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» 2020年07月14日 06時00分 公開

「ニューノーマル」時代のオフィス像を模索 NECが本社でデジタルオフィスの実証実験を開始 (1/2)

NECが、東京都港区にある本社において「デジタルオフィスの実証実験」を開始した。新型コロナウイルスの影響で「ニューノーマル」が叫ばれる中、それを前提にしたオフィスのあり方を模索するという。

[井上翔,ITmedia]

 NECは7月13日から、同社の本社(東京都港区)においてデジタルオフィスに関する実証実験を開始した。この実験には本社勤務の従業員などが参加し、得られた成果は、2020年度から順次ソリューションとして展開される予定となっている。

概要 NEC本社で実施される実証実験の概要

「ニューノーマル」に向けたオフィスのあり方を模索

小玉浩常務 実証実験の概要を説明するNECの小玉浩常務

 2020年に入り、新型コロナウイルス(COVID-19)の感染症が猛威を振るった。この感染症は世界的に流行したこともあり、生活や仕事に関する従来の慣習を見直す考え方、いわゆる「ニューノーマル」を提唱する動きも出てきている。

 「ニューノーマル」の進展について、NECは不可逆のトレンドとして捉えており、社会全体のデジタルシフトとデジタルトランスフォーメーション(DX)が一気に進むと考えているようだ。

 特にテレワークを始めとする働き方の変化は激しい。小玉浩常務の言葉を借りれば、「仕事の見える化(業務遂行の可視化)、セキュリティ、オンとオフの切り替え、体調管理、新たなストレス」といった解決すべき課題が次々と表面化している状況だ。

 そこで、「リアルとオンラインを融合し、(オフィスで働くという)前提を変えた観点から仕事のプラットフォームを再構築」すべく、本社勤務の従業員などを対象として、新たなオフィスのあり方を模索する実験を行うことになったという。実験を通して得られた成果は、「Workspace as a Service」として提供していく方針だ。

ワークスタイル いわゆる「ニューノーマル」の中でも、特に「働き方」は変化が大きくなりつつある
再構築 リアル(オフライン)とオンラインを“融合”してつなげることがNECの狙い。あくまでも「(従業員の)安心や快適さを向上する」(小玉浩常務)ことが目的で「オフィス(物件)の削減ありきで実施するものではない」(同)という
全体イメージ 実証実験では「NEC Digital ID」というクラウドサービスを軸に、あくまでも“リアル”にオンラインを溶け込ませる手法を取る。テレワークを推進しつつも、オフィスはオフィスとして新たな姿を模索しようという立場を取る

実験の内容

 今回の実証実験は、「NEC Digital ID」というクラウドサービスを軸に展開される。実験への参加に同意した従業員は、スマートフォンに専用アプリをインストールし、IDとサービスの登録を行う。あくまでも参加に対して同意を得る「オプトイン」方式であることと、従業員が何かに触れることを減らせる「タッチレス」化が進められていることがポイントだ。

アプリのイメージ 専用アプリのイメージ

タッチレスゲート:マスク着用のままでも顔認証 体表面温度も測定

 「タッチレスゲート」は、その名の通りICカードをタッチする(かざす)ことなく通過できるゲート(入口)だ。ゲートの開閉判断は顔認証で行っており、新型コロナウイルスの感染拡大を防止する観点から鼻からあごまでがマスクで覆われた状態でも認証できるようにチューニングされている。

 しっかりと本人として認証されているかどうかを確認できるように、ゲートの画面には「幾何学アバター」が表示される。これは周囲の人に個人情報(氏名や従業員番号)を知られないようにするための配慮で、NEC Digital IDを利用するその他のサービスでも有効だ。

 このゲートにはサーマルカメラも設置されている。感染症対策の一環として、顔認証と同時に体表面温度も測定するためだ。測定結果は、顔認証の結果と合わせてゲートの画面に表示される。

ゲート NEC本社1階の正面に設置されている従業員用のゲート。右側のゲートがタッチレス対応ゲートで、赤枠で囲んだ所に顔認証用カメラとサーマルカメラが設置されている
マスクなし(その1) マスクをしていない従業員が……
マスクなし(その2) ゲートを通過した。画面が少し小さく分かりづらいが、本人確認用の幾何学アバターや体表面温度も表示されている
マスクあり(その1) マスクをしている従業員も……
マスクあり(その2) しっかりとゲートを通過できた

ゲートレスエントランス:立ち止まることなく認証可能

 「ゲートレスエントランス」は、その名の通り警備員やゲートによる入館制限を回避しつつ、ある程度のセキュリティと感染症対策を行えるソリューションだ。使っている要素技術はタッチレスゲートと同一だが、その特性から複数人に対して同時に顔認証と体温測定を行えるようになっている。

 エントランス(入口)の開放感を重視する企業や団体への導入を想定しているようだ。

ゲートレスエントランス ゲートレスエントランスのデモ。事前登録した来客の顔認証も想定している。タッチレスゲートのデモと同様に、幾何学アバターによる認証確認にも対応している

マスク着用検知:マスクの非着用者に注意を促す

 「マスク着用検知」は、その名の通りカメラで撮影された人物がマスクをしていない場合に警告を発するソリューションだ。

 先述した入口用のソリューションと比べると簡素な印象を受けるが、「ニューノーマル」におけるマスク着用エチケットを守るように促すには十分に役立ちそうである。

マスク着用検知(あり) マスク着用検知ソリューションでは、マスクを着用していることを検知するとお礼を言ってくれるが……
マスク着用検知(なし) マスクを着用していないことを検知すると、着用するように警告を発する
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