スピーカーの搭載数はどちらも2基で、音質自体は五分五分だが、iPadはその2基のスピーカーがいずれもボディーの短辺側にあり、ステレオ再生には向かない。Fireのスピーカーは長辺側の左右に分かれて配置されているため、本体を横向きにすると左右からステレオで音が聞こえる。動画視聴時には画面を横にすることを考えると、Fireの方が実用性は高い。ちなみにイヤフォンジャックはどちらも標準で装備しており、有線イヤフォン派も安心だ。
音声アシスタントはiPadが「Siri」、Fireは「Alexa」を搭載している。どちらも音声アシスタントとしては互角の性能で、両端末ともハンズフリーでの利用に対応しているが、Fireは離れたところからでも画面が見やすい「Showモード」に切り替えられるなど、画面付きスマートスピーカーとしての運用が行える。機能面ではFireに分があると見ていいだろう。
タッチ操作のレスポンスは、iPadの方が圧倒的に「ヌルヌルサクサク」で、ほとんどのアプリが待たされることなくスムーズに動作する。Fireも、Amazonプライム・ビデオやKindleといったAmazonのコンテンツを鑑賞するには差し支えないが、アプリを使っていて画面の切り替わりを待たされることはしばしばある。フリーズするなどの致命的な問題はないとはいえ、iPadのような快適な操作性は期待しない方が、がっかりせずに済むだろう。
以上、今回の10番勝負では第7世代iPadが勝利したが、コストパフォーマンスという点では、やはりFire HD 10が群を抜いている。いざとなれば画面付きスマートスピーカーとしても利用可能な点を含めて、つぶしが利くのは間違いのないところだ。
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