先週から広がっている“懸念”がじわじわと現実のものとなってきた。
DDR4メモリの品薄化が進み、3600以上の高クロックタイプを中心に「売り切れ」の札が目立つようになっている。1人の購入を同一商品4点までとする購入制限に踏み切ったTSUKUMO eX.は「全体的に値上がり傾向にあるのは確かですが、それ以上にモノがなく……。需要が高まっていることもあって制限をかけさせていただきました」と苦しそうに語る。
別のショップは「メーカーレベルで動きが止まっているみたいです。とにかく仕入れることができない。今回は為替うんぬんではなくて、政治の影響というのは明らかです。とにかく動向を見守るしかないですね」と諦め気味にこぼしていた。
その上で、一部のモデルは値上がりが目立っている。“全体的な値上がり”の傾向は確かだが、大半のモデルがじわじわと上がっているというより、1000円以上一気にアップしたモデルがいくつか見られるといった動き方だ。例えば、ゴージャスなLEDを搭載するG.Skill「Trident Z Royal」シリーズのDDR4-3600 8GB×2枚キット「F4-3600C18D-16GTRS」は、先週末の1万6000円前後(税込み、以下同)から2万円前後に上昇しているショップも見られた。およそ25%の上昇だ。
ドスパラ秋葉原本店はこう分析する。「高クロックなものは元々在庫が薄いので、売り切れると仕入れの変動をモロに受けやすいんです。第3世代Ryzenのヒットで急激に需要が増したタイミングでのコレですから、人気急上昇モデルほど派手に数字が動いてしまうということになります」
一方、まだ値上がりも購入制限もかけていないショップも少なからずある。あるショップは「うわさ先行、不安先行で過敏に動いているところもあるのかなと思いますよ。ただ、これまでのような値下がりの材料が一切なくて、値上がりの理由がいろいろ積み重なっているのは確か。トータルで判断すると、『欲しいならお早めに』ということになるんじゃないかと思います」と話していた。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.