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» 2020年02月20日 19時40分 公開

LinksysがWi-Fi 6対応メッシュルーター「Velop AX MX5300」を3月6日に発売 その特徴は?

ベルキンが、LinksysブランドのWi-Fi 6(IEEE 802.11ax)対応メッシュルーターを発売する。独自の技術によって、より多くの帯域をデバイス接続に利用できることが特徴だ。

[井上晃,ITmedia]

 ベルキン(Belkin)は3月6日、ネットワーク機器ブランド「Linksys(リンクシス)」からメッシュWi-Fiルーター「Velop(ヴェロップ) AX MX5300」を発売する。1月の「CES 2020」で展示された製品であり、Velopシリーズとしては初めてWi-Fi 6(IEEE 802.11ax)通信に対応する。想定販売価格は5万980円(税別)で、全国の家電量販店やオンラインストアなどで販売される予定だ。

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Velop AX MX5300 Velop AX MX5300

製品の特徴

 Velop AX MX5300は、2.4GHz帯と5GHz帯の電波に加えて、さらにもう1つ5GHz帯を使用できるトライバンドWi-Fiルーターだ。

 最大通信速度は、2.4GHz帯が1147Mbps、1本目の5GHz帯が1733Mbps、2本目の5GHz帯が2402Mbps(いずれも理論値)となる。具体的な通信規格としては、Wi-Fi 6の他、Wi-Fi 5(IEEE 802.11ac)、Wi-Fi 4(IEEE 802.11n)やIEEE 802.11gに対応している。

実機 アンテナ類は本体の上部に内蔵。胴部には排熱用のヒートシンクを備える。サイズは約11.4(幅)×11.4(奥行き)×24.4(高さ)cmで、重量は約1.59kgだ。製品保証は3年間となっている。

 単一のノードでカバーできるエリアは、190平方メートルほど。同社の「Intelligent Mesh技術」に対応しており、既存のVelopシリーズとの互換性を維持しつつ、柔軟性のあるネットワーク構築が可能だ。接続デバイスは最大250台管理可能で、MU-MIMO技術を活用して同時に8台のデバイスで高速通信が行える。チャンネルの帯域を分割して送受信する「OFDMA変調」にも対応することで、複数のデバイスが同時通信した際の安定性を向上している。

 記者説明会では、Wi-Fi 6に対応する「iPhone 11」を10台使ったデモンストレーションが行われた。Wi-Fi 6で接続した場合、PING(応答時間)の値が約30ミリ秒以内に収まっており、「オンラインゲームを楽しみたい人にとっても、快適な環境が実現されている」(担当者)。

デモンストレーション iPhone 11を用いたデモ展示。上の列にある個体はがWi-Fi 5、下の列にある個体はWi-Fi 6で接続している。画面の赤線が入ったポイントは、電波が途切れていることを意味するが、Wi-Fi 6では全く途切れていないことが分かる

 5G時代の大容量コンテンツを見据え、プロセッサはQualcomm製の4コアプロセッサ(2.4GHz)を搭載。メインメモリは1GBで、フラッシュメモリは512MBを備える。TVやPCとの接続、オンラインゲームでの利用を想定して、ギガビットEthernet(有線LAN)ポートを4基備えている。WAN(インターネット回線)側のLANポートもギガビットEthernetに対応している。その他、USB 3.0ポートも1基備えている。

「ダイナミックバックホール」のサポートに注目

 2月20日に都内で実施された報道関係者向けの説明会では、ベルキンの石井靖人ナショナルセールスマネージャーが登壇し、Velop AX MX5300の特徴をアピールした。

石井氏 ベルキンの石井靖人ナショナルセールスマネージャー

 説明会の冒頭では、Linksysの取り組みについて紹介された。同ブランドではハードウェアにとどまらず、ソフトウェア技術にも注力しているという。例えば、セキュリティを配慮した機能として2018年には「Linksys Sheild」、2019年には「Linksys Aware」などをリリースしている。

Linksysのこれまでの歩み Linksysのこれまでの歩み

 今後のWi-Fiルーターの市場動向について、石井氏は「(従来は速度が重要だったが)Wi-Fi 5以降は様相が変わって、家庭でもWi-Fiにつながるデバイスが増えてきた。安定した接続をどうやって確保するかが、Wi-Fi 6では最大のポイントになるだろう」と語る。

 また石井氏は、Wi-Fi 6の最大メリットを「デバイスで大容量のデータを取り扱っても、全ての端末で安定した通信を確保できること」とし、「VRやオンラインゲームを家庭内で使用するお客さまや、B2Bの世界でこそWi-Fi 6対応ルーターが活用されるだろう」との考えを述べた。

 その上で、Velop AX MX5300には「4×4×4 ダイナミックバックホール」というユニークな機能があると説明する。

 一般的な3バンドWi-Fiルーターの通信では、1つの帯域がバックホール(中継回線)として使われてしまうため、実質的にデバイス接続に利用できるのは2つの帯域に限られてしまう。しかし、4×4×4 ダイナミックバックホールによって、Velop MX5300では3帯域共にデバイスの接続に利用できるという。

 石井氏はこれについて「本来の意味でのトライバンドを実現できる」と表現した。

ダイナミックバックホール 4×4×4 ダイナミックバックホールの仕組み

 説明会の後半には、APeAシニアプロダクトマネージメントマネージャーのデビット・シャオ(David Shao)氏と、Linksysセールス&マーケティングマネージャーの八島史典氏が登壇し、一軒家(シャオ氏の自宅)でVelop MX5300とWi-Fi 6対応のiPhone 11を組み合わせた場合で、部屋ごとの通信環境について調べた結果を説明した。

 シャオ氏によると、他社製品と比べてアンテナを調整しなくても広い範囲に電波が届く傾向が見られたという。

 なお、Velop MX5300の設定は、スマートフォンなどから「Linksys」アプリを用いて行える。石井氏は「3台の初期設定を20分でできた」と、その手軽さにも胸を張っていた。

一軒家でのテスト結果 シャオ氏の自宅で実施されたテスト。ルーターはTV台の下に収納したという

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