5.5型のディスプレイを搭載したAmazonのスマートスピーカー「Echo Show 5」が登場したことで、ディスプレイ搭載のAmazon Echoファミリーはこれで3製品(Echo Show、Echo Show 5、Echo Spot)となった。
ここに同社のタブレット「Fire」シリーズのうち、Alexaが使える2製品をプラスすると、実に5つものAlexa搭載デバイスが、画面での情報表示に対応したことになる。つまり「Alexaが利用可能」かつ「画面あり」という条件に絞り、かつサードパーティーの製品を除外しても、現時点で5つもの選択肢があるというわけだ。
今回は、新製品であるEcho Show 5を中心に、それぞれの画面付きモデルとどのような違いがあるのか、どのようなライフスタイルに向くのかを考察した。
【Amazon Echoファミリーの特集記事】
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・Echo Show 5とライバル達を比較――どれを選ぶ? ※本記事
Echo Show 5に最も近い製品にあたるのは、10.1型の画面を持つ「Echo Show」だ。しかし単純に画面サイズが違うだけと考えていると、操作性や機能は思いのほか違っていて驚かされる。
最大の違いは、Echo Show 5は全画面に時計を表示するインタフェースを備えていることだ。画面サイズが5.5型とコンパクトで場所を取らないことと合わせて、枕元に目覚まし時計ライクに設置するのにはぴったりだ。画面を軽くたたくことでアラームをスヌーズできる機能も目覚まし時計風で面白い。
一方、スピーカーの出力などは、パッシブラジエーターを内蔵するEcho Showに明らかに分があり、音楽や動画を楽しむのであれば(画面サイズの違いも含め)Echo Showを選ぶべきだろう。
ちなみにEcho Show 5とEcho Showは、アスペクト比自体が異なることに注意したい。Echo Show 5は960×480ピクセルなので比率は「2:1」、Echo Showは1280×800ピクセルなので比率は「8:5」と、Echo Show 5の方が横長だ。そのためPrimeビデオで映画などを表示すると、Echo Showは上下に黒帯ができるのに対して、Echo Show 5は左右に黒帯ができる。
Echo Show 5の登場に合わせて、Webの一覧ページから姿を消した円形ディスプレイ搭載モデル「Echo Spot」は、長らく人気製品だっただけに、利用者にとっては、Echo Show 5に買い換える必要があるかどうかは気になるところだ。結論から言ってしまうと、製品としての完成度、使い勝手など、あらゆる点でEcho Show 5の方が上で、買い換える価値は非常に高い。
最大の理由は、何といってもディスプレイの実用性だ。円形のディスプレイは、見た目のユニークさはあるものの、不自然に画面の四隅が切り取られることから、実用性は決して高くなかった。丸い形状であることをうまく生かしたスキルというのは、探せばあるのかもしれないが、筆者はお目にかかったことがない。あってもごく少数だろう。
その点、Echo Show 5は、アスペクト比2:1、5.5型のディスプレイを備えており、Echo Spotと比較すると、およそ2倍以上の情報を表示できる。またボディーも、ちょっと力を入れてタッチすると後ずさりしかねなかったEcho Spotに比べると安定感は高い。ちなみに高さもほぼ同等であるため、幅さえ確保できれば置き場所に困ることもない。
それゆえ、サブの端末として残したり、カメラの映像を表示するためのインタフェースとして残したりするのであればともかく、メインの端末として使うならばEcho Show 5への入れ替えを考えるべきで、ましてや新規に購入するならば、Echo Show 5一択ということになるだろう。
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