本体は、さまざまなスタイルに変形可能なRUGGED FOLIOとは異なり、実質的にキーボードを手前に出した「タイピングモード」のみの利用となる。製品ページには、画面をキーボード上に重ねて使う「スケッチモード」なども紹介されているが、角度がついているわけでもなく、利用スタイルの1つとしてカウントしてよいかは微妙だ。
閉じた状態から本体を持ち上げるようにして開き、画面をキーボードに近づけると、磁力でキーボード上部にある段差部分に吸着し、そのタイミングでキーボードが有効になる。初回の利用時のみ、Bluetoothのペアリングを行う必要があり、本製品から6桁のコードを入力する必要があるが、それ以降は開くとすぐに利用できる。
接続はBluetoothゆえ、スリープ状態からの復帰にはSmart Connectorに比べてワンテンポ余計に時間がかかるが、実際には、画面を起こして磁力で吸着させ、タイピングの体勢を整えるまでに準備は完了しているので、それほどハンディを感じることはない。
画面の角度は1段階のみで、RUGGED FOLIOのようにキックスタンドの角度を調節して画面の角度を変更することはできない。もっとも、磁力でがっちり吸着するため形状が容易に崩れることはなく、例えば膝の上など不安定な場所で使う場合は、本製品の方が作業に集中しやすい利点はある。
キーボード面を閉じると本体カバー側に磁力でピタッと貼り付く構造になっており、RUGGED FOLIOのように、フリップで止める必要はない。そのため頻繁に開けたり閉じたりする使い方であれば、本製品の方が機動力は上だ。磁力もそこそこ強く、バッグの中で不意に開いてしまうこともなさそうだ。
ちなみにApple Pencilを固定するためのホルダーも用意されているが、本体のケースに直接接着されており、未使用時も飛び出たままになる。使わない時はマグネットで背面に貼り付けられたRUGGED FOLIOに比べると、わずらわしく感じることも多い。
続いて、キーボードについて見ていこう。キーボードは、1つ1つのキーが独立したシザー構造のキーになっており、一般的なノートPCのキータッチにより近い、しっかりとしたストローク感がある。ただし1枚のシートで覆われたRUGGED FOLIOとは異なり、入力時の音がかなりカシャカシャと耳障りなのはマイナスだ。防水防じんの機能もない。
キー配列は、RUGGED FOLIOと同じくUS配列であるため、日本語JIS配列に慣れていると、Returnキーや「0」キーを中心にタイプミスが多発する。これに関しては慣れるしかないだろう。ちなみにキーの並び自体はRUGGED FOLIOと同じだが、最上段のiOSショートカットキーは、キーの種類に一部違いが見られる。
気になるのはキーピッチだ。同じiPad一体型のキーボード、かつキー配置が同じということで、RUGGED FOLIOと同じキーピッチかと思いきや、実は本製品の方がやや狭い。それは本体の横幅が、RUGGED FOLIOより10mmほど狭いためだ。横に10mm狭いということは、キー1つにつきざっと1mm狭い計算になり、体感的にはかなり窮屈だ。
本製品の気になるところ、魅力的なところをまとめよう。
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