レノボ・ジャパンのノートPC「ThinkPad(シンクパッド)」は、用途に合わせてさまざまなシリーズとモデルが用意されている。その注目モデルの1つが、Tシリーズとしては初めてAMD製のAPU(GPUを統合したCPU)を搭載する「ThinkPad T495s」だ。
この記事では、ベンチマークテストを通してその潜在能力をチェックする。
前回に引き続き、今回も直販サイトで購入できるカスタマイズ(CTO)モデル「20QJ-CTO1WW」をレビューする。
……が、ThinkPadのカスタマイズモデルは型番だけでは分からないので、改めて今回レビューするマシンの主なスペックを掲載する。
APUやメモリ容量など、全体的には固定構成の「販売代理店モデル」よりも高性能なカスタマイズが施されている。果たしてベンチマークの結果はどうなるだろうか。
レビュー機の紹介が終わった所で、ベンチマークテストの結果を見ていこう。
まずは、CPUの性能を検証するためにMaxthonの「Cinebench R20」を実行した。
Cinebench R20は先代の「Cinebench R15」と比べ、レンダリングエンジンを近代化。CPUの計算量は約8倍、メモリの利用量が約4倍となり、新しめのPCにおけるCPUの負荷計測に最適なベンチマークアプリとして生まれ変わった。
肝心のテスト結果だが、CPU(マルチコア)が1356ポイント、CPU(シングルコア)が304ポイントとなった。ハイエンドCPUと比べると数値的には劣るが、ビジネス向けのノートPCとしては十分な性能を確保できている。
CinebenchにおけるAMD製CPU/APUは以前、「マルチコア性能は良いけれどシングルコア性能が……」という傾向にあったが、Ryzen 7 PRO 3700Uを含めて「Zenアーキテクチャ」を採用するCPU/APUではシングルコア性能も向上している。
PCの総合的なパフォーマンスを見るために、ULの「PCMark 10」でベンチマークテストを行った。
PCMark 10では、テレビ会議や表計算の入力など、さまざまなアプリケーションが自動的に起動し、テストを実施する。その間、ファンがウィーンと音を立てて勢いよく回ったが、耳障りに感じることはなかった。テストも滞りなく行われ、結果表示までスムーズに進んだ。
結果は、総合スコアが3704ポイント、Essentials(日常利用のテスト)が7097ポイント、Productivity(事務系ソフトウェアのテスト)が5465ポイント、Digital Content Creation(静止画や動画の編集ソフトウェアのテスト)が3556ポイントとなった。
総合スコアを見ると、さすがにハイエンドゲーミングPCには及ばないものの、オフィスで使うことを想定したPCとしては高性能なので、ある程度負荷のかかる処理には耐えられるだろう。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.