ゲームよりもクリエイター向き? 夢が広がる「第3世代 Ryzen Threadripper」の実力(1/5 ページ)

» 2020年02月07日 12時00分 公開
[石川ひさよしITmedia]

 去年(2019年)の話になるが、AMDから第3世代の「Ryzen Threadripper」がリリースされた

 Ryzenといえば、第3世代で「Zen2アーキテクチャ」を導入したことでパフォーマンスが向上。2019年のヒットCPUとなったことは記憶に新しい。そのZen2アーキテクチャが、いよいよエンスージアスト(極限性能を求める用途)向けCPUにも到来したことになる。

 その実力はいかほどのものか。記事執筆時点で発売済みの「Ryzen Threadripper 3960X」(税込み実売価格18万〜20万円)と「Ryzen Threadripper 3970X」(同25万〜28万円)のパワーを、Ryzenプロセッサの最上位に相当する「Ryzen 9 3950X」(同10万〜11万円)と比較しつつチェックしていく。

新パッケージ 第3世代Ryzen Threadripperのパッケージ。ボックスは変更されたものの、相変わらず製品に対して大きすぎる印象。それだけ夢が詰まった箱ということだ

「16コア32スレッド」では満足できないクリエイターのためのCPU

 第3世代Threadripperはいったいどのような用途に向けた製品なのか。筆者が参加した説明会での話を聞く限りは、以前のようなゲーミングエンスージアスト向けではなく、基本的にワークステーション向けのCPUとして訴求したいという意思が見え隠れする。

 確かに、Socket AM4を用いるデスクトップ向けRyzenプロセッサが、Ryzen 9 3950Xで16コア32スレッドに“到達”してしまい、ゲームに実況配信に……といった、多コア多スレッドを要求するような用途に対応できるようになっている。

 コア数が増えると、消費電力や発熱の都合から動作クロック(周波数)は控え目になる傾向にある。ゲームではクロックが重要になることが多いことを考えると、「ちょうどいいコア数で、できるだけ高クロック」となれば、第3世代Threadripperよりも第3世代Ryzenの方がゲーミング用途には“適任”ともいえる。

 一方で、動画のソフトウェアエンコードや音楽制作といったCPU負荷の高い作業も行うとなると、コアがもっと必要になる。まあ、ここまでやるとゲーマーの枠を超えて「クリエイター」になるのだろうけれども……。

 ともかく、第3世代Threadripperはゲーマーの枠を超えてクリエイターと呼べるようなユーザー向けのCPUということになるだろう。

Ryzen 9 3950X 第3世代Ryzenは、Ryzen 9 3950Xで16コア32スレッドを実現。コア数と動作クロックのバランスを取ると、第3世代Threadripperよりもゲーミング向きともいえる

ソケットが「sTRX4」に変わった第3世代Theradripper

 さて、第3世代Threadripperのラインアップだが、記事掲載時点では先述の通り3960Xと3970Xがリリース済みで、2月7日に発売される最上位の「Ryzen Threadripper 3990X」と合わせて3製品となる。

 コアとスレッドの数は、3960Xが24コア48スレッド、3970Xが32コア64スレッド、そして3990Xが64コア128スレッドとなる。3970Xと3990Xの間に「3980X」があってもおかしくないが、仮に出るとしたら48コア96スレッドあたりになるだろう。

 CPUの構造としては、複数のCCX(Core Complex:CPUコアとCPUキャッシュを統合したモジュール)を、外部との入出力を担う「I/Oダイ」で結ぶようになっている。このこと自体は、Zen2アーキテクチャのCPUで共通だが、I/Oダイの部分が第3世代Ryzenと異なる構造を取っているようだ。

第3世代Ryzen Threadripperの構造 第3世代Ryzen Threadripperの内部構造の概略図。基本的な考え方は第3世代Ryzen(Zen2アーキテクチャ)と同じ

 また、第3世代Threadripperとでは、チップセットが「AMD TRX40」に、CPUソケットが「Socket sTRX4」に変更されている。つまり、AMD X399チップセットを用いている従来のThredripper用マザーボードは流用できない

 従来世代のThreadripperから乗り換える場合は、プラットフォームの総入れ換えが必要だ。この点、コストの高い移行になる。

主なスペック AMDの現行ハイエンドCPUの主な仕様
ソケットの注意書き CPUパッケージの裏には「Socket sTRX4」を使っていることが明記されている
       1|2|3|4|5 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年02月22日 更新
  1. 16GB版と8GB版のすみ分けが進むRTX 5060 Ti――HDD「完売」報道の影響は? 今週末のアキバパーツ事情 (2026年02月21日)
  2. モニター台とドッキングステーションが合体した「Anker USB-C ハブ 10-in-1 Monitor Stand」が28%オフの1万7990円で販売中 (2026年02月20日)
  3. マウスの概念が変わる! ロジクールG「PRO X2 SUPERSTRIKE」が切り開く“身体感覚”と直結する新たなクリック体験 (2026年02月18日)
  4. 上下2画面で作業効率を大幅に高める「InnoView デュアル モバイルモニター」が36%オフの2万8212円に (2026年02月20日)
  5. ルンバが日本のために本気を出した! 「Roomba Mini」が示す“小が大を兼ねる”新基準とは (2026年02月21日)
  6. 内蔵タッチパッドが変形する「EWiN 折りたたみワイヤレスキーボード」が24%オフの5319円で販売中 (2026年02月20日)
  7. 「UGREEN ワイヤレスHDMI送受信機」が25%オフの8999円に (2026年02月19日)
  8. 微細な造形を圧倒的な解像度で実現する3Dプリンタ「ELEGOO Saturn 4 Ultra 16K」が20%オフの7万2798円に (2026年02月20日)
  9. 音楽生成モデル「Lyria 3」をGeminiアプリに統合 日本語の歌詞にも対応/「ChatGPT」に新たなセキュリティ機能「Lockdown Mode」を導入 (2026年02月22日)
  10. 「UGREEN Revodok USB-C ハブ 6in1」が2000円で買える (2026年02月17日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー

2026年