Amazonのタブレット「Fire」シリーズの一部機種には、音声アシスタントAlexaが搭載されており、Echo Showなどの画面付きスマートスピーカーと同じような使い方ができる。
中でもこの「Fire HD 10」は、Showモードと呼ばれる、Echo Showとそっくりの画面表示が可能なモードを搭載しており、スタンドに立て掛けて設置することで、通常のタブレットとしての表示モードとは異なる、Echoのような外観で使うことができる。
とはいえ、ハードウェアとしてはタブレットそのものなので、マイクの聞き取り性能はいまいちで、Echoを相手にするのと同じ声量で呼びかけると、反応しないこともしばしばだ。機能面でも、画面を右から左へスワイプしてのショートカットに対応しない他、ウェイクワードの選択肢が少ないなど、見劣りするポイントは多い。
一方、バッテリーでの駆動が可能なため、例えば就寝時のみリビングから寝室に移動させて使うといった用途に対応できるのは、Echo Show 5にはない、元がタブレットであるがゆえの特徴だ。Echo Show 5かFire HD 10かの二択ではなく、両者を併用するのであれば、うまく補完できる可能性もありそうだ。
Fireシリーズのエントリーモデルである「Fire 7」はAlexaを搭載しており、スタンドに立てることで画面付きのスマートスピーカーとして利用できる。画面サイズが7型とコンパクトなため、今回紹介している中では、正面からのルックスはもっともEcho Show 5に近い。
このFire 7は、Fire HD 10と違ってShowモードに対応せず、あくまでもタブレットとしての利用中にAlexaが応答するだけなので、フォントが小さいなど表示される情報は遠方からでは視認しにくい他、ニュースや天気などの情報を常時表示することはできない。
またFire HD 10と同様、マイクの性能は決して高くないため、Echoであれば反応するであろう声量で呼びかけても反応せず、ストレスを感じることもしばしばだ。機能に関しても、Fire HD 10と同様に劣っている部分は多く、同じAlexaデバイスとはいえ、比較対象として見るには、機能・性能ともに差がありすぎる印象だ。
ただし、バッテリー駆動が可能であることに加えて、前述のFire HD 10の約500gに比べると約286gと軽量で可搬性が高いのは、他のデバイスにはない特徴だ。それゆえ、メインで使用するAlexaデバイスを補完する目的で、別の部屋に移動させての利用や、出張先に持参してホテルで使うといった用途には活躍するだろう。
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