仕事で使えることを前提にミニノートPCを出していきます(実際にOneMix3をズボンの前ポケットに入れながら)。次のモデルとなるOneMix3がおそらく一番大きなサイズの製品となるでしょう。OneMix2Sよりも小型なモデルも検討していますし、いろいろなアイデアがあります。

OneMix3 「日本の職人精神に学んでいて、この道を貫いていきたいと考えています」(ジャック社長)

筆者:ありがとうございました。日本のファンにメッセージをください。

ジャック社長:こんにちは、日本の皆さん。日本は一番大事な海外のファンです。これからも、もっと品質がいい製品を提供していきます。ただ、製品はすぐには作れないので、一歩一歩階段を上るようにがんばっています。皆さんの意見は全部聞いて勉強したいと思っていますから、たくさんの声を聞かせてください。

OneMix3 日本で根強いファンを持つVAIO PシリーズのCMを見たことがあるというジャック社長。試作機のOneMix3と日本でも発売されるOneMix2S さくらピンクエディションを手に。日本に来るのは初めてで「東京はきれいで驚きました」とのこと
前のページへ 1|2       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2024年04月26日 更新
最新トピックスPR

過去記事カレンダー