基本的にはデスクトップPC向けではあるが、昨今は働き方改革の影響でノートPCを利用する人が増えている。筆者も、原稿執筆や写真補正をメインの14型ノートPCで行っており、今やほとんどのPCがHDMIやUSB Type-Cなど、映像出力端子を備えている。ここにケーブルを、その先に本製品を接続すれば、デスクトップPCライクな使い方が可能となる。あるいは、一般的なノートPCはフルHDパネルであることが多いので、画面の複製ではなく拡張を選ぶことでWQHD解像度をフルに利用できるようになる。
PCに本製品をつなげば、WQHDという点で情報量が、そして画素ピッチに関して言及した通り1ピクセルが大きく見えるため、写真を表示させた際に細部を確認する作業が格段に快適になった。特に14型ノートPCでは、細部を確認するたびに拡大を繰り返す必要があるが、大画面で高精細な本製品なら、その回数を少し抑えることができる。
静止画だけでなく、映像編集ではタイムラインが適度な大きさを保ちつつ24型フルHDディスプレイよりも長い時間をスライドなしに表示でき、複数のクリップを編集する際に数が増えてもプレビュー画面が小さくなりすぎない、といった点で作業がしやすかった。
表計算ソフトでは、大規模なデータ入力でない限りあまり関係がないと思われるが、そのデータから何かの答えを導き出す際には情報量、一覧性がモノをいう。ベンチマークテストの結果データを入力し、グラフ化などの作業をした後、それぞれのデータを比較するような場合、1つのグラフだけ見ればよいというものではなく、CPUならCPU、3Dなら3Dに関係するいくつかのデータを参照するが、その際にスクロールしなくてもいくつかのグラフを表示させておけるというのは非常に効率がよい。
そして、こういった色味が関係ない作業であれば、ブルーライト軽減機能も有効であるように感じた。実際に網膜に影響があるかないかは意見が分かれるところだが、疲労が少ないようには感じられる。
本製品はカラーマネジメントディスプレイではないので、色味に関する本格的な言及は避ける。ただし、プロではない人にとって、十分に納得できる発色といえるだろう。
ProLite XB3270QS-2には、24型フルHDと同じ画素ピッチを実現し、これまでの感覚そのままに高解像度の画面を手に入れられる液晶ディスプレイだ。筆者の用途に合わせて写真や映像の編集といったシナリオで検証したが、少し触れている通りクリエイティブ向けというよりは、アマチュア・クリエイティブユーザー向き、そしてクリエイティブ用途以外にも、ビジネス、一般の広範囲で、フルHDよりも1つ上の快適なディスプレイ環境を構築できるだろう。
これまで紹介してきたように必須機能を満たしつつ、IPS方式のパネルを採用し、3系統入力、使いやすくなったスタンド、作業効率やエンターテインメント性を高める機能も万全だ。接続ケーブルの標準添付、さらにはパネルやバックライトを含めた3年間の保証付きという点を総合して、コスパのよい選択肢といえるだろう。
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