ポケットに入る高性能なPCしか作らない 「OneMix」シリーズのこだわりを社長に聞くファブレスではない強み(1/2 ページ)

» 2019年05月23日 10時00分 公開
[田中宏昌ITmedia]

 2018年は思わぬ形で超小型PCが話題を集めた。1つがGPDの「GPD Pocket」シリーズで、もう1つがOne-Netbook Technologyの「OneMix」シリーズだ。いずれも中国深センに居を構え、クラウドファンディングやSNSを使って矢継ぎ早にミニノートPCをリリース。ユーザーの声に応える形で、CPUの高速化やメモリの増量、バリエーションモデルの強化といった施策を相次いで展開した。

 One-Netbook Technologyは2019年3月にテックワンと国内代理店契約を結び、日本での“国内正規品”を5月23日から予約販売する。その発表に合わせて来日したOne-Netbook Technologyのジャック(Jack Wang)社長とジェイソン(Jason Zeng)副社長が、PC USERのインタビューに答えてくれた。

OneMix3 超小型PC「OneMix」シリーズを手にするOne-Netbook Technologyのジャック社長(左)とジェイソン副社長(右)

なぜミニノートPCを作ろうと思ったのか

筆者:まずは日本で途絶えて久しかったミニノートPCを届けていただき、ありがとうございます。ぜひお礼が言いたかったんですよ。

ジャック社長:こちらこそ、ありがとうございます。実は小さい頃から日本のPCが好きで、パナソニックのLet's noteやミニPCを出していた(ソニー時代の)VAIOシリーズのファンでした。PCだけでなく、TVなど複数の日本製品を持っています。

筆者:ほほぅ。なぜ7型のミニノートPCを手がけたのですか?

ジャック社長:ミニノートPCは売れると思っていたんです。中国ではビジネスパーソンが仕事や出張先で小型のPCをよく使っているからです。一般的に、スタンダードなノートPCは15.6型とか13.3型とかですが、その大きさでは出張に持っていくのは大変です。そこで、まずはポケットに入るPCを狙って「OneMix」作りました。

OneMix3 さまざまなバリエーションモデルを展開する7型のミニノートPC「OneMix2S」シリーズ。写真はさくらピンクエディション

筆者:なるほど。どの国だと売れそうだと思いましたか?

ジェイソン副社長:日本で売れるのは分かっていました。日本のファンの熱量はすごいですよね。

ジャック社長:最初は中国内のミニノートPCのファンに向けて作りましたが、日本でも売れるとは思っていました。ただ、中国の場合はミニノートPC好きの“オタク”ではなく、ビジネスパーソンが仕事で使っているケースが多いんです。元々、中国は人口が多いのでその10%でもすごい数になります。一方で、サイズの大きいPCを持っている人は、小型のPCを買う可能性が高いとも考えていました。

ジェイソン副社長:OneMixシリーズは中国を筆頭に日本、アメリカ、ロシア、スペインなどで売れています。

OneMix3 ポケットサイズにこだわる

筆者:OneMixシリーズを購入した人からのフィードバックはありましたか?

ジャック社長:多くの声をもらいました。もっとスリムにしてとかバッテリーの駆動時間を長くしてとか、キーボードのサイズも大きくしてほしいとか、キーボードバックライトを付けてほしいとかです。

ジェイソン副社長:中国ではメッセンジャーアプリの「QQ」でファングループを作っていて、そこでさまざまな意見が集まっています。1台買った人は、2台3台と次々に買ってくれます。

ジャック社長:みなさんからいただいた要望を、新モデルの「OneMix 3」に反映しました。OneMix2Sよりもスリムで、8.4型の大画面としながら狭額縁を実現しました。ペン操作も2048段階から4096段階とし、Surface Penもサポートしました。

 なお、OneMix2SとOneMix3はそれぞれターゲットが異なるので併売する方針です。

筆者:OneMix3の試作機を見ましたけど、発売が楽しみですね。キーボードも打ちやすくなっています。往年のVAIO Pシリーズ(8型ワイド液晶)に近い液晶サイズも魅力です。

OneMix3 次期モデルとなる最新作「OneMix3」。ブラックとシルバーの2色が用意されるという
       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2025年03月22日 更新
  1. 屋外で使える防雨仕様のスマートWi-Fiプラグ「MSS620」を試す 完成度は高く、スケジュール設定なども便利 (2025年03月21日)
  2. “普通すぎる”のがむしろいい! 1980円でUSBドングル+Bluetoothデュアル対応の「Xiaomi デュアルモード ワイヤレスマウス 2」を試す (2025年03月21日)
  3. いよいよPCやプリンタに浸透する“AI活用” HPが年次イベントで80種類以上の新製品を一挙に発表 (2025年03月20日)
  4. Windows 11の「セキュリティ更新」に不具合 「Microsoft Copilot」アプリが意図せず削除される恐れ (2025年03月19日)
  5. シリーズ初の「1kg切り」「2in1モデル」登場! 見どころたくさんのThinkPad 2025年モデルが日本上陸 3月18日から順次発売 (2025年03月18日)
  6. 「Windows 11 2024 Update(バージョン24H2)」の既知の不具合まとめ【2025年3月5日現在】 (2025年03月05日)
  7. サンディスクが「WD」「SanDisk」ブランドのフラッシュストレージをセール価格で販売 (2025年03月21日)
  8. Microsoft Excelで「ユニバーサル プリント」を使うと結果を出力できない可能性(暫定対応策あり) (2025年03月19日)
  9. GeForce RTX 5080&5070 Ti搭載グラフィックスカードの通常販売が広がる (2025年03月22日)
  10. 薄型2in1タブレットPCだけどモンハンワイルズも快適! Ryzen AI Max+ 395搭載の「ROG Flow Z13(2025)GZ302」を試す (2025年03月10日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー

2025年