iPadは、画面に反射防止コーティングが施されておらず、上位のiPad Proに比べて色域が狭くTrue Toneディスプレイに非対応など差別化されているが、アルミ製のボディーはチープさを感じさせない。一方のFireは、いかにもプラスチックという素材で、お世辞にも高級感はない。また摩擦などによる跡が付きやすく、ツメで引っかいただけで跡が残るのもネックだ。両者の価格差が如実に表れており、文句なしにiPadの圧勝と言えるだろう。
ホームユースであっても、画面ロックなど最低限のセキュリティは欲しいところだ。iPadが指紋認証(Touch ID)でロックを解除するのに対し、Fireは指紋認証も顔認証も対応しておらず、パスワードかPINでの手動解除となる。その面倒さゆえ、ロックをかけずに運用している人も少なくないようだ。宅内利用なら致命的な問題ではないとはいえ、この点もやはりiPadの方が安心感は上と言える。
アプリの数と種類は、iPadの圧勝だ。Fireに使われているFire OSはAndroidがベースだが、一般的なAndroidタブレットと違ってGoogle Play ストアは利用できず、独自アプリストアのラインアップはお世辞にも充実しているとは言えない。iPadOSやAndroidではあって当然のアプリが見当たらないこともしばしばだ。その点iPadなら、使いたいアプリがストアにあるかどうか、事前に確認する必要もまずない。
Fireは、Amazonのコンテンツを楽しむための製品ゆえ、外出先での利用は基本的に想定されていない。iPadのようなLTE対応モデルがないのはもちろん、地図アプリすらも選択肢が貧弱で、実質的にブラウザ上でGoogleマップなどを利用せざるを得ない。さらにGPSを内蔵しないため、現在位置の取得はWi-Fiベースだ。外に持ち出してナビゲーションに使うならば、iPadの一択と言えるだろう。
まだまだ勝負は続く。
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