プロナビ

Microsoft 365のIE11対応とEdge Legacy サポート終了の意味を改めて考える:Windowsフロントライン(1/2 ページ)

» 2020年09月02日 12時00分 公開

 少し前の話題になるが、Microsoftが8月17日(米国時間)に発表した「Internet Explorer 11(IE11)」と、従来までのWindows 10標準Webブラウザである「旧Microsoft Edge(Edge Legacy)」のサポート終了関連の話を改めて整理したい。同リンクの図表にもあるが、両製品のサポートにまつわる話題は下記3つのポイントにまとめられる。

IE11とEdge Legacy IE11とEdge Legacyのサポート終了にまつわるロードマップ(出典:Microsoft)
  • 2020年11月30日:Microsoft TeamsでのIE11サポート終了
  • 2021年3月9日:Edge LegacyのEOL(End of Life)
  • 2021年8月17日:Microsoft 365でのIE11サポート終了

 つまり、Edge LegacyのEOLに合わせて既存ユーザーをChromium Edgeへと誘導し、IE11については主力製品であるMicrosoft 365のIE11からのアクセスを段階的に止めることで、結果としてIE11の利用価値を減らしてWebブラウザをChromium Edge(あるいはGoogle Chromeなど)に1本化していくことが狙いにある。

 特に、2020年秋以降に配信が開始される次期大型アップデートの「20H2」では、全てのユーザーの標準ブラウザがEdge LegacyからChromium Edgeへと切り替えが行われるため、基本的に企業ユーザーがグループポリシーやWSUS(Windows Server Update Services)などでタイミングを操作しない限り、ほとんどのユーザーはEdge LegacyのEOLが到来する前にChromium Edgeへの切り替えが終了するとみられる。

 ここでは、IE11のサポートについてもう少しみていく。

“IE 11 isn't going away”

 ここで問題となるのは、IE11のサポートをMicrosoftが「IE 11 isn't going away」という形で続けていくことを表明する一方で、今回のMicrosoft 365におけるIE11サポートの段階的縮小を発表するなど、難しい位置付けにある点だ。

 Microsoftが提供しているIE11向けのサポートは現状3種類あり、「“IE11”のセキュリティ対応」「Chromium EdgeでのIEモードによる後方互換性の維持」「Microsoft 365などWebアプリケーション経由でのブラウザ(IE11)サポート」の3つになる。

 このうち、最後の部分については2021年8月17日に終了となるが、残りについては今後も継続され、それをそう簡単に止められない状況にある。それは、発表の中の見出しにもある「Respecting investments in IE 11 web apps(IE11のWebアプリ資産への投資を尊重する)」という表現にもみられるように、IE11依存の資産を持つ既存ユーザーをいまだ切り捨てられないことに起因する。

 その実、Microsoftは自身のWebサービスでのIE11サポートを縮小する一方で、IE11そのもののサポート終了時期については明言していない。Edge Legacy終了後もWindowsの中で“コンポーネント”としてのInternet Explorer(IE11)は存在し、アプリケーション側の必要に応じてモジュールが呼び出される。

 同社は「Lifecycle FAQ - Internet Explorer and Edge」と呼ばれる文書の中で、Edge Legacyのサポート終了時期(2021年3月9日)については触れているものの、IEについては「各々のWindowsバージョンで提供されている最新のInternet Explorerのみ、テクニカルサポートやセキュリティアップデートが提供される」とだけ記載されており、サポート終了に関する話題には触れていない。

 このような現状で、現在IEユーザーはどのくらい存在するのだろうか。おなじみのStatCounterとNet Market Shareの2つの数字は下記のようになる。

 StatCounterではChromeの69.55%に対してIEが2.76%(Edge Legacyは1.93%)、Net Market ShareではChromeの71.11%に対してIEが4.23%(“Edge”は8.09%)となる。StatCounterではEdge Legacyと明記されており、Chromium Edgeがどのように扱われているのか不明だが、現状の利用者数を鑑みるとOtherに含まれる可能性が高い(Chromium Edgeが公開された2020年1月以降にシェアが急増しているため)。Net Market Shareでは“Edge”とだけ表記されているが、そのシェアの高さから類推してEdge LegacyとChromium Edgeの両者を合算した数字だと考えている。

Webブラウザのシェア 世界のデスクトップWebブラウザのシェア推移(出典:StatCounter)
Webブラウザのシェア 世界のデスクトップWebブラウザのシェア推移(出典:Net Market Share)

 続いて、IEを使っているユーザーとそれが抱えるリスクについて考えてみよう。

       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年09月26日 更新
  1. 実売3万9800円でノートPCを3画面化! ソースネクストのデュアル拡張ディスプレイ「DGP-DMD1401」を試す (2026年09月25日)
  2. AndroidとChromeOSが融合した次世代PC「Googlebook」の実機を見てきた ――AI統合で何が変わるのか? (2026年09月25日)
  3. 新型「Mac mini」「Mac Studio」徹底レビュー! ローカルAIはついに“実用域”へ エージェントAIに事務仕事を任せて分かった驚異の進化 (2026年09月22日)
  4. なぜ競技用ゲーミングPCは光らない? HPSC久木留所長とマウス軣社長が語るアスリート支援の未来 (2026年09月24日)
  5. 「これはわれわれにとってのTGSだ」 ロジクールGが年に一度の旗艦イベント「Logicool G PLAY Tokyo 2026」を開催 熱気あふれる会場を現地レポート (2026年09月25日)
  6. ロジクールGの新型マウス「PRO X3 SUPERSTRIKE」や8K対応キーボード「PRO X2 RAPID」を見てきた (2026年09月24日)
  7. 12インチ「Surface Pro」と13インチ「Surface Laptop」に個人向けの第2世代が登場 Snapdragon X2 Plus搭載でメモリは最大24GBに (2026年09月24日)
  8. 天空がCore Ultra 5を搭載した10.51型2in1ノート「TENKU Note Pro AI」を発売 (2026年09月24日)
  9. “Vision Pro級”のMR体験が約100gの軽量グラスで? 最新の「Meta VR Glasses」を試して分かった圧倒的な快適性 (2026年09月25日)
  10. “AIスマホ”としての個性がより鮮明に 望遠カメラ刷新&AI処理が飛躍した「Pixel 11 Pro」 の実力とベンチマーク結果を検証 (2026年09月24日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー