最後に、消費電力もチェックする。GeForce RTX 2080 Tiを組み合わせた環境であることも大きいが、アイドル時、高負荷時共に第3世代Threadripperの消費電力は大きい。
“究極”を目指して、GeForce RTX 2080 Tiを組み合わせようと考える人も多いだろう。その場合、後半3つのベンチマークが示すように、600W近くの消費電力を想定して電源を選ぶべきだ。安定性や寿命を考えると、ミニマムな構成でも1000〜1200W級を検討すると良いかもしれない。
コア数が増えるということは、同時実行できることが増えるということだ。マルチタスクを考えていないのならば、Socket AM4のRyzenの方が明らかにコストパフォーマンスは良好だ。
ベンチマークテストの結果からも分かる通り、第3世代Threadripperを使えばDirectX 12ベースのゲームでフレームレートは向上するものの、環境構築にかかる費用は度外視できない。CPU自体もちろん、マザーボードも比較的高価で、メモリもクアッドチャネルで4本セットでそろえなければならない。
フレームレートを数fps改善するためにコストを払うのは、なかなか難しい。それが目的であれば、グラフィックスカードを買い換えた方が安上がりなことも考えられる。
ただ、第3世代Threadripperによって、PCのできること、有り体にいえば“可能性”が広がることは間違いない。ゲーム配信や実況、映像制作などのワークステーション寄りの用途をするなら、今はクリエイターではない人であっても積極的に選ぶ理由になる。
ギリギリ、コンシューマーが入手できる(かもしれない)夢のCPUであり、それをライバルに先駆けて投入できたことは、大きな価値のあることだ。
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