新製品の的外れな口コミにメーカーはWeb直販で対抗する牧ノブユキの「ワークアラウンド」(1/2 ページ)

» 2020年04月02日 15時00分 公開
[牧ノブユキITmedia]
work around

 周辺機器を売るメーカーにとって近年の最大の悩みは、ネットの口コミだといっても過言ではない。どんなに優れた製品でも、ひとたびネットで悪評が広まると、真偽が十分に検証されることなく製品の評価として定着し、製品寿命を絶たれてしまいかねない。

 もちろん、それらが事実に基づく評価であれば、諦めもつく。そもそもメーカー自身、製品の欠点に口をつぐんで売ってきた前科は幾らでもあるわけで、それが早いタイミングで可視化されるようになっただけならば、いうなれば自業自得である。

 また、故意に評判をおとしめようとする口コミも同様だ。これらの多くは個々の製品に対するものではなく、メーカーに対するアンチ的な行為だからだ。法的に対処すべき案件にはきちんと対応するとして、製品担当者が製品作りの段階で努力して回避できるものではない分、違った意味で諦めがつく。

 むしろ厄介なのは、十分な知識を持たないユーザーによる、的外れな口コミだ。「できると思っていた操作ができなかった」「機能そのものが搭載されていなかった」など、メーカー側からすると「え? できるなんて一言も記載してないんですけど?」と、びっくりするような理由によって、低い評価が付けられてしまう。災難以外の何物でもない。

 実はこれらは、至極簡単な方法によって回避できる。ズバリ、そうした勘違いをやらかしがちなユーザーにおかしな口コミを投稿させなければいいのだ。そしてそのために用いられるのが、前回も紹介した、メーカーによるネット直販ということになる。

 今回は、前回とは若干視点を変え、口コミをコントロールするための機能としてのメーカーのネット直販という手法と、これに付随する幾つかの手法をみていく。

販路をメーカー直販「だけ」にする利点

 メーカーによるネット直販が、口コミのコントロールに効果的な理由は幾つもある。例えば、そのメーカーに対してアンチな立場を取るユーザーを排除できることもその一つだ。たとえアンチであっても、わざわざメーカーサイトに個人情報を登録してまで難癖をつけようというユーザーはまれだからだ。

 また、会員登録という手間をかけてまでメーカー直販サイトで製品を購入しようとするユーザーは、既にその段階で製品に関する前知識を備えていることが多いので、そうしたユーザーが率先して製品を手に取り、その魅力をあちこちで布教してくれるのは、メーカーにとって願ったりかなったりだ。欠点の指摘であっても、そうしたユーザーを通せば、表現はより穏やかになることが期待される。

 とはいえこれだけでは、知識不足や早とちりなユーザーが、レビュー機能を持った外部のECサイト、例えばAmazon.co.jpなどでトンデモな評価を書き連ね、それが星幾つというスコアに変換されて、製品の評価として定着することを回避できない。それでは意味がない。

 こうした場合に有効なのが、販路をメーカー直販「だけ」にしてしまう方法だ。こうすれば、外部のECサイトで低評価のレビューを書こうにも、そのECサイト上に該当製品のページが存在しないため、書きようがなくなる。

 もちろん別の場所、具体的にはSNSなどで暴発する可能性はなくはないが、それならばメーカーのSNSアカウントを介して直接コンタクトを取り、手取り足取りしつつ勘違いを正すこともできる。結果として、知識不足や勘違いでつけられた低評価が、誰にも訂正されずに製品そのものの評価として定着するという、製品担当者にとっての最悪の事態は回避できる。

 またこれ以外に、メーカー直販サイト上に、レビュー機能を用意しておく方法もある。自社サイトに投稿された口コミであれば、公開の権限はメーカー側にあるので、内容によっては非公開にすることもできる。露骨にやりすぎると反感を買いかねないが、手厚いサポートの一環として(いい方を変えるとガス抜きとして)極めて有効だ。

       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年07月09日 更新
  1. カセットテープをデータ化できるレトロな多機能ラジカセ「サンワダイレクト 400-MEDI050R」がセールで1万800円に (2026年07月07日)
  2. FCCL初のArmノートPC「FMV UQ-L1」のバッテリー持ちは本物か? 3カ月使って分かった実力 (2026年07月08日)
  3. OCuLink/USB4に両対応の万能ミニPC「ACEMAGIC F5A」を試す Ryzen AI 9 HX 470搭載で圧倒的コスパ (2026年07月07日)
  4. 実売2万円を切るリーズナブルな15.6型モバイルディスプレイ「ProLite P1671HSC-B1J」実機レビュー 試して分かったメリットと注意点 (2026年07月08日)
  5. GPD初のミニデスクトップPC「GPD BOX」&超小型外付けGPU「GPD G2」登場! 電源内蔵で手のひらサイズを実現 (2026年07月08日)
  6. クリスタが毎月30時間無料!? Google Pixelで液タブが動く「デスクトップモード」でお絵かきに挑戦 (2026年07月09日)
  7. エレコム、10GbE接続に対応したファンレス設計の5ポート/8ポート搭載スイッチングLANハブ (2026年07月07日)
  8. あえてのカメラ非搭載による安心感、日常に溶け込む超軽量スマートグラス「Even G2」を試す サードパーティーアプリの環境も魅力 (2026年07月09日)
  9. サムスンのSwitch 2対応microSDやPS5向け高速SSDが特価に Amazonプライムデー先行セール (2026年07月08日)
  10. 約79万円の「RTX 5090」即完売の裏で精密工具の意外な需要も アキバで進む二極化の最新事情 (2026年07月06日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー