ツボを押さえた31.5型液晶ディスプレイ「ProLite XB3270QS-2」で快適環境を実現(2/3 ページ)

» 2020年03月04日 12時00分 公開
[石川ひさよしITmedia]

IPS方式パネル採用で今どきのハードウェアスペック

 本製品のパネルはIPS方式だ。視野角は左右各89度、上下各89度と広い。そしてIPS方式のもう1つのメリットとして色再現性も優れている。安価なモデルではVA方式も多い。VA方式は、例えばコントラスト比、引き締まった黒といった表現には適している。一方、輝度変化や視野角などはIPSに届かない。写真や映像を扱う多くの方がIPS方式を選ぶ傾向にあるのはこのためだ。

ProLite XB3270QS-2 IPS方式のパネルを採用しており、視野角は左右/上下とも178度と広く、チラつきもなく色再現性もよい

 今どきのディスプレイなので、31.5型と大画面でも狭額縁ベゼルを採用しており、パネル表示領域外の部分が小さく、インチ数からイメージするよりはコンパクトだ。10年前の31.5型とならば75cm幅のラックをはみ出すほど大きかったが、本製品の幅は72.6cmとなっている。

 また、厚みはここ数年でスリム化が進んだところでもある。本製品はドライバーや映像入力端子、スタンド接続部を備える部分こそそれなりの厚み(約4.7cm)だが、ベゼルの幅は上辺が約0.7cm、左右が約1.2cm程度しかない。

ProLite XB3270QS-2 狭額縁ベゼルを採用し、画面サイズのわりにはコンパクトに感じられる

 映像入力端子は、背面から見て左側にある。DisplayPort、HDMI、DVI-Dの3系統(3種それぞれの映像用ケーブルが付属する)が用意されており、オーディオ入力やヘッドフォン出力を備えている。電源入力は反対の右側に独立した状態である。電源回路は本体内蔵なので、PCで一般的な3極の電源ケーブルをここに接続する。

ProLite XB3270QS-2 インタフェースはDVI-D、HDMI、DisplayPortと、ヘッドフォン出力、音声入力を用意。反対側に電源入力がある

 スタンドは、新デザインの多機能タイプが採用されている。チルト角は−3〜+22度(合計25度)、スイーベルは90度(左右各45度)、昇降は10cmに対応する。なお、梱包時はピボット状態だが、本製品はピボットに対応しているわけではなかった。大画面で幅がそれなりにあるため、ピボットに対応させるには大型スタンドを用意しなければならないなど難しい。どうしてもという場合は、100×100mmのVESA規格に対応しているので、そうしたスタンドやディスプレイアームを別途用意すれば可能になる。

ProLite XB3270QS-2ProLite XB3270QS-2 昇降は10cmの範囲で調整できる。ボディー全体の高さは約453〜533mmだ
ProLite XB3270QS-2ProLite XB3270QS-2 スイーベルは左右各45度となる
ProLite XB3270QS-2ProLite XB3270QS-2 チルト各は−3〜+22度となっている
ProLite XB3270QS-2 100×100mmのVESA規格に対応したマウントホールも用意されている

 スタンドの中央にはケーブルホールもあり、複数本繋いだケーブルをまとめ、配線をスッキリとさせることもできる。

 スタンドのベース部分は約30(幅)×23(奥行き)cmだ。比較的コンパクトにまとまっているが、ディスプレイ本体が昔のモデルほど重くない(約5.9kg、スタンド込みで約8.6kg)ため、このサイズで十分な安定性が感じられる。

 操作ボタンは他の一般的なディスプレイと同様、ベゼルの右下部分にまとめられている。手触りだけでは判別しにくいタッチセンサーではなく、物理ボタンを採用しているところは好感が持てる。また、入力選択、エコモード切り替え、音声ボリューム調整、MENU、電源という必要最低限の5つのボタンで構成されていて、比較的分かりやすいのも特徴だ。

ProLite XB3270QS-2 操作ボタンは画面下部に5つある。電源だけ少し離して押し間違いを減らしている

安価に抑えつつも多機能。フリッカーフリーやブルーライトも軽減

 ここからは機能面を見ていこう。

 表計算にせよ映像制作にせよ、長時間ディスプレイを見つめることになる。そこで必須の機能がフリッカーフリーだ。疲労の原因に挙げられる画面のチラツキを抑えてくれる。

 他にも、ブルーライト軽減のための「Blue Light Reducer」機能は3パターンが用意されており、好みやシーンに合わせて選ぶことができる。例えば文書作成や帳票作成など、色味があまり関係のない作業であれば、疲労を抑えることにつながることもあるので、活用してみるのもよい。

ProLite XB3270QS-2 ブルーライト軽減は3つのパターンから選べる

 そして、コントラスト比を高めるのが「ACR」(Advanced Contrast Rati)だ。標準でのコントラスト比は1200:1だが、ACR機能をオンにすると8000万:1に引き上げられる。

 カラーという点では、「i-Style Color」としてさまざまなプリセットも用意されている。標準の他、テキスト、映画、ゲーム、風景と、使用シーンに合わせて選ぶことが可能だ。

 省電力機能「エコモード」も搭載済みで、主に業務用途で利用することになると思われるが、標準で年間消費電力が53.5kWhのところ、もっとも省電力なエコモード3では48.4kWhまで削減することができるという。

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